渡来系豪族はアウトサイダーとなった?「謎の集団・秦氏 復讐の日本史」/ムー民のためのブックガイド
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関 裕二 著
最大の豪族・物部氏とニギハヤヒの真の姿に迫る
物部氏。古代日本における最大の豪族であり、標題にある「ニギハヤヒ(饒速日命)」を遠祖とする神別氏族である。ヤマト建国時から活躍したが、平安期には藤原氏の台頭によって没落してしまう。
しかし、と著者はいう。一般的にいわれる没落後も、物部氏の「権威と神通力は、なかなか消えなかった」。なぜなら、彼らは「神に近い一族」であり、さらには「ヤマトを代表する鬼の一族でもある」からだ。何しろ「前方後円墳の原型を築き上げ」「神祇祭祀の中心に立っていた」「天皇家以前のヤマトの王の末裔」こそが物部氏だというのである。
こうまで断言されれば、これまで格段日本史に関心のなかった人でも、にわかに物部氏に対する興味が湧き起こってくるのではないか。ではなぜ、それほど重要な存在であった物部氏が、何のために、どのようにして没落の一途を辿ることとなったのか。本書は、膨大な文献資料・発掘資料を渉猟し、物部氏とニギハヤヒの真の姿に迫ろうとする試みである。
著者の関裕二氏は、独学で古代史を学んだ歴史作家で、「古代をテーマに精力的に執筆活動を行なっている」。本欄でも過去に、氏の『豊璋 藤原鎌足の正体』(河出書房新社)や、『謎の集団・秦氏 復讐の日本史』(ビジネス社)などをご紹介している。本書を読みこなすには基本的な日本史の知識は必須であるが、歴史マニア、特に古代史マニアにとって必携の一書といえるだろう。
(月刊ムー 2026年07月号掲載)

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