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「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。
小茄子川歩/関雄二 編集,著
考古学のパラダイム・シフトを解き明かす
人類史の黎明といえばこれまで、初期の狩猟採集生活から農業革命が起こり、人口が爆発的に増えて貧富の差が生じ、こうしてできた集落が都市となり、やがては国家となった、という「進歩史観」が、当たり前のものとして受け容れられてきた。
だが、われわれ一般人のあずかり知らぬ間に、そうした史観はいつの間にか、旧弊固陋な過去の遺物となっていたのである。今や、人類史界隈には重大なパラダイム・シフトが生じている。
本書は「考古学」という視座に基づき、このパラダイム・シフトを巡る現状と諸問題を、多彩な論者が初学者にもわかりやすく解き明かす論文集である。現代の考古学とはどのようなものかに始まり、やや専門的な各論まで語られている。まさに基本にして最先端。読んでいてワクワクする、同時に深く考えさせられもする、実にスリリングな論考である。
さて本書は、人類学者デヴィッド・グレーバーと考古学者デヴィッド・ウェングロウによる世界的ベストセラー『万物の黎明』(光文社)を下敷きにしている。だが同書は700ページを超える大著であり、『グレーバー+ウェングロウ『万物の黎明』を読む:人類史と文明の新たなヴィジョン』(河出書房新社)と題する解説書まで別に出版されているほどの、晦渋な代物。たいして本書は新書で、手に取りやすさでいえば本書のほうが圧倒的。どちらを先に読むべきかはいうまでもない。

(月刊ムー 2026年01月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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