軍人たちがトランス状態で次々UFOに吸い込まれた! 記憶を取り戻した当事者が明かす「集団アブダクション」の恐怖/ブレント・スワンサー

文=ブレント・スワンサー

    ミステリー分野で世界的な知名度を誇る伝説的ライター、ブレント・スワンサーが「日本人がまだ知らない世界の謎」をお届け!

    44歳で蘇った異星人遭遇の記憶

     UFOやエイリアンとの遭遇にまつわる奇妙な報告は、世界中にごまんとある。中には、生涯を通じて何度も遭遇したという人もいる。イギリス人のビル・ブルックスもそのような人物の一人である。

    ビル・ブルックス 画像は「goodreads」より引用

     ブルックスは、元軍人のプロミュージシャンだ。彼はもともと、自分が幼い頃から何度も経験してきた奇妙な出来事にまったく気づいていなかった。しかし44歳のある夜、あるライブから帰る途中にUFOと遭遇し、強烈な”記憶のダウンロード“を経験。これまで消去されていた過去の経験が一気に蘇り、人生が一変したという。

     ブルックスとエイリアンとの最初の出会いは、彼がまだ10歳の頃だった。北欧系スカンジナビア人に似たヒューマノイドである「ノルディック・エイリアン」4体が、野原でミステリーサークルを作っている光景を目撃したのだ。ノルディック・エイリアンはその後、ブルックスを彼らの船に乗せ、小さな金属球を動かす超能力の使い方を教えた。

    画像は「YouTube」より引用

     それ以来、さらにブルックスはノルディック・エイリアンのほか爬虫類型ヒューマノイド、そして有名なグレイタイプなど、数々のエイリアンから頻繁に接触を受けるようになった。人生の過程で、彼はこれらの存在から何度も実験され、いくつかのインプラントを埋め込まれたり除去された記憶があると主張している。

    軍人時代のおぞましい出来事

     そんなブルックスの奇妙な体験は、軍隊に所属している最中にも起きていた。イギリス軍にいたとき、彼は非常に超現実的な体験をたくさんしたと主張している。その一つは、イギリスのポートン・ダウンで行われた極秘のマインド・コントロール実験だ。彼はサイケデリックな薬を飲まされ、奇妙な命令が大声で喚かれる中、白い壁の上で黒い渦巻きが回転するのを見せられたという。彼によれば、これらの実験は兵士をより攻撃的かつ従順にするために行われたものだという。

    画像は「YouTube」より引用

     もう一つの奇妙な体験は1968年、ドイツにあるデンプシー兵舎に駐屯していたときのことだ。そこで彼は、ある種の超自然的な存在と遭遇したという。

    「私の兵舎室は、第二次世界大戦前に建てられた古い4階建ての建物の2階にあった。私はこの部屋を他の3人の若い兵士と共有していた。私たちはそれぞれ、軍支給の金属製ベッドと、大きな深緑色のロッカーを持っていた。
     ある真夜中、私の部屋の住人はみんなベッドで熟睡していた。しかし私は、フローリングの床を歩く誰かの足音を聞いて目が覚めた。少し体を起こし、誰だろうと前を見ると、ベッドの足元に立っていたのは、内側から光を放っているような恐ろしい姿の幻影で、頭が半分欠けていたので負傷した兵士のようだった。悲鳴を上げようとしたが、声も出ず、動くこともできなかった」

    UFOに吸い込まれた兵士たち

     また、彼が最も壮絶な体験だったと主張するのは、アメリカ軍関係者と思われる人々の協力のもと、エイリアンと思われる存在が基地に入り込んできた時だったという。

    「秋の夜、8時か9時ごろ、オレンジ色の霧が私たちの陣地へと向かってくるのに気づいた。一緒にいたジョーは、あれはガス攻撃を受けた時のための訓練だろうと言った。そこで私たちは、ガスマスクを着用するよう班員に警告するためベースキャンプに戻った。しかし、到着して驚いたのは、全員がその場で眠っていたことだ。私たちは下士官を起こし、自分たちが見たことを説明し、模擬ガス攻撃のシミュレーションだろうと報告した。すると下士官は、そんなことは聞いていないと言うのだ。
     ジョーと私は、軍用車両を覆う迷彩柄のネットの上に横になり、しばらく休もうと思ったが、すぐにキャンプ周囲の野原で信じられない事態が起きていることに気づいた。そこに強烈な光を放つ物体が、煙に包まれながら飛来していたのだ。信じられない思いでそれを眺めていた」

    イメージ画像:「Adobe Stock」

     しかしこの直後、ベースキャンプで寝ていたはずの兵士たちが次々と立ち上がり、その奇妙な光へと吸い込まれるように動き始めたという。彼はこう続ける。

    「まるで何かに命令されているかのように、兵士たちは熟睡していた場所から移動していった。みんなトランス状態のようで、その明るい光を放つ物体へと向かっていた。しかも、みんな宙に浮いているかのようにも見えた。
     光の明るさで目が眩み、何が何だかよくわからなかったが、それは乗り物のようだった。兵士たちは疲れきっていたはずなのに、みんな一斉に動いていた。ジョーと私は軍用車両の上にいたため、全景を見渡すことができた。私は彼らの状態を調べようと思い、荷台から降りかけたが、ジョーは『だめだ! 動くな! 行くな!』と制止した。
     それというのも、森の中から武装した男たちがこちらに向かって歩いてくるのがジョーには見えていたのだ。私たちが横たわっていた車両は、森から100ヤード(約91メートル)の距離にあった。そして森の方を見ると、黒いカバーオールに身を包み、四角い小さな青色のバッジのようなものを右袖につけた男が数人いた。
     そして彼らは、私たちを見つけると銃口を向けてきて、「光の方へ歩け」と命令してきた。当然ながら、ためらった」

    生涯をかけて続く奇怪な体験

     ブルックスが次に思い出せるのは、他の兵士たちと一緒に野原に立っていて、前方に高級将校がいたことだ。夜はすでに明けて、奇妙なことに数人の兵士は何年も前の古い軍服を着ていた。ブルックスは銃を突きつけられてからのことを何も覚えておらず、それどころか、どうして自分が野原に立っているのかさえわからなかった。そして将校は、前夜に起こったことは決して口外しないようにと厳命し、全員が秘密保持文書に署名することを余儀なくされた。

     なお、ブルックスはその後も、フリーメイソンから嫌がらせを受けたり、連続殺人事件が起こるヴィジョンを見るとそれが現実になったりと、生涯を通じてさらに奇妙な体験をすることになったと語る。そのすべては、エイリアンアブダクションの専門家ジョアン・サマースケイルズとの共著である『44: Based on an Ex-Soldier’s True Story of Life-Long Encounters Involving Alien Abduction(直訳:44 ― 元兵士の生涯にわたる異星人遭遇とアブダクション被害)』に書いている。

     強烈に奇妙な内容ばかりで、この中のどれほどが真実なのだろうかと考えさせられる。すべてが現実なのか、それとも妄想やフィクションである可能性は? ビル・ブルックスの物語は、興味深い難問であり続けている。

    Brent Swancer(ブレント・スワンサー)

    豪ミステリーサイト「Mysterious Universe」をはじめ数々の海外メディアに寄稿する世界的ライター。人気YouTubeチャンネルの脚本、米国の有名ラジオ番組「Coast to Coast」への出演など、多方面で活躍。あらゆる“普通ではない”事象について調査・執筆・ディスカッションを重ねる情熱と好奇心を持ちあわせる。日本在住25年。『ムー』への寄稿は日本メディアで初となる。

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