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古神道白川流の易学や、中国に伝わる望龍術を修めた花谷幸比古宮司(鶴見神社)に、2024年の傾向についてお話をうかがう第2弾。今回は、開運のコツや社会情勢についてお聞きした。
2024年の干支である甲辰が青龍の年を意味し、激動の一年となることは前回すでに述べた。 その激動とは、どのようなものなのか。たとえば幕末の日本は、青龍の時代のただなかにあったと花谷宮司はいう。 「幕末から明治維新にかけての日本は、疾風怒濤の時代を過ごしました。それは近代日本の夜明けを迎えるための陣痛の時代でもあったのです。 この時期に、吉田松陰、緒方洪庵、坂本龍馬といった若い世代が活躍して日本を変えていったことも忘れてはなりません。 青龍は、龍神のなかで最も若く、暴れん坊ですが、エネルギーに満ちているし正義感が強い。若い世代がこの龍に感応すれば、日本は大きく変わるでしょう」 そのような話を聞くと、疾風怒濤に巻き込まれないよう守りを固めたくなるのだが、それでは意味がないようだ。 「甲という字には亀の甲羅や鎧という意味があります。そこから硬い外皮に覆われた種という意味が派生して、十干の最初に置かれました。ですから、殻を破って成長することや前進することを表すものでもあります」 加えて、青龍は動きが速い。その「気」を活用するなら、立ちどまって考え込むより動くほうがよいと、花谷宮司はいう。
では、青龍の時代の経済状況は? 多少なりとも景気はよくなるのだろうか。 「青龍の年というのは、最初のうちは景気がパッとしません。1〜3月はとくに低迷するでしょう。中国も、経済成長率3パーセントを目標に掲げていますが、おそらく達成できません。 アメリカも、国民が期待しているほどの経済成長は望めません。米中がその調子ですから、世界的に経済が停滞しやすいでしょう」 日本も同様に低迷の時期を過ごすことになるが、7月ごろから徐々に変化するそうだ。 「貨幣が改まるのをきっかけとして、日本経済によい変化が起こる可能性があります。 今は福沢諭吉が1万円札ですが、次は渋沢栄一になります。渋沢さんは、財界のリーダーとして目覚ましい活躍をした人です。第一国立銀行(みずほ銀行)を創立したほか、王子製紙、大阪紡績、東京海上、日本鉄道などの設立にも関与しました。 また、道徳経済合一説を説きつづけ、竜門社という組織を設立して、その思想に共鳴する若者たちを教育したのです」 そして五千円札は津田梅子、千円札は北里柴三郎。女性にかかわる教育の問題がクローズアップされたり、細菌の感染を防ぐ新たな方法が考案されたりするのではないかと、花谷宮司は予測している。 「もうひとついうなら、青龍に限らず、龍の時代にはベビーブームが起こりやすい。それで日本人の出生率が少しでも回復するといいのですが。お隣の中国では、龍の子を産みたい人が多いはずなので、おそらく出生率が上昇すると思います」
米中のリーダーからも目が離せないようだ。 「青龍の時代ですから、共和党のトランプは、ひょっとすると大統領になるかもしれません。彼は、まるで若い人のように暴れん坊で、勢いだけで行動しているところがあります。政治のことはさっぱりわからないのに、アメリカファーストだけで大統領になった人ですからね。 そういう人は案外、青龍とつながりやすい。批判する人も非常に多いのですが、大統領になる可能性は高いでしょう」 中国では、習近平国家主席の任期が、前代未聞の3期目に突入しているが。 「最近、習近平と毛沢東の顔が似てきたと感じています。これは中国が乱れる前兆かもしれません。ナンバー2の李克強が亡くなりましたし、いろいろな意味で激動の時期を迎えます。また天安門事件のようなことが起きるのではないかと、共産党の上層部が戦々恐々としているという情報も入っています。 実際のところ、いよいよ習近平政権は終わりに近づいてきたと思っています。そのことは、華僑総会に顔を出すと実感できる。東京でも関西でも、会長たちが習近平離れを起こしていますので。華僑総会は全世界にありますから、世界中の華僑が冷ややかな目で習近平を見ているということでしょう。 しかし、日本にしてみれば、習近平がトップにいてくれると楽です。もう少し政権が長くなったら自滅するというのが読めますから。ここで下手にトップが交替して、商売上手な人が政権を取ろうものなら、日本はとても太刀打ちできません」 米中が混乱するなかで、インド経済はますます発展すると、花谷宮司は読んでいる。 「アメリカとロシアがウクライナを挟んでまた対立していますね。インドにしてみれば、両国の争いで漁夫の利が得られます。両方の様子を見て、こちらに賭けたほうが得だと思ったほうの株を買えばいいのですから」
「最後にひとつお伝えしておきたいのは、日本という国は相当お金を持っているということです。日銀がゼロ金利政策を実施して、世界中の笑いものになっていますね。しかし、見方を変えれば、それをしてもダメージを受けないだけのお金が国にあるということです。 調べてみればわかりますが、国が関与している企業はたくさんあります。私が知っているものだけでも、ゆうちょ銀行、日本郵政、NTT、JT、新たに設立された半導体の会社や石油機構など。そういうところから利益を得ているほか、NISAをつくって株を買いやすくした。そういうお金儲けが非常にうまい。 では、そうして儲けたお金をどこに使うか。ベーシックインカム(すべての人に無条件で現金を配る制度)もいいのですが、青龍の時代にふさわしい使い道をもう一度考える必要があると思います」
webムー編集部
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