陰謀論者が大集合して百物語…? 現代の奇譚がつまった短編集『陰謀論百物語』

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    笑えて、こわい。

    情景が想像できてしまうおそろしさ

     何十畳もの大広間、薄暗い部屋のなかに、ぽつんぽつんと灯る蝋燭。その前にずらりと並ぶ者たちによって語り始められたのは、世にも恐ろしい……ありとあらゆるジャンルの陰謀論だった!?

     各界で活躍中の陰謀論者が一堂に会して自慢の陰謀論を披露するという奇抜な設定の表題作をはじめ、7編の現代的奇談がつまった本書『陰謀論百物語』。ひとりの男が持論を語れば、すぐさま他の陰謀論者が別の説をつきつけ、それがさらに異論を呼び……と、小説に描かれる陰謀論百物語の様子はなんともカオスで、ある意味恐ろしく、そしてなぜだかやたらリアルに感じられてしまう。
     くすっと笑いながら読み進めつつ、最後にはずっしりした何かが心の奥底に残る、そんな読後感が味わえる粒揃いの短編集。

    『陰謀論百物語』荻原浩著、税込2,200円、文藝春秋

    webムー編集部

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