「チュパチュパUFO」が発するビームで数千人が負傷! ブラジル・コラレス島の怪奇侵攻事件、その一部始終/ブレント・スワンサー
ミステリー分野で世界的な知名度を誇る伝説的ライター、ブレント・スワンサーが「日本人がまだ知らない世界の謎」をお届け!
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ミステリー分野で世界的な知名度を誇る伝説的ライター、ブレント・スワンサーが「日本人がまだ知らない世界の謎」をお届け!
ビッグフットやサスカッチに代表される毛むくじゃらで二足歩行の巨大な猿のような生物の報告数は多いが、中には大変奇妙なものがある。今回は、1920年代に人里離れた荒地に出かけた鉱夫とその一行が、自分たちの死を望んでいるかのような野蛮なサスカッチの一団に包囲された事件をご紹介しよう。
この物語の最も正確なバージョンは、当事者であるフレッド・ベック本人の口から語られたものだ。
それは1924年7月のこと。当時、ベックはアメリカのワシントン州南西部にあるセント・ヘレンズ山とルイス川流域の原野で探鉱者をしていた。ある日、彼は他の4人の鉱夫とともに、ヴァンダー・ホワイトと呼ばれる金鉱の採掘権を求めて出かけた。彼らはこの地域で6年間試掘を続けていたが、ベックによると、探検中に深い渓谷を流れる小川の川床や泉のそばで、19インチ(約48センチ)にもなる巨大な人間のような足跡に出くわすことがあったという。
ところがこの時は、足跡の発見に加え、彼ら自身で作った丸太小屋の周りの森から、奇妙な音が聞こえてくるようになった。それは彼らがよく知っている森の自然な音とは異なり、”独特な甲高い口笛 “のように聞こえた。しかも、この口笛は複数の発信源から聞こえてくるようで、少なくとも正体不明の2体の生物が尾根から尾根へと口笛を吹きながら行ったり来たりしていた。たまに「ブーン、ドーン」という音も聞こえ、それがさらに不気味さを増していた。
謎の音は毎晩聞こえるようになり、ある日、ハンク(仮名)という鉱夫がベックと一緒に近くの泉に水を汲みに行った。2人は念のためライフルを持って出かけた。ベックはこのように回想する。
「泉まで歩くと、ハンクが叫んでライフルを構えた。毛むくじゃらの生き物が、100ヤード(約91メートル)ほど離れた小さな渓谷の向こう側、松の木のそばに立っていた。それが木の陰に身をかわし、頭だけ出した瞬間にハンクが撃った。ハンクが3発撃つたびに、木の皮が飛び散るのが見えた。距離がありすぎて見えないだろうと言う人がいるかもしれないが、私は見た。その生き物は、黒褐色の毛で覆われて約3メートルの身長だった。しばらくして、それは私たちの視界から姿を消したが、その後、小さな渓谷を200ヤード(約182メートル)ほど下ったところを、直立姿勢で走っている様子が見えた。視界から消えるまでさらに3回撃った」
2人は小屋に戻ると、興奮気味に他の仲間に何が起こったかを話した。すでに日が暮れており、夜道は危険だったため、探索は翌日まで待つことにした。しばらくして男たちは眠りについたが、長くは続かなかった。真夜中、小屋の壁にドスンという衝撃が走り、小屋全体が揺れ、木片や埃が飛び散った。男たちはすぐに警戒態勢に入り、ライフルをしっかりと握りしめ、その巨大な反響音の後に続く静寂に耳を澄ませた。小屋には窓がなく、ドアから外を覗くのもためらわれ、彼らは永遠に続くかと思われるほど、ただ武器を構えてじっとしているしかなかった。
衝撃音がようやく収まると、彼らは安堵のため息をついた。しかし、壁の隙間を見つけたハンクがそこから外を覗くと、3つの大きな黒い影がうろついているのを確認した。すると直後に再び襲撃が始まり、小屋には衝撃音が響き渡るとともに、壁や暖炉の煙突からも破片が落ちてきた。謎の生き物が明らかに壁を叩いたり、屋根の上を歩いており、もはや完全に包囲された状態だった。男たちは意を決して行動を開始し、ドアと天井から直接ライフルを撃った。ベックはこう回想する。
「あの夜、私たちが銃を撃ったのは、基本的に生き物が私たちのキャビンを攻撃している瞬間だけだ。一瞬だが奴らが静かになると、私たちは撃つのをやめた。そうすれば、私たちは自分たちを守っているだけだと気づいてもらえるかもしれないから。
しかし、奴らが屋根に登ってきたとき、私たちは撃ちまくった。屋根を貫通して何発も何発も。すると今度は、奴らは丸太のドアを押してきた。私たちは二段ベッドから取ってきた長い棒で支えてから、ドア越しに何発も弾を撃ち込んで応戦した。彼らはキャビン全体を押し倒そうとするかのよう押してきたが、キャビンはある程度は頑丈に作られていた。
奴らの攻撃は一晩中、短い間隔をおいて続いた。奴らの1体が壁の隙間から腕を突っ込んできて、私たちの斧の柄を掴んだとき(これは実際にあったことだ)、それを奪われる前に、私は斧の頭を素早く丸太に引っ掛けて取れないようにした。そして生き物が諦めて手を放した隙に、私は斧を安全な場所に置いた」
襲撃が止み、森が静寂に戻ったのは、日が差し始めてからだった。当時はまだビッグフットやサスカッチという言葉が一般的ではなく、男らは謎の生物を「山の悪魔」と呼んだ。その後、ベックは約80ヤード(約73メートル)先の岩棚に獣の1匹が立っている姿を目撃し、ライフルで狙いを定めて撃った。獣は、400フィート(約121メートル)下の岩場に落ちたという。その後、男たちは全ての装備を置き去りにしてでも急いでその場を立ち去った。ベックはその生き物がどのような存在であったか、さらに詳しく次のように語っている。
「背の高さは7フィート(約2.1メートル)ほどだが、もっと大きなものもいる。大きな耳と、筋肉質の体に比例した大きな頭を持っていた。肩幅も大きかったが、腰はスリムだった。毛むくじゃらではなく、猿というよりは巨大な人間のようだった」
ベックによれば、生還後のハンクはすぐに事件のことを人々に話し始め、やがてこの話はニュースを賑わすようになった。これが、ベックが言うところの「1924年の大毛猿狩り」の始まりとなった。イギリスからやって来た大物ハンターをはじめ、生き物を追い詰めるために銃で武装した人々がこの地域に集まってきたという。あまりに多くのハンターが森にやって来たため、彼らを退散させるために警察官やレンジャーも派遣された。その後、ベックが小屋に戻ると、何もかも荒れ果てており、残された大きな指紋を見つけることができたが、血痕や渓谷の底にあるはずの死骸は発見されなかった。
一連の奇妙な話から、やがてこの地域は「エイプ・キャニオン」と呼ばれるようになり、何年にもわたって鉱夫らの話は語り継がれ、多くの脚色も施されてきた。ベックはこう語る。
「ワシントンやオレゴンの新聞には、長年にわたってさまざまな間違いが書かれてきた。たとえば、巨大な岩がキャビンに投げつけられ、屋根を突き破って落ちたと書かれているが、実際はそうではなかった。あの辺りに大きな岩はほとんどなかった。確かに小屋に石を投げつけられたが、それらは小さいもので、屋根を突き破ることはなく、バーンとぶつかって転がり落ちた。暖炉の煙突から落ちたものもあった。私が石で頭を殴られて意識を失ったという話もあるが、これも真実ではない」
同時にベックは、「バックスキンに身を包んだ大きなインディアン」と形容する霊的な存在によって鉱山へと導かれたこと、彼らが遭遇したサスカッチ(もしくはビッグフット)は実は超能力を持ち、霊的な領域と密接な関係があると信じていることなど、意外な主張も始めた。ベックは、サスカッチはもともと異次元的な存在で、肉体となって姿を現す前から、鉱夫のグループを観察していたと信じていた。彼によると、砂州に突然足跡が現れることがあり、それ以外に物理的な痕跡がないのは、サスカッチが次元間を行き来できる証拠だと指摘した。このことについて、彼は次のように語っている。
「人間があのように巨大で歩幅の大きい足跡をつけることはできない。空から何かが落ちてきて、また上っていったとしか考えられない。大昔、ロッキー山脈とカスケード山脈は偉大な文明の中心地だったという話を聞いたことがある。確かに、山岳地帯は霊的な振動に対して特別に敏感だと思う。そして私たち自身、スピリチュアルな波動に対して特別に敏感であるため、おそらく一般的な人よりもあのような顕現(サスカッチ)に接触しやすかったのだろう。
真の意味で、物質世界のすべては顕現だ。われわれが説明することのできない大いなる空虚から意識というものが形成されたとき以来、存在のさまざまな平面や次元が創造され、顕現してきた。時折、私たちは、異なる振動を持つ他の存在を意識することがある。その振動がある周波数になると、彼らは簡単に、一時的に、物体となって現れることができる。進化の本を読んで、人間と類人猿の間のミッシングリンクについての話に何度も触れた。サスカッチたちは、動物でも人間でもない、意識のミッシングリンクなのだ。彼らは私たちの次元に非常に近く、しかも低次元の一部なのだ。
探検だけでは、それらを理解できない。人間が本当の自分について、そして自分が生きる宇宙についてもっと知ることによってのみ得られるのだ。これは、科学のように有限の知性では到達できない境地の話だ。人間は自分自身を見つめ、霊的な力を利用し、霊的な法則を悟り、霊的な心で理性を働かせなければならない。人間は、自分の周りにある小さな殻を破らなければならない。その殻の外側にあるものこそ純粋な生命であり、それは物質的生命よりもさらに上にある、高次のものである」
実際、その後のベックは長い間、ビッグフットやサスカッチは生身の生き物ではなく、むしろもっと異次元的、超能力的、霊的なものであると主張してきた。そのことが、この物語全体にミステリアスな雰囲気を与えている。
ベックは、自分の話はすべて真実であり、決して揺るがないと主張した。鉱夫たちに何が起こり、彼らが見たものは何だったのか? 生身の動物なのか、それとももっと神秘的な何かなのか? そして、なぜその生き物は攻撃的だったのか? 推測するしかないが、エイプ・キャニオンでの一件はサスカッチ遭遇の代表的事例であり続けている。
Brent Swancer(ブレント・スワンサー)
豪ミステリーサイト「Mysterious Universe」をはじめ数々の海外メディアに寄稿する世界的ライター。人気YouTubeチャンネルの脚本、米国の有名ラジオ番組「Coast to Coast」への出演など、多方面で活躍。あらゆる“普通ではない”事象について調査・執筆・ディスカッションを重ねる情熱と好奇心を持ちあわせる。日本在住25年。『ムー』への寄稿は日本メディアで初となる。
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