悠久の時を過ごす「石」との対話で、人類の悩みの小ささを痛感!/辛酸なめ子の魂活巡業
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「ムー認定 神秘の古代遺産」より、オーパーツ「水晶ドクロ(クリスタルスカル)」をアーカイブ。高精度な造形の謎に迫る。
失われた古代都市ルバアンタンから、文明世界に持ち帰られた水晶ドクロ。そのすばらしい彫刻の技術とドクロがもつ妖しげな美しさは、大変な話題を集めた。
やがて当然のごとく、大きな疑問がクローズアップされはじめた。それはこのドクロがどのようにして作られたのか、という疑問であった。人々の関心はその製作法へと移っていったのである。
さて、このドクロが初めて科学的な観点から調査されたのは、1936年のことだ。
イギリスの人類学者G・M・モーラント博士は、大英博物館に保管されているもうひとつの水晶ドクロ(これは1889年にメキシコで発見されたと伝えられているが、それ以上のことは不明である)との比較を試みたのだ。水晶ドクロは、現在、世界で十数個発見されているが、マイクが発見したヘッジス・スカルとこの大英博物館のドクロ(ブリティッシュ・スカル)だけが、人間の頭とほぼ同じ大きさなのだ。
さて、その分析の結果だが、次のような事実が判明した。
①両者とも眉間の突起や眉の位置の隆起が見られないことから、女性をかたどったものらしい。
②彫刻した道具の跡が見られない。
③ヘッジス・スカルのほうが精密に彫刻されていて、デザインも優れている。そして決定的な違いは、ヘッジス・スカルは下あごが取り外し可能になっていること。
つまり、両者は大きさも形もよく似ていたが、その製造技術に雲泥の差が認められたのだ。
大英博物館員のH・J・ブラウンホルツは、ヘッジス・スカルについて次のようにコメント
した。
「このドクロは細部にわたって正確に表現されており、頭蓋のわずかな隆起は神経質なくらい本物に合わせている。これは科学時代の解剖学的研究に従ったものと、ほとんど同じ特徴を備えている」
彼もまた、このドクロにかなり高度な技術が駆使されていることを認めているのだ。
一方、在ニューヨークのヘッジス・スカルの研究者フランク・ドーランドが発見した、ドクロの基底部と脳の空洞の中央、両の眼窩の背後に施された一連のレンズおよびプリズムの彫刻は、ほかの研究者たちが気づかなかった驚くべき細かさの装飾であった。
いったいこれがどんな効果を発揮するのかというと、たとえば、光がドクロの目に反射され、両目を無気味に輝かせることになるのだ。ドクロの製作者はプリズム効果の原理をちゃんと踏まえて、このしかけを施したのである。
また彼は、ドクロの細工部分を調べてみた。が、それは金属器時代の道具を用いて彫刻された可能性を否定することになった。彼のテストでは、金属器特有の同心円状の掻き傷が確認されなかったのだ。
こうして、ますます謎を深めたヘッジス・スカルは、1970年、本格的な化学分析のためカリフォルニア州サンタクララにあるヒューレット・パッカード社の水晶研究所に持ち込まれた。その結果、次々と驚くべき事実が明らかになったのである。
まず、水晶ドクロは1個の水晶からできており、しかも、水晶のもつ自然軸をまったく無視して彫られていることがわかった。これは現代でも困難な作業である。なぜなら、水晶は自然軸を無視して加工すると、ひびが入ったり割れたりしてしまうからだ。
また同時に、この水晶は左回りに成長していることもわかった。水晶はらせん形に成長し、なぜか一定の方向に向かうのだ。そのため成長の状況により、結晶構造としては右回りか左回りかのいずれかになる。
さらに、取り外し可能な下あごも同じ水晶から仕上げられた後、切り離されたことも確認された。
また実験中、偶然にレーザー光線が鼻孔に向けられると、突然、水晶ドクロ全体が輝きはじめた。特に両目はプリズムの役目を果たし、無数の屈折パターンを示したのだ。
これによってドーランドの指摘どおり、ドクロの内部には複雑なレンズの反射効果やプリズム効果が仕組まれていたことが証明されたのである。
水晶は宝石の中でも多量に産出するポピュラーなものだ。その大型で透明な良質の結晶の主産地は、マダガスカル、ブラジル、コロンビア、日本(山梨県)、ミャンマー、ロシアなどである。そして、その中の無色透明なものは、眼鏡などのレンズ、占い用の水晶球、彫刻、印材、その他の装飾品として広く使われている。
しかし、人間の頭ほどの大きさで無色透明なものとなるとめったになく、それだけでもヘッジス・スカルは珍重すべきものである。
さて、水晶の用途は広いが、なんといっても有名なのは「ピエゾ電気効果」として知られている、いわゆる〝圧電効果〞だ。
水晶に圧力あるいは引っぱり応力(引っぱられている物体内部でこれに対抗する力)が加えられると、それぞれの端にプラスとマイナスの電荷が生じる。するとこれが、きわめて一定した率で振動
する水晶共振体と化す、という特性を水晶はもっているのだ。
電気用語で「水晶発振子」と呼ばれる水晶を薄く切った平板は、あらゆる周波数制御装置に利用されている。だから水晶は、コンピューターから時計、電池、ラジオ、さらに電磁エネルギーの受信、調整、変調、蓄電、送信などの部品として使用されており、いわば通信装置の基盤をなしているのだ。
文明社会の象徴ともいえるこれら科学技術の最先端をいく機器には、すべて水晶が必需品になっていることがわかる。
こうしてみると、やはりドクロが水晶でつくられていることには、何か重大な意味があるような気がしてくる。もしかしたらドクロ自体に、私たちの気づかぬ〝力〞が秘められているのかもしれない。
並木伸一郎
「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。
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