岩手で怪異にさわられる! 後ろから前からあの手この手で/黒史郎・妖怪補遺々々
2024年一発目は、昨年、2回にわたって紹介し、一部のマニアを興奮させたお尻「さわる」系の妖怪から、お尻だけでなく前をさわる系も補遺々々しました。
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ギザの三大ピラミッドだけでなく、エジプトには未発掘の多くのピラミッドが手つかずで眠っている。貴重な歴史的史料や観光資源にもかかわらず、発掘作業が進まないのはなぜか?
歴史とは勝者の歴史であり、“正史”との整合性に欠ける事実は“修正”され、不都合な真実は“隠蔽”される。この修正と隠蔽のメカニズムはエジプトの砂漠の下でも働いているのだろうか。
エジプトのピラミッドを30年以上にわたって研究している考古学者のヴァスコ・ドブレフ氏は、古代エジプトの首都・メンフィスに隣接した広大な墓地であるサッカラの砂の下には未だ見ぬピラミッドが120も眠っていると説明する。
エジプトのピラミッドの代名詞といえばギザ台地の大ピラミッドなのだが、ピラミッドの源流はサッカラのほうにある。
サッカラのピラミッドは初期に建設されたが、その多様性と独創性はむしろその後のピラミッドよりも豊かであるといわれている。その中でも最も有名なのは、ジェセル王のピラミッドと貴族の墓の数々だ。
もちろんその歴史的価値からサッカラは100年以上にわたって調査・発掘されてきた。もう調査するところはどこにもないように思えた時、ドブレフ氏の新た著作で衝撃の事実が明かされることになった。エジプト全土にはまだ秘密のベールに隠された約120のピラミッドがあり、そのほとんどは砂漠に埋もれているというのだ。
ドブレフ氏はメンフィス地域の砂漠を探索中にピラミッドが砂の下にある兆候を発見して調査を進め、この砂漠はまだ約120ものピラミッドが隠れているという結論に達した。科学的な地層調査の結果でも、砂漠の下に埋まっているピラミッドらしき構造物の存在が確認されているという。
またドブレフ氏は2019年に砂漠で平板な地層を発見し、それは自然由来のものではなく、未完成のピラミッドの台座であると説明している。
彼はこれが5年しか支配していなかったウセルカラー王のピラミッドの台座であると示唆し、彼のピラミッド(高さ52メートルで設計)は完成させる時間がなく、台座を作った時点で放棄されたと考えられるという。
これらすべての議論と証拠にもかかわらず、当局から発掘の許可はなかなか下りない。いったいどうしてなのか。
古代エジプトの遺物の発掘を後援したいスポンサーは多く、資金面では何の不安もないということだ。“GOサイン”を待つばかりなのである。
何らかの理由で昨今のエジプトでは考古学研究が禁じられたエリアが増えているということだ。これは外国のエジプト学者に特に当てはまり、ただでさえ外国人研究者には研究の機会が制限されているというのに、それに輪をかけて調査可能なエリアが縮小しているのである。
どうしてこのようなことが起きているのだろうか。“歴史認識”において砂漠に下には何か不都合なものでもあるのだろうか。
サッカラに建造された初期ピラミッド群を手がけた中心的人物は古代エジプトの高級神官であるイムホテプだが、サッカラの砂漠の下に眠るピラミッドの多くはイムホテプが設計したものであると考えるのが自然だ。前出の台座しか作られなかったウセルカラー王のピラミッドもイムホテプが設計している。
とすればサッカラの調査・発掘が許可されれば、これまで以上にイムホテプの功績が脚光を浴びることになる。イムホテプが今以上に重要な歴史上の人物になることをよしとしない勢力がいるということなのだろうか。
あるいは砂漠の下には掘り返せば人類史を揺るがしかねない禁断のオーパーツの類が埋まっているのかもしれない。ともあれ一刻も早く調査・発掘の許可が下りることを期待したい。
【参考】
https://anomalien.com/many-more-pyramids-are-hiding-in-the-sand-why-are-they-not-excavated/
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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