自分の個性「天宝」に合わせるマイペース風水で開運!/「魔女が教えるマイルームインテリア風水」インタビュー(前編)
風水での空間作りといえば、方位や色など、何かと「ルール」で語られる。そもそも整理整頓、こまめな掃除などは開運生活の基本となり、始めるのも続けるのもズボラな人には一苦労。そこで「ズボラさんでも簡単」とい
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政治家お抱えの魔術師だったスペイン人の祖父と、フィリピンの土着の祈禱師だった祖母の血を引く叶ここ氏は、生まれながらにして見えない世界への感受性と魔力を備えていたという。そんな叶氏が実践するのは、自然界の力を借りるナチュラル・マジックだ。この世界を構成する火・水・風・地の精霊たちがあなたの召喚に応じ、願望をかなえてくれる!
私が実践している「ナチュラル・マジック」は、自然の力を利用したまじないや魔法を意味します。自然の力はあらゆる魔術の根源であり、その法則を読み解き、適切な方法によって儀式や祈りを行うことで、いわゆる「魔法」が発動します。
本誌の読者なら、魔女たちが行う「サバト」をご存じでしょう。サバトは悪魔的な儀式のように誤解されがちですが、実際には季節の移ろいをその身に感じ、自然との一体感を深めるための祝祭です。 たとえば2月のインボルグでは春の訪れと新しい年のはじまりを祝い、10月31日のサーウィン(ハロウィン)では厳しい冬に向けての支度をします。サーウィンはこの世とあの世が近づく日でもありますから、死者や祖先の霊と交信します。
こうした季節の節目には自然界のエネルギーが増大します。サバトは、それを活用するための儀式ともいえるでしょう。そして、自然界のエネルギーとは変化のエネルギーです。今年の春夏秋冬から、翌年の春夏秋冬へ。さらに次の年の春夏秋冬へ。自然界は常に変化の円環の中にあり、このエネルギーこそが魔術的な力の根源です。私たち魔女は、これを利用して現実の世界に望ましい変化をもたらすのです。
私が「魔女です」というと、必ず「本当ですか?」と聞き返されます。そこで、私の魔術的なルーツについて少しお話ししたいと思います。
私の祖父はスペイン人の魔術師で、祖母はフィリピンの土着の祈禱師「マガガリ」でした。スペインの某政治家お抱えの魔術師だった祖父は、政治的な理由からフィリピンに渡り、現地で祖母と出会いました。祖父は黒魔術も白魔術も得意としていましたが、とりわけ天候や人の心を操ることに長け、その方面で名を馳せていたようです。
祖父は生前から自分の魔術書や魔術道具を他人に触れさせず、死後には封印されるような仕掛けを施していたため、だれも使うことができませんでした。その後、どこかに隠したのか、それとも処分したのか、母に聞いても教えてはくれません。一方、祖母は白魔術が得意で、なかでも相談者の苦悩を解き放つ力は抜群でした。彼女が罪人の前でひとことしゃべるだけで、その人が涙を流して懺悔をはじめたという逸話を母からしばしば聞かされたものです。また、マガガリは、だれかが亡くなったら1週間、祈りつづけるという役割を担っています。フィリピンでは国民の9割以上がクリスチャンですが、神父や牧師が行う葬送の儀式とは別に、土着の祈禱師であるマガガリが祈りを捧げるのです。
そんな祖父母の血を引いて生まれた私は、もともと見えない世界に敏感で魔力もあったのですが、「その力があることを公言してはならないし、商売にしようとしてはならない」と、母から強くいい聞かされて育ちました。もしかしたら私の一族は、祖父母の代で魔術的な世界との因縁を断ち切ろうとしたのかもしれません。
でも、血は争えませんでした。今では私も魔法を使って祈り、まじないをしながら暮らしています。いわゆるカヴン(魔女が形成するグループ)には所属せず、ソロで活動していますが、多くの魔女と同じように根本は自然崇拝であり、山川草木に命が宿るというアニミズムの思想を受け入れています。
今回ご紹介するのは、タリスマンを使って4大元素の精霊を呼びだす魔法です(注:月刊ムー 2023年11月号では4種類のタリスマンが巻末とじ込み付録になっていますが、ここには画像をアップします)。
4大元素とは火・水・風・地のことで、魔術的な世界観では、それぞれに王国があり、精霊たちが息づいています。彼らを呼びだし、その力を借りることは、魔術を学ぶ者にとって基本中の基本です。
魔術師が魔法円を描いて儀式を行うときは、必ず東西南北に向かって4大元素の精霊たちに呼びかけますし、タロット占いや西洋占星術をするにも4大元素に関する知識が必要となります。また、4大元素についてしっかりと学び、精霊が喜ぶこと・嫌がることを意識して生活するだけで、いざという場面で彼らの力を借りることが可能となります。今回ご紹介する魔術の効果も高まるでしょう。
ここで、タリスマンの絵柄について少し説明します。
まず背景の部分は、精霊たちを召喚するシジル(印)の上に、絵の具を何層にも塗り重ねました。精霊たちを喜ばせ、快く求めに応じてもらえるよう、彼らが好むスパイスやハーブ、宝石の粉末、動物の脂、聖水などを混ぜあわせた絵の具を用いています。それぞれにどんな素材が使われているかについては後述します。
シジルが隠れてしまうほど絵の具を塗り重ねたのは、潜在意識に作用することを狙ったからです。私の一族では、すべてを明らかにしないこと、秘密をつくることによって魔術的な効果がいっそう高まると考えています。次ページ以降では魔術を発動させるための簡単な儀式をご紹介していますが、できればだれにも気づかれないように行ってください。タリスマンも、むやみに見せびらかさないほうがよいでしょう。
そして金色の部分は、魔法円、4大元素の記号、それに対応するヘブライ文字で構成しました。4つのヘブライ文字は子音なので、母音を補足しなければ発音することができません。こうした「発音できない文字」に神性が宿ると考えられています。
タリスマンの使い方は以下のとおりです。
【使用法】
その日に助けを借りたい精霊のタリスマンを1〜2個選び、携帯します。携帯しないときは、自宅の東西南北(火は南、水は西、風は東、土は北)にそれぞれを飾るか、その包囲の引き出しなどに保管しておくと、結界の役割を果たします。
タリスマンを部屋に飾るときや、日中携帯していたものを室内で休ませるときには、可能であれば、彼らが好むスパイスやハーブを少量でよいので小皿などに入れ、タリスマンのそばに置いてください。効果がいっそう高まります。
【有効期限】
常に携帯している場合は1年程度。自宅に飾ってほとんど携帯しない場合は半永久的に効果が持続します。
【処分法】
未使用のタリスマンはそのまま処分してください。使用後のタリスマンについては、手を合わせて精霊たちに感謝の気持ちを伝え、粗塩を振り、きれいな紙に包んで処分します。自宅に庭がある人は、お焚きあげをするのもおすすめです。
次回は、4種類のタリスマンそれぞれの効能や行うべき魔術儀式などについて説明します。
叶ここ
スペイン人魔術師の祖父、フィリピン人祈祷師の祖母を持つ魔女占い師。ナチュラル・マジックを得意とし、人生を豊かに生きるための方法のひとつとして魔法の世界を伝えている。著書に『魔女が教えるマイルームインテリア風水』(光文社)がある。
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