古代神話を徹底比較!「読み比べ 古事記とホツマツタヱ」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

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    読み比べ 古事記とホツマツタヱ

    小深田宗元 著

    「ホツマツタヱ」を、「古事記」上巻などと徹底比較

     本欄にもたびたび登場する『ホツマツタヱ』。著者によればそれは、「記紀」よりもさらに400年も前に編纂された「我が国最初の歴史、文化に関する古代文献」である。漢字伝来以前の「当時の皇室ゆかりの貴き文字、古代文字(ヲシテ、ほつま文字)で書かれて」おり、五七調の長歌体で全40編、総計1万700行に及ぶ壮大なものである。
     実はこの『ホツマツタヱ』が世に出たのは比較的新しく、何と今から55年ほど前の昭和41年、神田の古書店で発見されたという。そんなこともあり、むろん、学界では捏造として完全否定されている。

     本書は、とくに『古事記』上巻との徹底比較により、「記紀」の原典ともいわれる『ホツマツタヱ』をわかりやすく読み解いていく試み。『ホツマツタヱ』との対照により、「これまで古事記に親しんできて感じていた疑問点、謎や矛盾点の多くがきっと氷解する」という。

     著者の小深田宗元氏は、長年にわたり、監査や税務、経営コンサルティングといった業務に携わってきたが、還暦を迎えたころから『ホツマツタヱ』を軸とする、日本古代の歴史・文化の学びと探究生活に入ったという。
     本書はそんな著者のデビュー作であるが、巻末に案内があるように、氏は書籍の他に『ホツマツタヱ』に関するオンラインサロンなども展開している。興味のある方は、ぜひチェックしていただきたい。

    読み比べ古事記とホツマツタヱ 古事記の謎と矛盾がすべて解ける!
    かざひの文庫/1980円(税込)

    (2023年8月号掲載)

    星野太朗

    書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。

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