霊的次元からの国家再生とは?「日本の霊性が甦るとき」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

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    日本の霊性が甦るとき

    矢作直樹 著

    「国家の再生を〈霊的次元〉から扱う」新思想を提唱

     この標題からは少々意外な感じを受けるかもしれないが、本書の主たるテーマのひとつは「日本国憲法」である。だが「霊性」とあるように、よくある通り一遍の憲法論議ではない。著者によれば憲法とは、単なる法体系ではなく、文字通り「国家の魂を映す鏡」に他ならないのだ。
     曰く、現在のこの国は、敗戦後に植え付けられた「構造的な呪縛」により、「主権の空洞化」に陥っている。そして本来なら「国土と民を整えるための極めて高度な国家機能」であるはずの天皇の祭祀も、「私的行為へと矮小化され」てしまったのである。今日の日本、ひいては世界の諸文明が直面する問題の多くは、まさにこのことに起因しているのだ。

     そこで著者が提唱するのが、目から鱗の斬新な憲法論「真正護憲論」である。単なる改憲論や護憲論ではない。それらをはるかに越えた視座から、「国家の再生を〈霊的次元〉から扱う」という、右翼でも左翼でもない、まったく新たな思想なのだ。
     著者での矢作直樹氏は、東京大学名誉教授でもある医師で、同大学附属病院救急部・集中治療部部長として、その総合救急診療体制の確立に尽力。一方、理系の研究者というお立場からはちょっと想像できないようなスピリチュアルな思想の持ち主で、その方面の著書も多い。
     そんな著者が提唱する、この国を「本来の日本」へと立ち返らせる唯一の道とは何か。まさに本書は、全日本人必読の書である。

    青林堂/1870円(税込)

    (月刊ムー 2026年06月号掲載)

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