気象兵器は実用段階へ! CIAと米軍が2025年に天候を掌握する!
都市伝説研究家・宇佐和通が、インターネットの奥底で語られる噂話を掘り起こす。「HAARP」計画の変貌を踏まえ、気象兵器の脅威はアップデートされているようだ。 (2020年4月20日記事の再録)
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柔よく剛を制す――。この柔術の極意が地球環境工学に活かされる日は近いのか。新たな研究では、“気象柔術”による足払いでハリケーンの進路を変える技術が紹介されている。
地球規模での気候変動により、干ばつや洪水、熱波、寒波といった異常気象の頻度と強度が増しており、人的被害や甚大な経済損失を引き起こしている。
保険コンサルティング会社「Gallagher Re」のレポートによると、2024年の異常気象による経済損失は推定4170億ドル(約65兆円)に達し、過去10年間の平均を15%上回った。加速する被害と損失を人の手によって事前に阻止することはできるのだろうか。
米アリゾナ州立大学の研究チームが今年6月に「PLOS Water」で発表した研究では、「気象柔術(Weather Jiujitsu)」によって、異常気象による最悪の被害を防ぐことができると提唱している。
「極端な気象が社会に及ぼす影響が増大する中、ダムや堤防、保険といった従来のアプローチだけでは、こうした災害がもたらす広範な被害に対処しきれないことが浮き彫りになっています」(研究チーム)

研究者らは、確立された大気循環モデルと、高解像度で天気を予測するために設計された大規模な人工知能モデルである「Aurora」を使用し、実証シミュレーションに取り組んだ。
彼らのモデルによると、異常気象のピークの数日前に、小規模で慎重にタイミングを計った人工降雨を実施することで、2012年の「ハリケーン・サンディ」の進路を約300マイル(約482キロ)ずらしてニューヨーク市への直撃を回避できた可能性があると判明。また、2021年にテキサスを襲った寒波の最低気温を華氏18度(摂氏約10度)上昇させたり、2022年にカリフォルニアを襲った洪水の降水量を約5%削減できた可能性もあるという。
では、どのように人工降雨を実現するのか? シミュレーションでは「気象柔術」の実現可能性が示された。

この「気象柔術」とは何か? 研究チームはいくつかの既存のツールをうまく活用することで、大規模な気象現象の進路を変えられる可能性があると考えている。
「小柄で力の弱い人が、力任せの攻撃ではなく、テコの原理や適切な体重移動、そして勢い(モメンタム)を利用することで、自分より大きく力の強い相手から身を守ることができる、それが柔術です」(アリゾナ州立大学アップマヌ・ラル氏)
ラル氏によると、「気象柔術」の理論を機能させるには、高密度かつ準リアルタイムで利用可能な観測データと、それらを迅速に処理して介入(ナッジ)に適した場所を特定できるAIモデル、そして実際に介入を行うための手段が必要になるという。
その介入の一つが、人工降雨・降雪技術である「クラウド・シーディング(直訳:雲の種蒔き)」である。大気中の水分が凝結するための“核”(ヨウ化銀やドライアイスなど)を散布し、雲粒を人工的に雨粒や雪粒に成長させて降水量を増加させる技術だ。
「適切なタイミングと場所で大規模なクラウド・シーディングを行うことは有力な手法の一つです」(ラル氏)
ただし、人工降雨の試みにおいては過去には失敗例もあり、その是非や問題ついて議論も続いていることから、必ずしも決定的な解決策とは言えないようだ。
たとえば、2025年にテキサス州で発生して多くの子どもが犠牲になった大洪水では、「CBSニュース」によると近隣で行われていた人工降雨作業が災害の原因だったとする主張がSNSなどで拡散された。また、「AFP」によると2024年4月にアラブ首長国連邦(UAE)で記録的な大雨と洪水が発生した際、SNS上では人工降雨が原因だとする言説が広まった。どちらについても当局や気象学者らはこうした説を否定しているが、さまざまな陰謀論も絡んでクラウド・シーディングについては今も意見が分かれている。
とはいえ研究チームは、現代の技術やAI(人工知能)を活用した計算技術によって、今後の取り組みがより大きな成果を上げることを期待しているという。
「気象柔術は、気候システムの自然な不安定性と分岐を利用して、最小限のエネルギー投入で有害な軌道から優しく“そっと”遠ざけるパラダイムなのです」(研究論文より)

まさに“気象操作”技術でもあるクラウド・シーディングには倫理的な懸念もある。
仮に最良のシナリオを想定したとしても、自然災害の進路を操作するという考え方には、倫理的なジレンマが伴う。ハリケーンの進路を変えれば、変わった進路の先にある街を危険に晒すことになるからだ。はたしてこれは倫理的に許されることなのか。もちろん、兵器として他国を攻撃できる可能性もある。さらには、各種保険などの適用についても議論を招きそうだ。
著者らは、そうした問いへの答えは将来に委ねられるべきだと説明している。
「現時点では、私たちは科学的・工学的な能力の構築に注力しています。倫理や制御に関する課題については認識していますが、現段階でそれらを主な焦点とはしていません」(ラル氏)
一方、ハリケーンの進路を変えることはそう簡単なことではないと懐疑的な研究者もいる。嵐は広範囲で発生し、複雑な様相を呈しながら変化していくからだ。
「仮に人間が嵐を移動させることができたとしても、それに伴う政治的、国際的、法的な波紋はあまりに大きく、実際にそうしたことが行われることはないでしょう」と、イリノイ大学気候・気象・大気科学科の名誉学科長であるロバート・ラウバー氏は「USA Today」に語る。
GAOO(Government Accountability Office:米政府説明責任局)の報告によれば、現在米国の9つの州がクラウド・シーディングを採用している一方、10の州では人工降雨や気象改変全般を禁止、あるいは禁止を検討しているという。そこには、2025年に禁止措置を講じたフロリダ州も含まれている。
“気象改変”を伴うクラウド・シーディングと、それを包括した「気象柔術」のアプローチについて、この先もしばらく議論は続きそうだ。とはいえ今後、首尾よく社会的合意が得られれば、このアプローチは従来の災害管理を補完し壊滅的な被害をもたらす気象現象を受け流せる可能性を秘めた、心強い解決策となりそうだ。
【参考】
https://www.usatoday.com/story/news/weather/2026/06/27/study-cloud-seeding-disrupt-hurricanes/90655884007/
https://news.asu.edu/20260625-environment-and-sustainability-weather-jiujitsu-could-help-us-combat-extreme-weather
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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