「超能力者を募集するなら連絡先など不要」説を実践した話など/南山宏のちょっと不思議な話
「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2023年8月号、第472回目の内容です。
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「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2023年9月号、第473回目の内容です。
日本のカワセミはピリッピリッと甲高く可愛い声で鳴くが、オーストラリア原産のワライカワセミは、その名のとおりまるで人が大笑いするような〝ガハハハ、ガハハハ〟というガサツな声で鳴く。
所変わって英サセックス州バージェスヒルのデヴィッド&エマ・ジャクソン夫妻がランニング中、頭上を頭と腹部が白っぽい大柄な茶褐色の鳥が飛び越え、前方の木枝に止まったのを見て驚いた。
鳥類観察が趣味の夫妻は、すぐさまその鳥が自国には棲息しているはずのないワライカワセミだと見抜いて、「ティルゲート自然保護センター」に報告した。
同センターは発見地点の周辺地域にワライカワセミを失くした飼い主がいないか捜し回ったが、そんな飼い主は見つからなかった。
2022年5月18日付「ウェストサセックス・ガゼット」紙によれば、だれかが違法にどこかから持ち込んだか、あるいは(ちょっとありそうにもないが)ワライカワセミ自身が、航空機か船舶に便乗してはるばるオーストラリアから自力で密航してきたか――
のいずれかしか可能性はない、と鳥類関係に詳しい専門家は指摘している。
ソマリア連邦共和国の警察当局は、学名をタピノーマ・セシールという蟻を、このほど麻薬の1種に分類した。理由は国民が、この蟻を蒸し焼きにすると出る蒸気を吸って、ハイになるから。
警察のスポークスパーソンは、具体的に説明する。
「彼らはこの蟻たちの尻を切り落としてフライパンに入れ、蓋をする。蒸し上がるころ合いを見て身を乗り出し、蒸気を深く吸い込んでハイな状態になるわけだ!」
2022年7月9日付「BBCニュース」によれば、蟻たちが生成する蟻酸の蒸気を過度に吸うと、目眩や吐き気・嘔吐を催し、液体は皮膚を発赤・発泡させる。
イギリスはリンカンシャー州グリムズビーの国教会の由緒ある大きな古時計が、どうしたことか止まってしまった。
だが、修理代が5万ポンド(約900万円)はかかりそうだと判明すると、教区役員たちは修理を諦めた。
それから1年半後、不思議なことに止まっていた古時計は突然、ひとりでに動き出した。
しかも驚くべきことに、以前と同様に、長針と短針が時分秒まで正確な時を刻んでいる。
教区役員のひとり、クリス・ダニエル氏は断言する。
「これが神の起こしたもうた奇跡でなくて何であろうか!」
2021年度中にアイルランドのダブリン国際空港に寄せられた騒音クレームの90パーセントは、たったひとりの氏名不詳の男性からのもので、合計1万2千272回、平均1日に34回弱となる。
前年2020年度のクレーム回数6227回の約2倍増だから、もちろん新記録にはちがいない。
2022年度も日に59回平均あり、いっこうに減る気配がないどころか、どんどん増える一方で、この勢いで行くと、年末にはゆうに2万回を超える計算になる。
さて、今年はどうなるやら。
スイスのザンクトガレンで、45歳の女性(氏名不詳)がエンジンをかけっ放しのうえ、サイドブレーキを入れ忘れたまま、自分の車から降り立って、トランクを開けようとした、
あいにく車が停まっていた場所が、ほんの少しだけスロープだったので、車は後ろ向きのまま静かに動きだした。
彼女はあわてて車を押し戻そうとしたが、力及ばず倒れ込むと、そのまま自分で自分の車に轢かれてしまった。
車は別の車にぶつかってリバウンドすると、もう1度彼女を轢き直してから、歩道の縁石にぶつかって跳ね返り、3度目の正直とばかりまた彼女を轢いてしまった。
「ガーディアン」紙ドットコム2022年11月4日付によれば、彼女は重傷を負って、病院に緊急搬送されたが、幸いにもなんとか命は取り止めたそうだ。
ゴリラの着ぐるみの扮装でマチェーテ(山刀)を振り回す物騒な発砲男が、米ノースダコタ州ファーゴで緊急逮捕された。
「銃をバンバン撃ちまくってる不審者がいます!」
住民から通報を受けて、警察が現場のアパートブロックに到着したのは、真夜中の12時半ごろ。
銃声と思われたのはただの爆竹で、ゴリラ男の正体は、地元住民のジョーデン・ピッカス(26歳)とまもなく判明した。
だが、ピッカスがアパートビルに立て籠もって、「ここを爆破するぞ!」と息巻くので、警察はまずアパートの全住民を緊急避難させてから、数時間かけてピッカスをじっくり説得した。
「マイアミヘラルド」紙2020年10月4日付によれば、結局、ピッカスは投降し、病院で精神鑑定と健康をチェック後、テロ行為の容疑で逮捕された。
2020年12月の初頭、メキシコはネザワルコヨトル市のベニトホアレス地区に突如として出現した地上の大穴を、作業員たちがコンクリートで塞いだ。
だが、車の往来が続くうちに再び大穴が開いたので、12月12日の聖母グアダルーペのマリアの日の直前、再度修復が行なわれた。
「奇跡が起きたのはそのときよ」
地元民のベアトリス・ラミレスさん(22歳)は報道陣に語る。
「打ち固めたばかりのコンクリートの上に、マリア様のお姿がくっきりと現われ出たの!」
ベアトリスは近隣住民たちと協力して、現場の周りに立ち入り禁止のテープを張り、さらに供花とキャンドルで取り囲んだ。
聖母出現のニュースはたちまち広まって、奇跡の顕現をこの目で確かめようと、多数の礼拝者や病人が徒歩や車で押し寄せている。
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