666=オーメン的な悪魔の子が主役! 事故死に見せかけ大人を呪殺しまくりホラーゲーム『LUCIUS』

文=藤川Q

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    悪魔の子となり恐怖に陥れる

     先月の本欄拡大版で紹介した悪魔祓いゲーム『FAITH』に続き、悪魔に関連した作品を紹介しよう。

     666という数字を見たら悪魔の数字だと思う方も多いはず。本来666は「ヨハネ黙示録」に記される獣の数字だが、悪魔の数字としての認知を広めたのは、ホラー映画の金字塔『オーメン』シリーズ。666という数字を持って生まれてきた悪魔の子ダミアンが、普通の少年として生活しながらも周囲に呪いと悪を振りまいていくあの名作ホラーの影響だ。

     この『オーメン』の妙味をほぼそのままゲームとして体験できるという、ありそうでなかったホラーゲームシリーズをご存じだろうか?

     10年以上前の2012年に発売された『LUCIUS』シリーズは、まさに悪魔の子なのだがその正体を隠して一般家庭の平凡な少年として暮らしつつ、謎めく悪魔の予言の成就のために超能力や呪いといった悪魔的なパワーで周囲の大人たちを殺害していくというゲーム。主人公は悪魔側なので、ホラーゲームながら怖いのはプレイヤー自身……といった趣が素敵な悪魔ゲームの逸品といえよう。

     英語のみなので日本ではあまり知られていないものの、シリーズを重ねており、LUCIUS君の悪逆愉悦もさまざまな舞台でエスカレート中。なにしろ彼の名の由来は、その綴りからも伺えるように、神に反逆して堕落したかつての熾天使、悪魔の王ルシファーにほかならない。ちなみにLUCIUS君の誕生日は1966年6月6日で、満6歳になったときに己の真の出自を告げられたりしており、その内面もシリーズを通じて描かれつつある。

     悪魔の子(しかもルシファー)として受肉した少年の心象を、ゲームプレイを通じて体験できる作品など他に類を見ない。悪魔系に関心のあるムー民の皆様にはぜひ一度体験していただきたいホラーゲームだ。

     本作ではキッチンにきた大人を火災事故に見せかけて火あぶりにするシーンなどもあるが、コントローラを握りながら燃えている大人を眺めているときには、自分でやっておきながら悪魔の恐ろしさに思わず感じ入ってしまうはず。同時に、丁寧に十字架を逆さにして回るなど悪魔なりのまめさも体験でき、ダーティーな悪の味わいを深く堪能できるだろう。

    (本作のムー民度  ★★★★☆)

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    Steam 配信中 960円

    (月刊ムー 2025年7月号)

    藤川Q

    ファミ通の怪人編集者。妖怪・オカルト担当という謎のポジションで、ムーにも協力。

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