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ごく普通の夏休みのように、山で遊ぶ少女たち。女神として信仰を集め、巫女として神に成り代わる、彼女たちの日常が意味するものとは――?
ここに一本のアニメ作品がある。事前情報をいっさいなく見れば、なにを思うだろうか。
そこでは、色とりどりの衣装をまとった少女たちが連れ立ち、野山に出かけて遊んでいる。彼女らは川辺でバーベキューなどを楽しんでから、山奥の廃神社で異次元の存在と接触し、別次元の自分自身に助けられる形で平穏な日常を取り戻す。
定番の冒険譚のようだが、注目すべきは、彼女たちが女神である、ということだ。ただし、作中で特殊な戦闘能力を発揮するものの、彼女たちを女神として見せる描写はない(少なくともこの映像作品では)。実は彼女たちは、電脳遊戯機械、いわゆるゲーム機を象徴する存在として描かれ、その遊戯機械のファンが彼女たちを信仰するという関係性で、作品世界は成り立っている。それぞれの遊戯機械には一部の人々だけが察することができる特性が与えられており、それも含めて信仰体系が築かれている。
つまり、女神と位置づけられてはいるが、名もいえない神(遊戯機械そのもの)に成り代わる意味で、彼女たちは巫女の役割を担っている。事実、山で遊ぶ彼女たちは機械のようでも、神のようでもなく、ただの少女だ。その場面は、神域や神事を離れて休む巫女のオフタイムを思わせる。
中山太郎の『日本巫女史』(国書刊行会)は、諸説あるとしつつも、原始神道での信仰、呪術、巫女の発生過程を各地の信仰事例から解いている。本作のバックボーンにある、遊戯機械に対するファン活動から、それを象徴する偶像が発生する例も、古代から自然に継承されてきた信仰形態に準じたものと考えていいだろう。
となれば、人しれぬ山中で童女のように遊び、異世界に接触して戻ってくるという「ねぷのなつやすみ」の物語は、一種の神楽なのだ。
すでに作品世界の発生から10年がたち、彼女たちが象徴する神(遊戯機械そのもの)は、ハードウェアという物質的な宿命から代替わりをしているにもかかわらず、アニメの中の信仰体系は揺るがない。映像作品としての神楽が時代を超えて奉納され、それを鑑賞することで世界は英気に満たされていく。
物質的な関係を脱した信仰=ファン活動は、世紀を超えて継承される強度を備えうる。はるか未来において、われわれの子孫は、仮想に発した女神信仰に生きているのかもしれない。
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