占いで競馬を当てる、楽しむ! 易で、ダウジングで、タロットで…川崎競馬場のレースを読み切った占い師競馬会レポート(結果編)

文=小栗素子

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    占い師生命をかけた「占い師競馬会」に16人の占い師が参加! はたして占いで競馬を当てることができるのか結果レポート編!

    企画の前振りと参加占い師の紹介の前編はこちら!

    川崎競馬場の貴賓室で9レースを占う

     16人の占い師が参加する「ムーpresents第1回占い師競馬会」が神奈川県にある川崎競馬場にて開催された。各レースの勝敗を追いつつ、はたして占いで競馬を当てることができるのか、をレポートしていこう。

     今回の「占い師競馬会」のルールは3つ。

    1.1Rから9Rまで行い、当てた回数と回収率で競う
    2.馬券の買い方は自由
    3.馬や騎手などを呪わない

     特に3番目のルールは、競馬場からも念を押された、最も重要なポイントである。占い師の中には呪術に長けたものもいるのだが、レースの外部要因になることは厳禁。能力は予想だけに用いる。

     ちなみに、主催者・あらいちゅー(田中俊平)さん注目の占い師は、断易とダウジングのCHAZZさん、西洋占星術の芳垣宗久さん、タロットのサトリーヌ・FUJIWARAさん。
     CHAZZさんは占いの実力もさることながら、ガチの競馬ファンで馬券の買い方にも通じている。
     芳垣宗久氏は、馬が出走するその瞬間の「出走図」で占う。占いで競馬はするが、馬券の買い方はよくわかっていないという弱点はある。
     サトリーヌ・FUJIWARAさんは、過去に1レースだけ参加して、万馬券を当てて帰って行ったという伝説を持つ。

    CHAZZさん。競馬知識もつかって勝負!
    芳垣宗久さん。馬券の買い方もわからない状態で参戦。
    サトリーヌ・FUJIWARAさん。競馬用のスプレッドで挑む。丁寧な占い方で毎レースこなすのはあわただしかったようだ。

    占術博覧会の様相を呈する現場

     ともあれ、当日のレースが始まった。まだ気の流れを把握しきれていない第1レース。貴賓室には、初戦は手探りといった雰囲気が漂っていた。当てたのはふたりだ。宿曜占星術の萩原八雲さんと、ジャンヌダルクの秘法や道しるべカードというレアな術を使う五十六謀星もっちぃさん。
     萩原八雲さんは、当日の宿(昴宿)と馬・騎手・自分の宿の相性、馬と騎手の相性、自分と馬の相性など、多角的な相性を鑑定し、勝利をつかみ取った。なんと、競馬は2回目(その1回目も占い師競馬会)だという。しかも、49.2倍という高配当だった。
     五十六謀星もっちぃさんは、道しるべカードが示した「スタートがトラックのカード、ゴールがラブのカードなら負けるわけない」という予想により、勝利。しかし複勝は1.5倍。的中はしたものの、馬券の買い方により払戻金に差が出る結果となった。

     続いて第2レース。当てたのは6人。競馬にも精通するあらいちゅーさんは難しいレースだったと指摘するも、「そうなんだ」と軽くいなしたのが、嶽啓道のき りんさん。全体を見たところ、足の運びがいいという卦が出た馬を選んだだけだという。ダウジングでズーンと来たという、手ごたえを元に的中させたのが叶ここさんも涼しげに的中。ほかにもタロットを繰り、ゴールを占ったらクィーンカードが出たので「牝馬」にしたという手相名人の一之瀬水希さん、コインを使った断易で鋭く切り込んだ山口壺義(津軽のやまちゃん)さんなど、2レース目にして何かをつかんだ人が多かった模様だ。
     そして、まったく競馬はやらないという順震さんも見事、単勝買いで当てる。周易でいい卦が出た馬を買ったというシンプルな勝利だが、ここから快進撃がはじまる。

    一ノ瀬水希さん(左)と、山ちゃんさん(右)。
    単勝買いの順震さん(左)と、道しるべカードで的中させた五十六謀星もっちぃさん(右)。

     第3レース。占い結果とオッズの興味深い連動が浮き彫りになったレースだ。16人のうち11人が当てるという好結果のレースとなったが、一番人気馬の6番はオッズ1倍。競馬新聞などの事前情報があれば「6を買っておけば安全」なレースではあった。ただし、今回は占い師競馬会。競馬に詳しいといえるのは3人だけであり、占い師たちはオッズを気にせずレース前の占いを進めていた。

     占い芸人・ますかた一真さんは、競馬新聞を広げ、レース表馬番の上に、新聞の内容を見ずにタロットを並べるスタイル。第3レースの欄に並べたカードをひっくり返すと、6番のところに「スピードによって勝つ」を意味する「ソードのナイト」が出た。じゃあ、これを買うということで、予測オッズを見て一番人気馬だと知りビックリ。さすがタロット、さすが占い芸人である。

    占い芸人ますかた一真、ソードのナイトで的中! これほど競馬らしいカードもない。

     西洋占星術の出走図にて占う芳垣さん、四柱推命のみで挑む一角さん、馬をじっくり分析するCHAZZさんらも初戦を飾る。
     ここまでで五十六謀星もっちぃさんは3連勝。道しるべカードの導きがすごい。

     第4レースは、10人が勝利。これまでまったくかすらず、このレースから四柱推命からイーチンタロットに占術を変えたというより海さんは競馬が初めてで戸惑っていたが、調子が出てきたようだ。占いで万馬券を当てたことがあるサトリーヌ・FUJIWARA氏も、初勝利。
     AIと占いを組み合わせ、3連単を狙うのが、かーりーさん。この4レースと5レースで3連単を的中させていた。

     その後、第5レースの勝利者は9人、第6レースは8人、第7レースは6人、第8レースは9人、最終の第9レースは8人と……ますかた一真さんを除き、全員が2勝以上となる。

     競馬って、こんなに当たるものなのか……?

    ムー編集部としては、こんなに当たると思ってなかった。

    占いを賭け事に使うのはアリなの?

     終盤にさしかかるにつれ、叶ここさん、き りんさんの魔術コンビ(?)の勝率が目立ってきた。叶ここさんは競馬ファンだが、き りんさん競馬は全然やらないという。序盤のレースはふたりとも手堅く当てていく感じ。しかし、レースが進むごとに、魔術&まじないが炸裂する。同じテーブルに座っているからか、相乗効果によるパワーの上昇率がすごいようだ。
     叶ここさんは複数の占術を組み合わせているが、競馬場、馬、騎手……そして天の采配と、地面からだんだん上のほうへ占っていく、というコメントが興味深かった。

     ところで、霊感もあらたかなき りんさんに、素朴な疑問ーー「賭け事を占っていいものなのか?」をぶつけてみた。
    「え、問題ないでしょ」とあっさり。
     増えたあとのお金の使い方に問題がなければいいとのこと。ーーはい、じゃんじゃん当てていきましょう!

    祈るとなにかが起きてしまいそうなふたりだが、その能力は使わずに参加していただきました。

    占いは競馬に勝てたのか?

     結果は以下となった。回収率ではこの順位だが、当てた回数(占いの技術)で見ると、全体、驚くべき好成績である。

    回収率100%超え3名、75%超え5名!
    かーりーさんは当てた回数こそ2回だが、どちらも3連単!
    当てた回数が安定している=占いの技術で見ると、占いのスゴさがわかるだろう。


     占いでは当てた回数、そして競馬で見れば、回収率が大事。回収率とは、馬券を買った金額に対して戻ってきた金額の割合のことで、100%を超えればお金が増えた、ということ。そして競馬という競技では75%が払い戻しに使われるため、自信の回収率が75%以上であればOKだ、とあらいちゅーさんは言う。

     結果、100%を超えたのは3名、期待値75%超えは5名となった。16人のうち、この当たり方は、正直、「占いスゴいな」である。

     回収率1位(的中数6勝で2位)は、宿曜占星術の萩原八雲さん。2024年3月13日は昴宿の日で、萩原八雲氏とは相性のよい日。宿曜占星術は相性占いで定評があるのだ。しかし、目が疲れてきたということで、運のよい日だし途中からタロットに変更。この好成績となった。

    前半は宿曜経、後半はタロットで的中させていった萩原八雲さん。
    優勝賞品は「ナスカジャン」!おめでとうございます!

     回収率2位(的中数4勝で4位)は、篁 ヒムカさん。タロット、ルーン、オリジナルのオラクルカードにて勝負。前半は振るわなかったが、運のいい人から運気をもらうという秘術が功を奏し、回収率123.1をたたき出した。

     回収率3位(的中数は7勝で1位)は、叶ここさん。リソマンシーで全体を占い、ルノルマンカードとタロットで馬の状態を鑑定、さらにダウジングで絞り込むという、複合占術で第2レースから第8レースまで連勝。実は第1レースも、買い方を間違ったが、当たっていたとのこと。「今日はダウジングが素直!」「大きな声で応援してる!」と、終始テンション高く、その明るさで勝ちを引き寄せていたようだ。

     回収率4位(的中数5勝で3位)は、順震さん。第2レースの勝利から快進撃と伝えた順震氏は、周易の達人である。占い方は、1頭1頭を周易で占い、出た数字をもとに、馬券を買うスタイル。1レース10頭の馬が走るので、90頭を占ったことになる。5勝4敗の的中という結果となったが、何がすごいかというと、全レース単勝1~2点買いというところだ。単勝とは、1位の馬をドンピシャで当てるということ。単勝のみを5回当てるのは、すごい。何にも競馬を知らないところが、またすごい。回収率も90%と、競馬初心者ではありえない好成績である。周易の的中率と順震氏の技に震える展開であった。

     ところで、易は英語でいうとイーチンであり、易をカードという形にしたものをイーチンタロットという。このイーチンタロットを使って、4レースから9レースまで連勝という勝数とたたき出したのが、ひより海さん。4レースから占い方をイーチンタロットに替えたのが勝利の理由とのことだ。馬券の買い方をもっと理解すれば、回収率も上がるだろう。

     回収率5位(的中数4勝で4位)は、主催あらいちゅーさん。一貫してダウジングで勝負。的中数は4勝だが、競馬に詳しく、上手な馬券の買い方が回収率を上げた。

    その場、そのときを占う「卜術」が強い!

     好成績を残した占術は、ダウジング、タロット、周易、断易、呪いなどの卜術であった。

     今回の占い師競馬会で、多くの占い師が使用した占術がダウジングだ。ダウジング使いの占い師によると、「勝ち馬番号のところは、ロッドの重さが変わる、ズーンとくる、ピクンピクン振動する」という。ダウジングは、先が細い何かを垂らせばできるので、占い素人もぜひ競馬で試してほしい。

    競馬新聞でダウジング。シンプルかつ有効だ。

     期待されていた芳垣さん(占星術)とサトリーヌ・FUJIWARAさん(タロット)だが、今回は調子が悪かった。芳垣さんいわく、「占い師にも運がある。その日、占い師の運が悪ければダメ」ということだ。とはいったものの、全レース馬複1点で勝負して、2勝にとどまるも、回収率は9位に食い込む実力を見せた。サトリーヌ・FUJIWARAさんは、話しかけるのがためらわれるほど真剣にタロット占いをするも、「今日は調子が悪かった」とか。スマホに表示されていた、気学が告げるサトリーヌさんの時間帯別未来運勢予想は「勝ちづらい」のオンパレードだった。3勝6敗と実力を発揮できなかったが、ある意味、占いは当たっていたのだった。

     そして……16人中の最下位は、ますかた一真さん。3レース目で1勝するも…どうにも当たらない。お守り5つを握りしめ、「今日の開運行動、筋トレ」に励み、「お腹がラッキープレイス」ということでヨーグルトを一気食べし、新聞を広げる場所が悪いとのアドバイスに従い場所を移すも、結果は3レースの1勝のみに。芸人的にはオイシイ最下位だが、1回当ててしまったのが微妙である。

    いっそ全部ハズしたほうが芸人らしかったかもしれない。

    占いで競馬は楽しくなる

     レース前、主催者あらいちゅーさんが「過去の実施では、半分くらいの人がちゃんと当てていた」といっていたが、今回も、16人中的中数5勝以上が8人、期待値75%以上は5名と、だいたいそんな感じの結果となった。競馬初心者ばかりという条件の下、この成績。占いで競馬は当たるといえるだろう。

     なにより競馬を全然まったくこれっぽちもわからない人(ムー編集部の面々がそうである)でも、占いで競馬を楽しむことができることも証明された。
     全力疾走するサラブレッドはほんとうにキレイで、スポーツ観戦としても十分楽しめる。自分で馬券を買って感染するドキドキが加わるとさらに楽しめるのだが、とはいえガチで競馬を研究して挑むのは至難の業。
     でも、占いなら、そんな研究は不要だ。
     占いで出た数字や兆候で、100円でも200円でも馬券を買えばいい。大勝ちしようと構えたり、研究して挑むと、レース結果が自分自身との勝敗として重くのしかかる。そこを占いに任せてしまうと、競馬場を気楽に楽しめるということが、「占い競馬会」で実証されたのだ。なんだかんだ、思いのほか当たるし。

    みなさま、御参加ありがとうございました!

     身近に占い師や占い好きがいるなら、連れて行って勝ち馬を占ってもらうといいし、自分で占ってみるのもおすすめだ。直感に従って、思い浮かんだ数字を買うもよし、今日のラッキーナンバーをひたすら買い続けるのもアリだろう。その際、ボイドタイムは避けるといいかもしれない……と、占いがあれば競馬場での過ごし方が広がる。今回の企画はなによりもそれが収穫だった。

     占い師の腕試しという、リスキーな企画に参加いただいた先生方にも感謝。
     第2回……ぜひ、やりたいものである。次はどこの競技場で?

    現場の模様は動画でも公開!

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