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エジプトの大ピラミッドに新たな空間の発見をもたらしたのが、日本も開発に深く関わってきたミュオグラフィという最新技術。この最新技術を三上編集長がMUTubeで解説。
今年3月、クフ王のピラミッドに謎の空間が発見されたことが公表された。クフ王のピラミッドで新しい空間が発見されたのは186年ぶりのことだ。
2012年にフランス人建築家のジャン・ピエール・ウーダンとピラミッド研究家のボブ・ブライアーの話し合いをきっかけに、東京大学国際ミュオグラフィ連携研究機構、エジプト、ドイツ、フランス、カナダなどが参加する国際プロジェクト「スキャン・ピラミッド・プロジェクト」がスタートした。
いまだ全貌が見えていないクフ王のピラミッドを丸裸にしようというもので、そこで使われているのがミュオグラフィという技術だ。ミューオンという宇宙から飛んでくる素粒子を使って、山や海などの内部構造を透視し映像化するのだ。ミュオグラフィでピラミッド内を透視することが可能になり、未発見の部屋を見つけ出すことができたのだという。
地球には宇宙から素粒子が降り注いでいる。これが宇宙線で、私たちは気づいていないが、常に私たちの体の中を宇宙線が通過している。
ミュオグラフィは、宇宙線の中でも特に透過力の高いミューオンという素粒子を使い、レントゲン写真の要領で、これまで内部構造がわからなかった山などの巨大構造物の内部を可視化する。
日本のミュオグラフィ研究の第一人者で、スキャン・ピラミッド・プロジェクトの立ち上げにも貢献した、東京大学国際ミュオグラフィ連携研究機構長で教授の田中宏幸氏に話を聞く。
「ジャン・ピエール・ウーダンはピラミッドが螺旋階段上に組み上げられたという説を唱えて、物議をかもした建築家です。ミュオグラフィでピラミッドの中を見ることができるなら、ピラミッドがどのようにして作られたのか、本当のことがわかるだろうというのがプロジェクトの始まりです」
クフ王のピラミッドには謎が多い。規模が大きいため、内部に部屋が多く、まだ見つかっていない部屋もあるといわれている。王の棺も見つかっていないため、ピラミッドは墓ではないのでは?──と考える学者もいる。そうした謎も、ピラミッドを透過して内部構造を明らかにすれば、解決する。
ミュオグラフィにもいくつかの方法があり、それぞれ特性がある。日本からは名古屋大学のチームが原子核乾板(ミューオンに反応する特殊なフィルム)を使って行っていたミュオグラフィを使うことになり、並行してフランスのマイクロメッシュ(高精度のガス検査機)を使ったチームも参加することになる。
「そうした調整に3年ほどかかりました。2015年からテストとしてエジプト・ダハシュールのレッドピラミッド(クフ王の父、スネフェル王が建造した赤いピラミッド)を調査、一定の成果が出て、エジプト当局からクフ王のピラミッドの調査許可も出ました」
2017年には、大回廊と呼ばれる部分の上に並行して巨大な空洞が見つかり、話題となった。
「今回、ピラミッド内部に新たな空間が見つかりました。これまでミュオグラフィでは、火山のマグマにしろ原発の内部にしろ、映像は撮れるんですが、それが実在するのかどうかは証拠がないわけです。山に穴を開けてマグマを採取したわけではないですし、原発もメルトダウンの箇所を引っぱりだしたわけではありません」
ミュオグラフィはレントゲン写真と基本は同じなので、内部構造はわかるものの、実際にミュオグラフィに映った通りなのかは開けてみないと確認できない。
「今回、発見された新たな部屋は、エジプト当局がファイバースコープを岩の間に入れて内部を撮影しました。ミュオグラフィに映った場所が実際に確認されたことは、ミュオグラフィの検証という意味で非常に大きな第一歩で、世の中にミュオグラフィの有効性が示されたと思います」
今回、新たに発見された部屋は幅2メートル、高さ2メートル、奥行き9メートル。この部屋が作られた目的はこれから明らかになるだろうが、場所とサイズから、王の間で使われる御影石(王の間以外の部屋は軽い石灰岩でできている)を動かすために、使われたのではないかと考えられる。
これまでは何百人も使って持ち上げたというのが通説だったが、ジャン・ピエール・ウーダンはそうではなく、天秤のように反対側に重りをつけて、ヤジロベエのように動かしたのだと主張していた。玄室の反対側に重りをぶら下げるためには、そちら側にも玄室と同じサイズの空間が必要になる。
「今回見つかったのは、位置的にも重りをつけるにはベストの空間で、他の部屋や通路とは遮断されています。まさにジャン・ピエール・ウーダンの仮説の通りに、重りのために作られた部屋なのではないかと考えられています」
当時のエジプトの建築技術は、一般的に考えられているよりずっと高度だったらしいのだ。これは世紀の発見といっていい。
また、クフ王のピラミッドは北側に通路の入り口があり、これまでに見つかった玄室などの部屋はピラミッドの東側に集まっている。もしかしたら西側にも玄室があるのではないか?──という説もあり、今後はそうした謎も調べることになるだろう。
ピラミッドの研究は次の段階に入っていて、今は3D化するプロジェクトがアメリカで進んでいるのだそうだ。
「ぐるりとピラミッドを取り囲み、立体の透視図を作ろうというわけです」
同様の技術である医療用MRIは、患部の周りを360度回転しながら撮影し、撮った静止画を合成して立体的な映像にする。ミュオグラフィの場合、ミューオンが降ってくる方向はほぼ全天なので、ピラミッドの周囲を乾板で取り囲んでおけば、ピラミッド全体の透視図が完成するわけだ。
(文=久野友萬)
続きは本誌(電子版)で。
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