「成功するビジネスパーソンは、なぜ忙しくても神社に行くのか?」/ムー民のためのブックガイド
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リュウ博士こと八木龍平氏によれば、成功者のじつに8割が、積極的に神社を参拝し、神頼みをしているという。彼らはどんなときに神社へ行き、どんな願い事をしているのか? また、成功と繁栄を願う人がおちいりがちな落とし穴とは? 大勢の著名人の証言をもとに、リュウ博士が効果の高い参拝法を提案する!
フリーアナウンサーの田中みな実さんによると、成功した経営者とのお食事会あるあるは「あそこの神社いいよ。知ってる? めっちゃ気をもらえるから」「俺は本当に運がよかった」といわれることだとか。
これはテレビ朝日系列の人気番組「あざとくて何が悪いの?」のABEMAスピンオフで放送されたひと幕です。
成功している人には神社好きが多いのでしょうか?
じつは、最もよく社寺(神社+寺)に参拝する職業は「会社役員・経営者」です。2018年、日用品流通の情報基盤を運営する株式会社プラネットが、3792人を対象に実施した意識調査によると、80%の「会社役員・経営者」が、神社とお寺のどちらかないし両方によく行くと回答しました。
以下、定年退職76%、会社員68%、専業主婦(主夫)67%、自営業67%、公務員66%、自由業64%、パート・アルバイト60%、無職53%(小数点第1位を四捨五入、以下同)。
会社役員のような成功している人が、とくに神頼みに積極的なことは、データから明らかでしょう。これだけ行く人が多いと、神仏の力を頼るのは成功への裏技といってもいいかもしれません。
皆さん、社寺でいったい何を願っているのでしょうか?
前述の調査では、「どんな願かけをするか」も報告されています。神社では安全(家内・交通など)を願う人が61%と最も多く、以下、健康運アップ51%、開運・運気上昇50%、金運アップ26%、平和11%、合格11%、恋愛・縁結び9%。また、何も願い事をしない人が12%でした。
お寺でも、願うご利益の順位はほぼ同じですが、願かけをしない、つまり何も願い事をしない人が大きく増えて30%ありました。お寺は、願うよりも故人をとむらう場所と考える人が多いと想像します。
神社での願かけ内容を職業別に見ると、会社役員・経営者は、開運・運気上昇と金運アップを願う人が最も多く、開運・運気上昇58%、金運32%と、ほかの職業に比べて上昇志向と金銭欲がとくに強かったです。
以前、ある社長さんに「金運を願う人は意外に少ないんですよ。公務員や定年退職した人とかは、金運をあまり願わないですね(データでは18%前後)」とお伝えしたら、「金運以外に何を願うんですか!?」と驚かれました。
ちなみに何も願い事をしない率が最も高い職業は、第1位が無職で23%、第2位が定年退職で17%です。
以上のデータから、神社のご利益の本質が分析できます。
が、その前に、そもそも日本の神社の神様とは、いったい何でしょう? 私たちは神社で何に対して祈り、願っているのでしょうか?
日本の神様は大きく分けて2パターンあり、「大自然」と「日本人のご先祖様」です。大自然とは、太陽、月、山、風、海、水、雲など。また、亡くなった人間を神様とするのも神道の特徴で、歴史を大事にしていたことが見て取れます。
そんな日本の神様の役割を理解する鍵が「お名前」にあります。例として、さいたま市大宮区の氷川神社をあげると、現在、次の3柱が主祭神として祀られています。
・須佐之男命(スサノオノミコト)……父神
・稲田姫命(イナダヒメノミコト)……母神
・大己貴命(オオナムチノミコト)……子神
この父母子3柱のお名前に、それぞれ「命(みこと)」という文字が使われています。ほかの神社でも、多くの神様のお名前に「命」がついています。
この「命」とは、「使命」を意味しています。「命」を名前に持つ日本の神様は「使命」を持つ存在といえます。
たとえば須佐之男命(略称スサノオ)の使命は、治水などの「災害対策」と考えられています。スサノオは神話で、人々を襲い暴れる八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治しました。八岐大蛇は凶悪な龍ですが、これはたとえ話で、実際の八岐大蛇とは斐伊(ひい)川、人々を襲い暴れるのは「洪水とその被害」を指すという説があります。
八岐大蛇を退治するくだりは、スサノオが治水に成功した物語だというのです。
じつは、スサノオの使命が治水などの災害対策だとする根拠があります。東日本大震災のときに、スサノオをお祀りする神社は、津波被害をほぼ受けませんでした。
2012年の土木学会で発表された髙田知紀博士らの報告によると、2011年から2012年に宮城県沿岸部全域(岩手県の大船渡市・陸前高田市を含む)に古くからある215の神社を調べたところ、139社が津波被害を免れました。その確率は約65%です。
祭神別に見ると、スサノオを祀る神社は17社。うち14社が被害を免れました。確率は約82%です。
一方、アマテラスを祀る神社や稲荷系神社の多くは被災し、被害を免れた確率はどちらも50%未満でした。
昔の人々は「この場所は洪水や津波を避けられる」という目印に、スサノオを使ったと推測できます。
われわれのご先祖様は、神様という存在を使って、大事なメッセージ「命」を託しているのです。そんな使命やメッセージを託された神様のいる神社に参拝して、子孫たるわれわれは神様の命を受け取ります。この命こそがご利益です。
ここで、最初に紹介した職業別意識調査の結果を思いだしてください。最もよく社寺に参拝するのも、開運・運気上昇と金運アップを願う人が最も多いのも「会社役員・経営者」でした。
そして神社参拝のご利益とは、神様の命、すなわちご先祖様から託された使命やメッセージを授かることです。
よく社寺に参拝し、願い事をする人は、よく使命を授かる、すなわち「多くの仕事がくる」とデータから見て取れます。
もし仕事が多すぎて減らしたい人は、社寺参拝の回数を減らす、あるいは参拝しても何も願わないといいですね。
仕事や役割がほしい人は、ぜひ社寺に参拝し、あなたの求めることを願ってください。
次回は、開運に効果的な参拝方法を具体的にお教えします。
八木龍平
神社、人材育成、聞く技術を探究する社会心理学者。北陸先端科学技術大学院大学で博士号Ph.D.取得(知識科学)。「神社」について、科学とスピリチュアルを組み合わせた分析が好評を博し、『成功している人は、なぜ神社に行くのか?』(サンマーク出版)は27万部超のベストセラーになる。
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