なぜ我々は他者からの視線に気づくことができるのか? 身体を包むバイオフィールドと外送理論を著名生物学者が解説
ある調査では女性の80%以上、男性の75%が振り向くと誰かが自分を見つめていた経験があると回答している。自分に向けられた視線を察知できる現象を科学的にどう説明すればよいのか――?
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米南北戦争時代に史上初のバイオテロが画策されていた――。南軍支持者の医師が、不利な戦局の一発逆転を狙って北軍の間に意図的に黄熱病を蔓延させようと企んでいたのだ!
蚊を媒介にして黄熱ウイルスに感染する急性ウイルス性出血熱である「黄熱病」は、1800年代には米国の沿岸都市で猛威を振るった致死性の感染症であった。たとえば1853年にルイジアナ州ニューオーリンズで発生した感染流行では9000人が死亡したが、これは当時の地域人口の28%に相当している。黄熱病は、胃からの出血がもたらす症状に因んで「黒い嘔吐物」とも呼ばれ恐れられていた。
そして1861年~1865年にかけての南北戦争時代には、医学界も一般の人々においても黄熱病は感染者との直接接触、特に「黒い嘔吐物」との接触によって感染すると信じられていた。
ルーク・ブラックバーン(1816~1887)はケンタッキー州出身の医師であり、熱心な南軍支持者であった。もともとルイジアナ州とミシシッピ州で発生した黄熱病の治療に尽力していた彼は、バミューダ諸島でこの恐ろしい病気が発生したことで、現地に赴き治療と感染対策に協力した。
1864年、南軍は北軍との戦争で苦戦を強いられていた。開戦当初から南部(アメリカ連合国)は北部の隣国に比べて工業力と人的資源が不足しており、開戦から3年目にはその問題が深刻化。さらに資源不足にも苦しみ、重要な貿易相手であるバミューダでの黄熱病感染拡大はなんとしても阻止しなければならなかったのだ。
かねてから南部の独立運動を直接支援したいと望んでいたブラックバーンは、派遣されたバミューダ諸島で無償の医療活動に尽力したが、その裏である計画を進めていた。
ブラックバーンは治療にあたった患者の寝具・衣類・嘔吐物で汚れたぼろ布など、ウイルスが付着した品々を集めてトランクに詰め込むと、新しいシャツやコートと一緒に保管することで、未使用の衣類を黄熱病で汚染させた。
そしてブラックバーンは1864年6月、感染した衣類を詰めたトランク5個とスーツケース1個を持ってカナダのノバスコシア州ハリファックスへと向かう。そこで彼は、ゴッドフリー・ハイアムズという男に10万ドルの報酬を提示し、トランクをワシントンD.C.、ノーフォーク、そして「連邦政府(北軍)が支配し、最も多くの兵力を擁する地域」まで密輸するよう依頼したのだ。
彼はまたハイアムズに、スーツケースを除く新品の衣類を競売で処分するよう指示し、スーツケースはエイブラハム・リンカーン大統領への贈り物として速達で届けるよう命じた。ブラックバーンはさらに、一番大きいトランクの中身はワシントンD.C.で売却するよう指示し、汚染された衣類は「60ヤード離れたところからでも奴らを殺すだろう」と冷酷に言い放ったという。こうして歴史上初となるバイオテロの計画が実行に移されたのだ。
バミューダへ戻ったブラックバーンは、もう1度この手順を繰り返して汚染された衣類を仕込んでニューヨークへと送る算段だったが、トランクが発送される前にこの計画は露見することになる。
というのも終戦直後の1865年4月、満額の報酬を受け取れず不満を募らせていたゴッドフリー・ハイアムズが、カナダ・トロントにある米国領事館を訪れ、金銭と免責と引き換えにカナダにおける南軍のスパイ活動を暴露すると申し出て、ブラックバーンの謀略を暴露したのである。
奇しくもこの時期にリンカーンが暗殺されたこともあり、ハイアムズはワシントンD.C.に連行されて詳しい証言を行った。この最中、バミューダ警察と保健当局はブラックバーンの共謀者の家から汚染した衣類が詰まったトランクを押収。しかし、その直前にブラックバーンはカナダへ逃亡していた。
そして1865年5月19日、カナダでブラックバーンは逮捕され、殺人共謀罪で起訴された。しかしブラックバーンの標的がリンカーンであったという十分な証拠がなかったため、医師であるブラックバーンは中立違反という軽い罪で裁判を受けることになった。
裁判ではトランクがカナダ領土にあったという証拠が一切存在せず、カナダの中立性も侵害していなかったため、全ての容疑で無罪の判決が言い渡された。一方、アメリカではリンカーン暗殺事件の犯人グループが特定されたことで、当局もブラックバーンへの関心を失い、カナダからの身柄引き渡しを求めることはなかった。
ブラックバーンは1867年後半までカナダに滞在したが、その後は米ルイジアナ州ニューオーリンズに赴き、そこで発生した黄熱病の流行への対策にあたった。次に故郷のケンタッキー州に戻ると、1873年には同州ルイビルに移住、開業医の仕事を再開した。
1878年、ブラックバーンはケンタッキー州知事選に出馬し、1879年に圧倒的得票数で当選して政界入りを果たす。彼はケンタッキー州の財政改革や刑務所の囚人の待遇改善に尽力したといわれている。知事を1期務めた後に政界を退き、健康上の問題を抱え1887年に71歳で死去した。
感染経路の未理解により未遂に終わった史上初のバイオテロの首謀者であったブラックバーンは、黄熱病の撲滅に献身的に取り組む愛国者でもあった。それだけに南軍への支援策が先鋭化したのかもしれない。晩年に名誉を回復できたことは、せめてもの救いであったと言えそうだ。
【参考】
https://anomalien.com/confederate-bio-warfare-dr-blackburn-and-the-yellow-fever-plot/
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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