UFO現象は幽体離脱や臨死体験とつながっている!? 医師やUFO研究家が超常現象を“意識”から分析する
一部の人々が体験している臨死体験や幽体離脱だが、UFO現象と無関係とも言い切れないという。それを語る時にポイントとなるのが、我々の“意識”についての考え方だ。
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自分の意識が肉体から抜け出る現象、いわゆる「体外離脱」という言葉が初めて登場したのは1943年だが、実際の記録はそれよりもかなり前から存在していた――!
作家マーク・マヒン氏のブログ「Future and Cosmos」によれば、体外離脱体験の世界初の報告は1845年にまでさかのぼる。
ドイツ人医師のユスティヌス・ケルナー(1786〜1862)による著書 『The seeress of Prevorst(プレヴォルストの予言者)』に、フレデリカ・ハウフェ(1801〜1829)という女性サイキックが起こした体外離脱について記述されているというのだ。
「幽霊を見る能力をもつ彼女は、肉体から抜け出した状態を頻繁に経験していた。しばしば自分が体から抜け出している光景を目の当たりにし、時には自分が二重になっているのを見たという。彼女はこう言った。『私はよく体の上を漂って、自分の体について考えます。しかしこれは心地よい感覚ではありません』」(同著より)
当時、体外離脱という言葉はまだ存在しなかったが、もちろんその現象自体は彼女よりはるか以前、人類史の初期から存在してきたものだろう。あくまでも、現状残されている(かつ確認可能な)最古の記述がケルナーの書籍ということだ。
ちなみに、一人称視点で記録された最も初期の体外離脱体験の一つは、作家で宗教家のダニエル・ダングラス・ホーム(1833〜1886)が1864年に著した『Incidents in My Life(我が人生の出来事)』の44~47ページに描写されている。
「私の肉体が、目の前のベッドに動かずに横たわっていた。両者を繋ぎ止めている唯一のものは、脳から発せられる銀色の光のように思えた」(同著より)
この時期によく行われていた降霊会でホームが空中浮揚したと多くの人が証言しており、科学者のウィリアム・クルックスは実験を行い、それが本物であると結論づけている。
このように体外離脱体験は19世紀半ばから盛んに報告され始めたが、『Proceedings of the Society for Psychical Research(心霊研究協会紀要)』1892年版では、L・J・バートランドという人物が30年前に体験した体外離脱について描写されており、離脱して上空に浮かんだ幽体とその下に横たわる肉体とが、伸縮性のある紐やゴムバンドのようなもので繋がっていたという。
また、同じく『Proceedings of the Society for Psychical Research』の1894年7月版には、体外離脱によって2メートルほど上空から自分の身体を見下ろすという描写も登場する。肉体と幽体を繋ぐ紐があるという説明や、上空から自分を見下ろすという体験は、これ以降多くの体外離脱体験談で報告されるようになった。
1895年刊行のジョージ・H・ヘップワース著『Brown Studies(ブラウン研究)』にも体外離脱の記述があり、「幽体は物質を通り抜けることができる」と語られている。このようにして体外離脱がどんなものであるか、一般的なイメージが形成・共有されていったのだ。
その後、20世紀に入ると、体外離脱体験は人智学の概念である「アストラル体」との関連で語られることが増えてくる。それは精神活動における感情を主に司り、情緒体、感情体、感覚体、星辰体などと呼ばれることもあった。
『Occult Review』誌(1908年3月号)に掲載されたフランツ・ハルトマン医師の記事「Astral Excursions(アストラル旅行)」にある体外離脱の記述を見てみよう。ハルトマンは、体外離脱体験中に「椅子の横にある小さなテーブルの上の器具を持ち上げようとしたところ、指がすり抜けてしまい、持ち上げることができなかった」と振り返っている。
さらに、1919年に出版されたヘレワード・キャリントン著『Modern Psychical Phenomena(現代の心霊現象)』には、 「アストラル体の投射」と題された章があり、それは次のように始まる。
「絶えず新たな重要な発見を生み出している心霊科学の最新成果の一つは、人間の『アストラル体』の自発的な投射、すなわち肉体の分身を自らの意志によって外に出すことである。私たちが知っているこの肉体のほかに、より繊細で洗練された外殻、すなわち聖パウロの言った『霊体』が存在する。そしてこの霊体は時として肉体から分離し、投射することが可能であり、かなり距離が離れた他者の前に自らを顕現させることもできる。これらは、ずっと以前から証明されてきた」(同著より)
同著の挿絵にはアストラル投射の概念を示すスケッチがあり、そこにはアストラル体と通常の肉体をつなぐとされる「銀の紐」が描かれている。さらにこの章には、人間が自発的に体外離脱体験を試みる方法まで記載されているのだ。
さらに時代は下り、キャリントンとシルヴァン・マルドゥーンによる1929年の共著『Projection of the Astral Body(アストラル体投射)』は次のようなマルドゥーンの記述で始まる。
「私が初めて体外離脱体験をしたのは12歳の時でした。幼く精神的にも未熟だったため、その出来事の重大さを理解していませんでした。体外離脱は意図せず起こり、頻繁に繰り返されたため、次第に慣れてしまい、実際にはそれらを特別なこととは考えなくなり、家族にさえほとんど話さなくなりました」(同著より)
マルドゥーンが用いる「アストラル体投射」の言葉には、意志によって起こせる体外離脱体験というニュアンスがより強く含まれている。ここまで見てきたように、アストラル体とは霊体や幽体とほぼ同義語であるが、人智学的には人間の魂そのものというわけでもないという。むしろアストラル体は魂の乗り物と言われており、精神と物質を結びつける重要なリンクの一つを構成しているという。
現代の天体物理学者が、宇宙とは目に見える物質と、暗黒物質などの目に見えない物質から構成されていると主張していることを考えると、アストラル体の概念はそれほど突飛なものでもないだろう。
また、同著においてキャリントンはマルドゥーンの体外離脱体験の信憑性を次のように評している。
「これらの『アストラル旅行』でなにが達成されたか、荒唐無稽な主張は一切なされていないことを、読者の皆様に強調しておきたいと思います。…(中略)…彼が主張しているのは、意識を完全に保ったまま、自分の肉体を意のままに離れ、なんらかの乗り物に乗って、自分のすぐ近くを旅することができるようになったという事実だけです。これは全く理にかなっていることなのです」(同著より)
彼らによれば、肉体を離れたアストラル体は近場を旅することができるというのだ。この現象は、やがて「バイロケーション」と呼ばれ、同一人物が同時に2つの異なる場所に存在したり、魂が肉体の外に存在する状態を表す際に用いられるようになった。
肉体とアストラル体が別の場所で同時に存在できるという話は、量子論における2つの粒子が時空を超えて結びついている現象「量子もつれ」を彷彿させる。
まだまだ解明が進んでいない体外離脱だが、2023年に「Psychology of Consciousness」誌に掲載された研究では、体外離脱を体験した者は、その後に人格の変化が促されることが示唆されている。体外離脱は人生を豊かにする得難いスピリチュアル体験だというのだ。
さらに最近では緩和ケアや、死の不安に関連する精神疾患の治療にも活用できる可能性が指摘されており、体外離脱体験はメンタルヘルスや“生きがい”にも通じる重要な研究対象となりつつあるようだ。
【参考】
https://futureandcosmos.blogspot.com/2026/02/the-earliest-accounts-of-out-of-body.html
https://futureandcosmos.blogspot.com/2026/03/the-earliest-accounts-of-out-of-body_2.html
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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