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真言密教の最初期、空海の生きた時代に制作された密教美術が集まる展示が開催!!
弘法大師・空海と言えば、真言宗の開祖であり、中国・唐から持ち込んだ密教の教えを日本に広めた人物である。その活動拠点となっていたのが、京都の西北、高雄に位置する寺院「神護寺(じんごじ)」だ。
いわば、“真言密教始まりの地”とも言える神護寺は、今年2024年で創建1200年を迎えた。これを記念した特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」が、東京・上野の東京国立博物館・平成館で、2024年7月17日(水)から開催される。見どころをざっとご紹介していこう。
神護寺は元々、和気清麻呂が確立した高雄山寺を起源とする寺院だ。唐から帰国した空海が活動の拠点とし、天長元年(824)に高雄山寺と神願寺というふたつの寺院がひとつになって、正式に密教寺院として誕生した。
唐で体系的な密教を学んだ空海は、その成果をもとに日本で真言密教を打ち立てたが、国家の安泰を願う密教修法や、金剛界・胎蔵界両部の灌頂が初めて行われたのが、この神護寺である。
密教では、教義の世界観を示す曼荼羅や儀式で使う法具など、数多くの美術工芸品が生み出されてきた。今回の展示会場では、空海の生きた時代に制作された彫刻・絵画・工芸をはじめ、国宝17件、重要文化財44件を含む密教美術の名品など、約100件が展示される。
それだけでなく、神護寺の前身寺院から祀られていた本尊である国宝「薬師如来立像」がお目見えするのもポイント。寺外で本尊の荘厳さに触れられるのは、今回が初の機会となる。
加えて先日、約230年ぶりに修理された国宝「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」も展示される。両界曼荼羅は、金剛界と胎蔵界という密教のふたつの世界観を図示するもの。高雄山神護寺に伝わったため「高雄曼荼羅」とも呼ばれる本作品は、実に4メートル四方の大きさを誇り、空海在世時に制作された現存最古の両界曼荼羅だ。
そのほか、現存最古の「五大虚空蔵菩薩坐像」も勢揃い。こちらは、空海の後を継いだ真済の代に安置された国宝で、日本で作られたうち五体が揃う現存最古のもの。仁明天皇御願とされ、鎮護国家が願われた。寺外で五体揃って公開されるのは初めてとなる。
なお、今年は空海の生誕1250年でもあり、真言密教の世界におけるひとつのアニバーサリーイヤーである。その教えに思いを馳せながら、1000年以上前に空海が見つめたであろう本尊や宝物の数々を、ぜひその目に焼き付けてほしい。
<イベント概要>
創建1200年記念 特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」
【会期】2024年7月17日(水)〜9月8日(日)
前期展示:7月17日(水)~8月12日(月・休)/後期展示:8月14日(水)~9月8日(日)
【会場】東京国立博物館 平成館(上野公園)〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9
【開催時間】午前9時30分~午後5時(※金曜・土曜日は午後7時まで(ただし8月30日・31日は除く)※入館は閉館の30分前まで
【休館日】月曜日、8月13日(火)※ただし、8月12日(月・休)は開館/※総合文化展は、8月13日(火)開館
杉浦みな子
オーディオビジュアルや家電にまつわる情報サイトの編集・記者・ライター職を経て、現在はフリーランスで活動中。
音楽&映画鑑賞と読書が好きで、自称:事件ルポ評論家、日課は麻雀…と、なかなか趣味が定まらないオタク系ミーハー。
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