2023年のネッシー“公式”目撃事例「第1号」は10代少女の快挙! 本物認定に必要な条件とは!?
少女が目撃したネッシーが今年「第1号」として公式に認定された! 本物と偽物の意外な違いとは!?
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文=ケリー狩野智映
人生を賭してネッシーを追うネッシーハンターは、いかにしてネス湖に魅せられ、湖畔にロッジを構えるに至ったのか? 現地ライターがその半生をインタビューした。
イングランド南西部ドーセット州出身のフェルサム氏がネス湖のミステリーと出会ったのは、1970年の夏休みのこと。当時7歳だったスティーブ少年は、家族と一緒にネス湖畔で休暇を楽しんでいた。
その頃はネス湖調査が盛んで、英国のある国会議員と執筆家が1961年に立ち上げた「Loch Ness Investigation Bureau(筆者訳:ネス湖調査局)」が調査活動を展開しており、リサーチャーや自称「ネッシーハンター」たちが世界中からやって来て、ボランティアとして調査に従事していた。その様を目の当たりにしたスティーブ少年は、猛烈に好奇心を引かれたという。
ある日、家族でネス湖調査局本部を訪れたとき、父親が同局の調査資料パックを買ってくれた。ネッシー伝説の歴史、目撃報告の詳細、証拠(?)、写真やネス湖の地理などの資料が満載のこのパックを手にしたフェルサム少年は、瞬く間にネス湖ミステリーの虜になった。そのパックは今でも聖書のごとく大切にしている。
その後、フェルサム一家はほぼ毎年のように夏休みをネス湖畔で過ごしたが、家族がインヴァネス市内に観光や買い物に出かけても、スティーブ少年は常にネス湖畔に陣取り、ネス湖調査局の資料パックと祖父の古い双眼鏡をお供に、何時間もネス湖面を観察していたという。
成人してからも参考文献をもさぼり食らうように読み尽くし、休暇のたびにネス湖を訪れては湖面観察に明け暮れた。どれほど月日が流れても、彼のネス湖ミステリーへの情熱の炎は決して消えることがなかった。
製本や陶器製造の仕事を経験した彼は、警察を退職した父親が家庭用防犯ベル設置の事業を始めたとき、その新しい家業に従事することになった。
顧客の多くは年金生活者。彼らの住居に防犯ベルを設置しに行くたびに、「わしも君のように若い頃には夢と野心があった」だの、「あの頃、心の声に従っていたらよかった」といった、哀愁と後悔にまみれた嘆きを聞かされた。そうするうちに、フェルサム氏は自分の生き方に大きな疑問を持つようになった。
「頭の中で、まったく正反対の人生を主張する2つの声が怒鳴り合ってた。一方の声は『結婚して落ち着き、幸せな家庭を築け』、もう一方の声は、『何をグズグズしてるんだ! 早くネッシーを見つけにネス湖へ旅立て!』ってね」
死の床で後悔したくない!と奮い立ったフェルサム氏は、持ち家を売り払い、当時のガールフレンドに別れを告げ、車齢21年という年季ものの旧移動図書館を改造したキャンピングカーを手に入れ、1991年の夏、ついに生まれ育ったドーセット州を後に、ネス湖を目指して北上した。
以来33年という歳月、フルタイムのネッシーハンターとして活動し続け、ギネス世界記録(ネッシーを継続して調査している記録)も達成している。
彼がドーセット州を発ち、ネス湖にたどり着いてフルタイムのネッシーハンターとなる経緯をビデオカメラで自撮り記録したビデオダイアリーは、「Desperately Seeking Nessie(筆者訳:デスパレートなほどにネッシーを探して)」というタイトルのドキュメンタリーとして1992年にBBC(英国放送協会)で放映された。興味のある方は、フェルサム氏のホームページやYouTubeでご覧あれ。
「あのとき選んだ生き方を後悔したことは一度たりともない」とフェルサム氏は語る。
~If you don’t follow your dreams, the only person you lose is you~
ドキュメンタリーの最後で彼が語りかけるこの言葉は、多くの人々の心に響くのではないだろうか。
フェルサム氏の活動を応援したいムー民の方々は、こちらから寄付をどうぞ:
https://www.paypal.com/donate?token=105dBzJ-kGB23hI5G5Gwu2ZJASMgNlPhlh_rjLgtx95l3kF6N1VtkoY1G4Y4DlyJJ8z_VGQCWDMj2dff
ケリー狩野智映
スコットランド在住フリーライター、翻訳者、コピーライター。海外書き人クラブ所属。
大阪府出身。海外在住歴30年。2020年より現夫の故郷スコットランド・ハイランド地方に居を構える。
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