聖杯はテンプル騎士団がイギリスに持ち帰っていた!? 映画監督が執念の調査で導き出した新説
本物の聖杯が安置されている場所を“突き止めた“と主張するのは、イギリスの映画監督だ。人類が追い求めてきた聖杯の謎が、ついに解き明かされたのか――!?
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世界で最も“出る”ことで悪名高い灯台とは――。しかし、安心してほしいのはここで出る幽霊は人に危害をまったく及ぼさないことだ。
英イングランド北東部、タイン・アンド・ウィア州の都市サウスシールズの沿岸は、美しい景観ながらもゴツゴツとした固い岩の岸壁、吹き荒れる嵐、そしてミルク色の濃い霧が立ち込める荒海で海難事故が後を絶たず、イギリスで最も危険な海岸線として悪名を馳せている。
1838年にはこの沿岸で61人の乗客と綿花を積んた大型客船、フォーファーシャー号が激しい嵐に巻き込まれて沈没しており、1860年には少なくとも20隻の難破船が報告されている。
事態を深刻に受け止めた行政当局は、この沿岸の岬に巨大な灯台を建設する計画を進め、1871年1月11日に「スーター灯台(Souter Lighthouse)」が完成し、当時最先端の灯台技術であった交流電流を使用した炭素アークランプの光が沿岸を照らすことになった。
強力な光を放つスーター灯台の運用が開始されてから一帯の海難事故は激減したのだが、真面目に勤務していた灯台守が精神を病んで病院に送られる一件が起きた。その後の調査で、灯台下から漏れ出ていた水銀が、灯台守の異常を引き起こした原因であることが判明している。
こうしてスーター灯台には不穏なイメージがつきまとうようになったのだが、さらに灯台の機関室で地元男性の遺体が発見されたことでその悪名は決定的となった。いつの間にか「背の高い男性の灯台守の幽霊が灯台の敷地内を徘徊している」という目撃談も職員や訪問者から報告されるようになっていた。
目撃報告によると、幽霊はいつも青い山高帽をかぶり、分厚く青いトレンチコートを着ている。コートは襟元までずっしりと重たい真鍮のボタンが留められているのだが、これは1800年代の灯台守の一般的な制服であった。彼の顔は長くてやつれており、青白く、疲労と悲しみの表情を浮かべており、音を立てずに数歩進むと姿を消すという。灯台守が現れる直前、辺り一面に不気味な静寂と雰囲気が漂うと、職員や訪問者から報告されている。
とりわけ恐ろしい目撃談の一つは、当時灯台に勤務していた女性事務員から報告されている。
午後10時、仕事を終えた彼女は事務室を閉めようとしていたのだが、背後の窓を何度も叩く音が聞こえた。自分一人だと分かっていたので振り返ると、目撃した光景に愕然とした。事務室越しに彼女を見つめていたのは、噂に聞いていた灯台守の顔であった。恐怖で凍り付いた事務員は、その地味な顔がゆっくりと消えていくのを震えながら見守るしかなかった。
なお、1881年から1891年までの10年間、スーター灯台の灯台守を務めていた男性の娘、イザベラ・ダーリングの幽霊を目撃したという報告も数多く寄せられている。生前のイザベラは勤務中の父親を慕ってよく灯台を訪れていたのだが、幽霊も同じように灯台の庭園を歩き回り、花を摘んでいたという。
とすれば、青いコートの灯台守の幽霊はイザベラの父親であると見なすのが妥当であるようだ。
イザベルの霊が灯台の階段を上り下りし、長いドレスを揺らす音と共に目撃されたり、声が聞こえたりしたという話もある。イザベルの霊は無害で、愛する灯台を見守るために留まっていると言われている。
イザベルは生前、料理好きで、灯台の厨房で友人や家族のためにさまざまな美味しい料理をふるまうのが大好きだったと言われており、真夜中に厨房の前を通ると、鍋やフライパンがぶつかる音、楽しそうな鼻歌が聞こえ、料理の匂いが立ち込めることさえあるという。気になった人々が厨房に入って確認すると、すべての音と匂いが消えて再び静まり返るということだ。
スーター灯台ではポルターガイスト現象も頻発している。
道具、衣類、食器などの私物や物品が不思議なことに消え、普段は人目につかない場所で発見されるという現象が起こり、時には数週間単位で紛失することもあった。ポルターガイスト現象が起きる際には灯台の周囲に冷気の帯が現れ、多くの職員や来訪者がその冷たさを「冷凍庫に入ったような」と表現している。
このポルターガイスト現象は、悪意のあるものというよりも、むしろ子どものいたずらのような性質のものであった。
スタッフや訪問者も、誰かに見られているような感覚を報告し、目に見えない手が人々の腕や服をつかみ、髪を引っ張るという現象が頻繁に発生した。キッチンエリアでは、スプーンが宙に浮いたり、引き出しや食器棚が開閉したり、蛇口が勝手に回ったり、石炭の火が勝手に燃え上がったりすることもある。それでも怪我人が出たことは一度もない。
機関室では機器が勝手にオン・オフを繰り返したり、窓やドアを叩く音を作業中の機関士が聞いたりしている。ある機関士は右側に黒い人影が立っているのを目撃し、振り返ると背の低い黒い人影は機械の後ろに素早く逃げて隠れたという。機関士がその場所を確認したところ、誰もいなかったそうだ。
こうしたポルターガイスト現象は、何年も前に灯台に住んでいた子どもの霊ではないかと多くの人が考えている。その子どもは友達と遊んでいる時に不幸にも近くの崖から落ちて亡くなっている。不可解な現象の原因が何であれ、あるいは幽霊が誰であれ、幽霊は灯台を見守っているのかもしれない。
スーター灯台は1988年に運用が終了し、現在は休暇用宿泊施設を含む観光名所として管理されており、灯台と併設の宿舎を見学できるツアーが毎日開催されている。
すべてがほぼ当時のまま残されており、訪れた多くの観光客が「タイムスリップしたような」体験を味わうという。施設のガイドは、かつての灯台守たちの日常業務や、家族がそこでどのように暮らしていたかなどを丁寧に説明してくれる。
古びた趣のある居間には、石炭の暖炉、敷石の床、キッチンテーブル、そして真鍮製の鍋やフライパン、調理器具が飾られた調理場があり、部屋の中央には、暖炉に向かって古いロッキングチェアが置かれている。このロッキングチェアを揺らすと、前後どちらかで動きが止まることがあるといわれており、実際に目撃したツアー参加者もいるということだ。
幽霊を信じるかどうかに関わらず、イングランドを訪れた際にはスーター灯台を見物してみるのも一興なのだろう。運が良ければきわめて安心安全な心霊体験ができるのかもしれない。
【参考】
https://paranormaldailynews.com/souter-haunted-lighthouse/3919/
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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