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山梨県富士吉田市大明見の旧家、宮下家に伝わる古記録・古文書の『宮下文書』。別名『富士古文書』『富士古文献』とも呼ばれ、これらは、かつてこの地にあった「富士王朝」について書かれたものという。
約2300年前、中国・秦の時代、始皇帝に命じられて不老不死の妙薬を求め、方士・徐福が一族約500人を連れ、目的地の蓬莱山である日本の富士山麓を訪れた。そこで日本最古とされる神社、不二阿祖山太神宮に伝わる神代文字で書かれた記録を発見し、漢字で編纂した。これが『宮下文書』である。
ちなみに、現存する『宮下文書』の写本は江戸末期に成立し、漢語と万葉仮名が併用されている。大正時代にはこれを元にした『神皇紀』(美輪義熙著)も成立している。『神皇紀』には、近年になって初めて科学的に解明された、富士五湖が1000年前にはふたつの湖だった事実なども記されている。


では、富士王朝とはどんな王朝なのか? それは神武天皇の時代よりはるか以前から富士山麓に存在した、超古代王朝なのだという。日本民族の発祥地は、メソポタミア(現在のイラク)もしくはペルシア東北部(現在のイラン)で、約7000年前に日本に移住した。そして、富士山麓に不二阿祖山太神宮を中心とした壮麗な帝都を築き、高い文明を誇ったのである。
この都にはアマテラス大神やスサノオ尊らの神々も住み、神武天皇以前から存在したとされる歴代の天皇も、すべてこの地で即位した。人々は、驚異の熱伝導性をもつ「ヒヒイロカネ」と呼ばれる金属を使い、若さを取り戻す方法を知り、また、空飛ぶ船や優れた通信手段など、現代よりはるかに優れた文明を享受していたという。
だが、富士王朝は富士山の度重なる噴火によって滅びた。噴火口から流れ出る溶岩が王都を埋めつくし、そこにやがて植物が生えた、現在の青木ヶ原樹海となった。堆積した溶岩のため、金属探知機なども使用できないこの地に、富士王朝の痕跡を捜すことはできない。



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