古代エジプトの神々・国家・暮らし・死生観に触れる「古代エジプト美術展」が新潟で開催中 

文=杉浦みな子

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    3000年にわたる巨大文明の歴史に迫る、貴重なコレクションを見逃すな!

    「古代エジプト美術館 渋谷」のコレクション約200点が新潟に登場 

     日本唯一の古代エジプト専門美術館「古代エジプト美術館 渋谷」をご存知だろうか。個人コレクターによって収集された1000点以上にのぼる古代エジプト文化のコレクションは、先王朝時代からローマ支配時代まで網羅し、国内では質量ともに第一級の内容を誇っている。 

     この「古代エジプト美術館 渋谷」の展示品が、まさに今、新潟に上陸中! そのコレクションを元に、3000年にわたる巨大文明の歴史に迫る「古代エジプト美術館展」が、新潟県立万代島美術館で開催されている。 
     期間は2024年10月11日(金)〜12月15日(日)まで。 

     本展では、世界的に貴重な遺物であるミイラやミイラマスク、人型木棺、神殿の石柱、ツタンカーメンの指輪をはじめ、当時の生活様式がわかるジュエリーやレリーフなど約200点を展示。 
     また、過去100年間学術的な調査がほとんどなされてこなかったメイドゥム(マイドゥーム)・ピラミッドの最新調査(2022年)の様子もあわせて紹介されている。

    万代島美術館

    古代エジプトの信仰・国家・暮らし・死生観に触れよ

     古代エジプト人は、この世界や宇宙は創世神によって創造され、その後、数多くの神々が誕生していったと考えていた。そこでは多くの動物神が信仰されていたが、これは動物には人間にはない特別な能力を持つことが注目されたため。本展では、そんな多様な神々の護符や神像、動物のミイラが紹介されている。

    ミイラマスク/プトレマイオス朝時代
    アテフ冠を被ったトト神像/末期王朝~プトレマイオス朝時代

     加えて、ファラオ(国王)をモチーフとした像やレリーフ、神殿の柱なども展示。古代エジプトの社会がファラオを頂点とする国家であり、長い古代エジプトの歴史において、ファラオたちは常に絶対的権力を行使していたことが垣間見られる。

    王とアトゥム神のレリーフ/第3中間期・第22王朝

     また、古代エジプトは他の地域と比較して、当時の衣・食・住を考える上で多くの資料が存在する。エジプトの乾燥した気候や保存環境により、墓に副葬された数多くの品々が朽ちることなく残されたためだ。本展では、ツタンカーメン王の指輪や化粧用容器、ジュエリーなども展示。 

    ウジャト(聖なる眼)を付けたビーズの首飾り/新王国~末期王朝時代

     そして古代エジプトといえばミイラ。古代エジプトの人々は、人間は死後に再生し永遠なる生命を得ると信じていたため、死者の遺体をミイラとして保存した。数多くのミイラが作られた中でも、本展では少女のミイラや人型木棺、副葬品などを紹介している。 

    人型木棺/プトレマイオス朝時代初期

    <イベント概要>
    会期:2024年10月11日(金)~2024年12月15日(日)
    会場:新潟県立万代島美術館
    住所:〒950-0078 新潟県新潟市中央区万代島5-1 朱鷺メッセ内 万代島ビル5F
    時間:10:00~18:00(観覧券の販売は17:30まで)
    休館日:10月21日(月)、11月11日(月)、25日(月)、12月9日(月)
    入館料:一般 1,600円(1,400円)/大高生 1,300円(1,100円)/中学生以下無料
    ※( )内は有料20名様以上の団体料金。※障害者手帳をお持ちの方は観覧料免除
    公式サイト:https://banbi.pref.niigata.lg.jp/

    杉浦みな子

    オーディオビジュアルや家電にまつわる情報サイトの編集・記者・ライター職を経て、現在はフリーランスで活動中。
    音楽&映画鑑賞と読書が好きで、自称:事件ルポ評論家、日課は麻雀…と、なかなか趣味が定まらないオタク系ミーハー。

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