知らぬ間に弾丸が当たっていた話など/南山宏のちょっと不思議な話
「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2023年1月号、第465回目の内容です。
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米フロリダ州内を流れるホモサッサ川で、2021年1月早々、背中に〝トランプ〟と前同国大統領の名前が大きく記された1頭のマナティが発見された。
政府の魚類野生生物局とフロリダ州魚類野生生物保護委員会が、動物虐待と野生生物保護法違反の容疑で犯人捜査に乗りだし、容疑者の訴追に繋がる情報の提供者には賞金5000ドル(約52万円)を出すと発表した。
ただ、当のマナティは別に衰弱している様子はなく、また背中の文字もどうやら皮膚に直接彫りつけられたものではなく、たんに体表に黒い藻草が文字の形に張りつけられただけと判明した。
それにしてもいったいだれが何の目的で、前任大統領の名前をわざわざ草食性の大型海生哺乳類の背中に記したのか。
哺乳綱海牛目マナティ科マナティ属のマナティは米連邦法で保護種に指定されており、許可なく干渉することは犯罪に当たる。
イギリス北東部の警察が、当地一帯の保護者たちに〝ゾンビースイーツ〟と総称される怪しい菓子類を、決して子供たちに買い与えないようにと警告を発した。
2020年11月22日付「BBCニュース」紙によれば、大麻や同様の物質を隠した密封パケットが、普通のスイーツと見分けのつかない包装紙を使って大っぴらに流通しているという。
「子供はもちろん成人でも、ゾンビースイーツを体内に摂取するのは、非常に危険な行為だ!」
当地のクリーヴランド署のスポークスマンは、広報を通じて強く警告を発している。
トルコのアナトリア半島(別称・小アジア)で、世界最古の武器のひとつが発見された。
イタリアのヴェネツィア潟に浮かぶ聖ラザルス島のアルメニア修道院の陳列室に置かれていたひと振りの銅剣がそれで、アナトリア東部のアルスランテペ王宮跡から出土したものとわかった。
これまで中世の産物と誤判定されていたが、ヴェネツィアのカフォスカリ大学のヴィットリア・ダラルメリーナ教授が、年代測定にかけた結果、中世どころか紀元前3000年まで時代を遡る世界最古の砒素銅合金製と判明した。
2020年2月28日付「ヘリテージデイリー・ドットコム」によると、この種の銅合金製刀剣は当時のアナトリア東部、ユーフラテス川上流と黒海南岸に挟まれた狭い範囲で発掘される、装飾過多が特長のアルスタンテペ出土物とは対称的に、ごたごたした付属物が一切ないのが珍しい特徴だ。
ひょっとすると闇市場で叩き売られた墓地出土の副葬品で、装飾のない平凡な外観のせいで売れ残ってしまった品? まさかね。
人工衛星や宇宙船の建材に金属ではなく木材を使おうという奇想天外なアイデアを、京都大の有人宇宙学研究センターと住友林業が共同提案して注目されている。
宇宙時代の到来で各国が競って衛星を打ち上げる結果、有害な金属宇宙ゴミが増え、その大気圏落下被害の対策も不可避なのが現状で、実際にも宇宙ゴミ除去実証衛星の投入まで検討されている。
現在運用中の人工衛星は約3000基だが、2030年までには4万6000基前後まで増える見込みで、今後はさらに軌道周回密度が上がり、金属宇宙ゴミの出現リスクの上昇が予想される。
だが、木材製の衛星なら使命を終えて大気圏中に落下処理されても、有害物質を一切出さずに燃え尽きるから、近ごろ流行りのサステナブル(持続可能)な諸目標にも寄り添うというわけだ。
目下の段階では木材が真空中で超高温や超低温、宇宙線や太陽エネルギー粒子など各種の放射線に曝されたときにどうなるかまったく未知数だ。さらに木材を保護する耐熱・耐放射線防護塗料や化学的物理的変質加工技術の実験研究もこれからの課題だから、残念ながら木造宇宙船の実用化までの道のりはまだまだ遠そうだ。
ギネス・ワールドレコーズ社は本年2月3日、ポルトガル中部のレイリア県コンケイロス村で農場の番犬を務める現在31歳——より正確には、この日で30歳と267日になる雄犬のボビを、〝存命中の世界最高齢の犬〟として認定したと発表した。
さらにボビは、ギネスが認めたもっとも最近の〝世界最高齢犬〟であると同時に、23歳という従来の長命記録を大幅に破る〝世界最長命犬〟でもあるらしい。
ボビは〝ラフェイロ・ド・アレンティージョ〟というポルトガル原産の犬種で、この犬種の平均寿命は12歳から14歳とされるから、ボビはゆうにその2・5倍以上の長寿を享受しているわけだ。
ボビは1992年5月11日、現当主のレオネル・コスタさん(38歳)が7歳のときに生まれ、以来ずっといっしょに暮らしてきた。
人間に例えればゆうに130歳は超えるだろうから、さすがに視力をほとんど失い、歩行も困難になり、今では庭先で猫4匹と寝そべって過ごしているという。
2020年8月某日、インドネシアのスマトラ島に住む棺桶製造業者のジョシュア・フタガルンさんの家に、いきなりドカンと何かが降ってきた。
驚いたジョシュアが調べてみると、重い石塊がトタン屋根を貫いて落下し、土間の地中に15センチほどの深さまでめり込んでいた。
ジョシュアが掘り出した重量約2キロの大きな隕石は、「ゆうに130万ドルの価値がある」とたちまち世界中の話題になった。
しかし、米アリゾナ州立大地球・宇宙空間探検学の国際的権威、ローレンス・ガーヴィー教授は、苦笑いしながら首を振る。
「地球それじたいより古い年代の隕石が落ちてきたら、100万ドルの値打ちがあると思いたくなるのは当然だろう。だが、それは私のような専門家が現場を科学的に検証して、まちがいなく隕石だという真実性を立証してからの話になる」
南山宏
作家、翻訳家。怪奇現象研究家。「ムー」にて連載「ちょっと不思議な話」「南山宏の綺想科学論」を連載。
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