劇場長編アニメ『我々は宇宙人』は“宇宙人・UMAへの偏愛”から生まれた傑作だった!

文=杉浦みな子

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    ノスタルジックな世界観と映像美で観客を圧倒するオリジナル劇場アニメ『我々は宇宙人』。この傑作の根底に流れているのは、監督自身の幼少期から続く“宇宙人やUMAへの偏愛”だった。

    NOTHING NEW初のオリジナル劇場長編アニメ 

     インパクト抜群のタイトルを引っさげた長編アニメ『我々は宇宙人』が、2026年9月25日(金)から全国の劇場で公開スタートした。 
     ホラーとアニメを中心とした映画作品の企画・製作を軸に、新しい作品の作り方と届け方に挑戦する新進気鋭の映画レーベル「NOTHING NEW」が手掛ける、初のオリジナル劇場長編アニメーション作品となる。 

    ©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS

     監督を務めたのは、東京藝術大学デザイン学科出身の若手アニメーション作家・門脇康平。圧倒的な精度で、2人の少年の出会いを中心としたノスタルジー溢れる世界観を描ききっている。 

    〜あらすじ〜 
    小学三年生の夏、内気な少年・【翼】は、クラスの人気者・【暁太郎】と出会い、親友になる。 
    小さな世界の中で、かけがえのない時間を過ごしていくふたり。しかし、ある些細な事件をきっかけに、ふたりの関係は引き裂かれて——。 

    ©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS

     監督自ら「一生に一本しか作れないものだ、というつもりで本気で作った作品です。僕にとってこれは、映画界へ向けて放つ、魂の槍です!!!」とコメントを寄せる本作。実際、緻密に練り上げられたストーリー展開と、凄まじいまでに作り込まれた映像美に、アニメファンならずとも引き込まれる完成度の高さを誇る。 

     そしてそんな傑作の根底に流れているのは……実は、監督自身の幼少期から続く“未知なるもの”への偏愛だった。 

     本記事では、監督ご本人のコメントから溢れる“宇宙人・UMAへの並々ならぬ情熱”を軸に、本作の見どころを紹介していこう。以下、ネタバレはないのでご安心いただきたい。 

    門脇康平監督

    カッパのミイラ、UFO、宇宙人……監督の原点にあるオカルト体験 

     門脇監督は幼少期から、カッパや宇宙人、UFOといった未知の存在が大好物だったという。 

    門脇監督:幼少期に本で「カッパのミイラ」の白黒写真を見たときに感動したのを今も覚えていて、本作にも入れてみました。 

     不気味でありながらどこか神秘的なその姿に強烈な感動を覚えたワクワク感は、大人になっても色褪せることなく胸に刻まれているもの。この“幼少期の原体験”というポイントは、本作の本質とも繋がる要素だ。 

    ©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS

     さらに驚くべきは、監督の“未知のものへの愛”が単なる観賞にとどまらず、自らの手で立体化させるほどの情熱へと発展してきた点である。 

    門脇監督:本編に登場するカッパのミイラも昔作った実物がありますし、大学の卒業制作では宇宙人のミイラを発泡スチロールとラテックスで作りました。 

    門脇監督が大学時代に制作した「宇宙人のミイラ」の立体作品

     好きなものをとことん観察し、自らの手を動かして形にする――この徹底したディテールへの執着と造形力が、そのままアニメーション制作における圧倒的な描写力やリアリティの源泉になっていることは間違いない。

     言うなれば、オカルトに対する無邪気なまでの好奇心が、クリエイターとしての圧倒的な執念と結びついた結果誕生したのが、本作『我々は宇宙人』と言えよう。 

    ©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS

     実際、本編を鑑賞した誰もが、ディテールの一つひとつに注ぎ込まれた尋常ではない熱量を感じ取るだろう。画面からあふれ出すアニメーションとしての凄みは、観る者を圧倒する。 
     怪異や未知への情熱が、極上のアニメーション表現へ見事に昇華されているさまに、ひとりのオカルト民としても映画ファンとしても唸らされるばかりだ。 

    ©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS
    ©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS

    本作最大の謎:タイトル『我々は宇宙人』の意味は? 

     さて、実は本作の一番の謎であり魅力でもあるのが、『我々は宇宙人』という惹きの強いタイトルである。このタイトルが何を意味しているかは、本編の最後の最後まで解けない仕掛けになっていて、ここは非常に見事なストーリー構成だ。 

    ©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS

     この“タイトルの謎”は、本作の見ごたえに直結する要素でもあるので、あらかじめタイトルありきで生み出された作品のようにも思えるのだが、実は監督によれば「制作途中でふと頭に浮かんできたもの」なのだという。 

    門脇監督:「観る前と観た後で、意味が違って感じられるようなタイトル」をずっと探していたところ、制作の中盤でふと頭に浮かんできたのが『我々は宇宙人』でした。詳しくはぜひ本編を見ていただければわかると思いますので、劇場で確かめていただけたら幸いです。 

     果たして、その言葉が意味するものとは……? 門脇監督の中にある未知なるものへの思いが作り上げた凄まじい熱量のノスタルジーを浴びながら、タイトルに込められた意図をぜひ劇場であなた自身の目で確かめてほしい。

    ©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS
    ©NOTHING NEW, MIYU PRODUCTIONS

    <作品概要>
    タイトル:『我々は宇宙人』(英題:『We are Aliens』) 
    公開日:9月25日(金)全国劇場公開 
    配給:TOHO NEXT・NOTHING NEW 
    企画・監督・脚本: 門脇康平 
    キャスト:坂東龍汰 岡山天音 
    山﨑天(櫻坂 46) 松井ケムリ 
    槙木悠人 中込佑玖 鈴木咲 末永陽 
    音楽:Yaffle 
    主題歌:adieu「ささくれ」 作詞・作曲:Yaffle (Sony Music Labels) 
    企画・製作・制作: NOTHING NEW 
    協力:MIYU PRODUCTIONS 
    公式サイト: https://nothingnew.film/wearealiens/ 

    杉浦みな子

    オーディオビジュアルや家電にまつわる情報サイトの編集・記者・ライター職を経て、現在はフリーランスで活動中。
    音楽&映画鑑賞と読書が好きで、自称:事件ルポ評論家、日課は麻雀…と、なかなか趣味が定まらないオタク系ミーハー。
    https://foriio.com/minako-sugiura

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