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ヒマラヤ山脈の奥地には、獣人「イエティ」が棲むという。
チベットの創世神話にも登場するほど古くから語り継がれているが、その存在が知られるようになったのは1889年のこと。インドのシッキム州北東部の標高5200メートル地点で、イギリス陸軍のL・オースティン・ウォールデン中佐が、人間の靴跡よりはるかに大きい足跡を発見。1898年に発表した著書『ヒマラヤの山の中』で報告したのだ。
1925年にはギリシア人の写真家で、博物学者でもあるN・A・トムバジが、高峰カンチェンジュンガで角張った大きな頭部、全身が黒い毛で覆われたイエティを目撃。1951年には、イギリスの登山家エリック・シプトンによって、1キロ以上も続く巨大な裸足の足跡が発見され、写真におさめられた。長さ45センチ、幅32センチもある足跡は、親指と人差し指が異様に大きいのが特徴的だ。
この写真は世界中で話題を呼び、各国の調査団による学術調査も始まった。
その姿が写真で捉えられたのは1986年、イギリス人のアンソニー・B・ウールドリッジによる。また、近年ではポーランドの山岳地帯でも目撃されている。
これまでの情報から、1・5メートル、2・4メートル、4・5メートルと3種類が存在すると見られ、足跡も24・5〜45センチと大小さまざま発見されている。体毛は赤褐色、もしくは暗褐色。外見的特徴は類人猿に近いが、やや角張った頭部が既知の生物であることを否定する。また、ホイッスル音のような奇声を聞いたという報告もあるが、目撃者を襲った事例はなく、温厚な性格であると考えられる。
その正体については、ギガントピテクスやネアンデルタール人などの化石霊長類の生き残り説が有力視されている。ヒグマなどの誤認説もあるが、直立2足歩行の足跡はクマやほかの動物では説明がつかないため、少なくとも未知の生物の存在であることはまちがいないはずだ。
並木伸一郎
「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。
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