陰謀論者が大集合して百物語…? 現代の奇譚がつまった短編集『陰謀論百物語』
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ジェイソン・モーガン 著
あくまでも事実のみを紹介する、好個の解説書
世界史上、最大のスキャンダルともいうべき「エプスタイン文書」。その存在が明るみに出たことで、文字通り世界に激震が走った。これまで単なる「陰謀論」として片づけられていたさまざまな疑惑が、政府の公式文書によって裏づけられてしまったのだ。英国のアンドリュー元王子や、元駐米英国大使マンデルソン男爵などの大物が続々逮捕。あのビル・ゲイツやイーロン・マスクまでもが、これに関係していたという。
この件はどういうわけか、日本では報道が極端に少ない。さらに公開されている部分だけでも300万ページ超と膨大なこともあって、一般人がその全容をつかむのは極めて困難な状況であった。
そんな中、満を持して登場したのが本書である。「エプスタイン文書」に関して、実に簡にして要を得た好個の解説書であり、必要十分な情報が網羅されている。
著者のジェイソン・モーガン氏はルイジアナ生まれの歴史学者で、現在は千葉県の麗澤大学准教授。本書も翻訳書ではなく、日本の読者のために書き下ろされたもののようだ。
いわゆる「陰謀論」本の胡散臭さは皆無で、記述は冷静かつ客観的。俗にいわれるような悪魔崇拝や人肉食、アドレノクロム抽出などといったおどろおどろしい噂にはまったく触れられず、あくまでも事実のみを紹介する姿勢が貫かれている。
本書を一読すれば、人類の真の敵――「グローバリズム」の正体とその恐ろしさが心底実感できるだろう。

(月刊ムー 2026年09月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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