完全人工タンパク質「培養肉」は禁断の食文化を生み出すのか?/食糧危機(3)・久野友萬
農業や畜産に限界があるなら、工業で食料を増やす! 細胞から肉を作る「培養肉」は死を伴わないタンパク質だ。その実現は、禁断の食文化につながるかもしれない。
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実在するのか、しないのか。有名なのに謎多き「鬼」を追う松原タニシは、鬼の子孫に出会うため奈良県の秘境を訪れる!
松原タニシが超人たちの足跡を追い、みずからも人を超越した存在になることを目指す「松原タニシの超人化計画」。
前回は京都で大暴れしたといわれる伝説の鬼の親分・酒呑童子のルーツが遠く離れた新潟にあった、しかも鬼の親分はイケメンの元ヤンだった! というレポートをお送りしたが、今回も引き続き、人を超えた存在・鬼にまつわるお話。
そもそも、鬼とはなんなのか。
本当に実在したのか、それとも空想の生き物なのか……。そんなところもはっきりしていない。
そんな鬼の真実に迫るべく、鬼の子孫といわれる人に会ってきたレポートである。
今回の現場は、奈良県吉野郡の下北山村という山村だ。この村に「前鬼」という集落があり、そこになんと、鬼の子孫が営む宿坊があるというのだ。
というわけで「前鬼」を訪ねるべく旅に出たのだが、奈良県南部は、秘境である。下北山村まではバスで向かい、前鬼口バス停で下車。ここが宿坊の最寄りバス停となるのだが、そこからのルートを検索すると、目的地まではさらに徒歩2時間半。
もちろん車も通れる道なのだが、あいにくタニシは運転免許を持っていないのだ。
そんなわけで、ここから2時間半の道のりをひたすら歩いて宿坊に向かう。鬼に会う道のりは、遠く険しい。
ところが、歩き始めて5分10分ほどした頃。うしろからやってきた一台の軽トラックがタニシの横で停車し、運転席のおじさんが
「お兄さん乗ってく? お遍路さんでしょ」
と声をかけてくれた。そのおじさんがこちら。ほとんど仙人のようないでたちのおじさんだ。
その日タニシはたまたまお遍路さん用のカバンを使っていたのだが、これを目にとめてくれたのだとか。宿坊を目指して歩いているのだから、まあ、広い意味ではお遍路さんに違いない。おことばに甘えて、そこからは軽トラで宿坊まで送っていただくことになった。
宿坊までの道は、前鬼川に沿ってくねくねと走っている。途中ですごい滝が出現し、きれいだなあと眺めていると、仙人おじさんは車をとめて説明してくれた。
ここは不動七重の滝といって絶景として有名だが、「よく人が亡くなってるんだよ」とのこと。なんでも、滝を見ようと崖に近づきすぎたり、修行をしていた人が誤って転落したり……という例が何度か起こっているのだそうだ。さすが秘境の修験の山、美しい、きれいだけでは終わらない。
そうこうする間に、車は徒歩2時間半の道のりをあっという間に走りぬけ、目的の地、鬼の子孫が営む宿坊のある集落に到着する。
集落入口には看板が立てられていて、ざっとこんなことが書かれていた。
「修験道の開祖である役行者(役小角)が大峰山を修行の場としてひらいたとき、その弟子の夫婦が修験道修行場を守護するようにと使命を与えられ、この地に住み着いた。
これが前鬼後鬼という鬼の夫婦で、その5人の子どもとその子孫は代々宿坊を営んできた。
子孫はそれぞれ五鬼熊、五鬼童、五鬼上、五鬼助、五鬼継と称し、修験道の聖地を守護してきたが、明治末期から次々に姿を消し、現在は五鬼助の小仲坊だけが残って1300年の法灯を守っている」
その最後の宿坊・小仲坊につくと、仙人おじさんが「ご住職!」と声をかけて、鬼の子孫である宿坊のご主人、五鬼助さんを呼び出してくれた。
実は、もしかしたらこのおじさんが鬼の子孫の方なんじゃないか……と思っていたのだが、違った。いかにも仙人ぽいおじさんだが、修験の聖地ともなればふつうのおじさんでもこんなに仙人ぽいのだ。
(つづく)
松原タニシ
心理的瑕疵のある物件に住み、その生活をレポートする“事故物件住みます芸人”。死と生活が隣接しつづけることで死生観がバグっている。著書『恐い間取り』『恐い旅』『死る旅』で累計33万部突破している。
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