実践超能力「ダウジング」が70年代こどもオカルトの源流だった! マンガから水道局までのブームを回想/初見健一
“懐かしがり屋”ライターの初見健一が、昭和レトロ愛好視点で当時を回想。今回は、オカルトキッズがこぞって試した「ダウジング」で、70年代子どもオカルトの源流へと遡る。
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加藤展生 著
ダウジングに関する必要不可欠な情報を網羅
「ダウジング」とは、ペンデュラム(振子)やLロッドといった道具を用いて、さまざまなものを探知する技術。「狩猟採集をしていた原始人が木の枝を構えてその反応から水脈を探したこと」がその始まりであるという。著者によれば、ダウジングは標題通り超常現象ではなく、「顕在意識を指揮者として、潜在意識からの情報をダウジングによって引き出していき、その先にある超意識と繋がる」ものである。
このダウジングにはふたつの流派があり、著者の属する「ラディエスセシア派」は「エジプト神秘学をルーツに持つ自然科学の法則をもとに、フランスのダウザーが構築した明確なシステム」。そして著者個人の見解では、その目的は「自分で感じ、考え、行動して調和をもたらす」ことにある。
本書は、ダウジングとは何か、どう活かすかに始まり、その原理、さらなる技術向上のための考え方、さまざまな道具の特徴とその選び方に至るまで、Q&A方式で解説するダウジング入門書。
巻末では、著者であるヒーリングセラピストの加藤展生氏が会長を務める「JSD日本ダウジング協会」(堤裕司氏の「日本ダウザー協会」とは別組織)で用いられている、Lロッドの公式テキストを完全公開するという太っ腹ぶりである。
基礎から応用まで、およそダウジングに関する必要不可欠な情報を、余さず網羅した決定版といえるだろう。
(月刊ムー 2024年3月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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