古代の木造船と夜空の飛行物体が石垣島でつながる…ドキュメンタリー映画「丸木舟とUFO」インタビュー(前編)
沖縄の離島を舞台にしたドキュメンタリー映画に、なぜかUFOが映っている! ちょっとふしぎなタイトルの映画『丸木舟とUFO』の関係者にインタビュー、UFO映像の真相を聞いた。
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沖縄県八重山諸島、石垣島。その北部の久宇良集落には、未確認飛行物体を呼ぶ「UFOおじさん」がいる。 住人の多くがUFOを目撃している久宇良には毎夜、なにが飛来しているというのか?
「出てる、UFO出てるよ!」
懐中電灯の明かりが、数回、夜空に向かって照らされる。その光の先を見れば、満天の星の中、二等星ほどの輝きが複数、じわっと動いていた。
石垣島久宇良集落の有名人、前田末和氏──通称UFOおじさんが呼んだのだ、UFOを。
「撮れました。確認しましょう」
カメラを回していた映画監督の水本博之氏がデジカメのモニターを見せてくれた。
15秒露光のスローシャッターによって「夜空を移動する4つの発光体」が撮影できている。
「毎日、こうして呼んでいるんだ。2005年から、もう18年もやっているんだよ」
UFOおじさんは朝晩の“UFO呼び”を日課にしていて「2〜3機は当たり前で、最大で70機同時に出現したことがある」という。星空に向かって懐中電灯を点滅させることでUFOが大きく輝くなど反応を示すこともあり、コミュニケーションが成立するそうだ。
「雲の上から下に降りてくることもある。去年は家の前にでっかいのが来たんだ。真っ黒いドームをでっかいリングが囲んでいるのだったね。いつかUFOに乗っている人を見てみたいよ」
豪快な接近遭遇体験をこともなげに語る末和さんだが、このときは「今日はちょっと遠いなぁ……」と、接近とはいえない距離感を残念がっていた。
確かに、移動する発光体を肉眼と画像で確認はできた。点滅していなかったため航空機ではないだろう。また、大きく天を横切っていくゆっくりした動きからして流れ星ではないだろうが、人工衛星ではないか、という推測は当然、頭をよぎる。
だがこんな動画も撮影できた。
水本氏のカメラとは別に、私は自分のスマートフォンに単眼鏡をセットし、空に向けて動画を何度か撮影していたのだが、その中の動画に、奇妙な動きをする小さな光が写っていたのだ。
その光は、画面中央に出現、スーッと移動し、停止してからこちらを伺うようにじわじわ動いたあと、画面外に消えていく。最後の軌道はスマホを動かした際のものかもしれないとして、出現から停止までは不思議な動きだ。
単眼鏡をセットしたスマートフォンは置きっぱなしにしてあったので、カメラは動いていない。動き方は直線ではなく、いったん停止することから飛行機や人工衛星ではありえない。
単眼鏡の倍率は80倍。光は相当に小さく、拡大しても形状などの判別は難しい。これでは肉眼でも見えなかったはずの小ささだ。この奇妙な動きをする光こそが、UFOおじさんのいう「遠い」距離のUFOであろうか。
朝晩にUFOを呼ぶUFOおじさんの異星間交流をきっかけに、石垣島北部ではUFOとの遭遇体験を語る人が増えてきた。
久宇良で伝統的な木造船サバニを作っている船大工の吉田友厚氏が聞きこみ調査したところ、
「野底埼の御嶽のあたりでアダムスキー型の円盤を見た。数日後に友だちのお母さんも同じものを見たので間違いない(1987〜89年ごろ)」
「明石から真西、夕方の空にUFOが静止していた。しばらく動かず、窓のようなものまではっきり見えた(2019年)」
「トムル岳の下から竹富島のほうへいろいろな色の光が飛んでいった。物体は見えなかったが、山肌が明るく見えるほどの光だった(1989年ごろ)」
などの体験談が寄せられた。UFOおじさんはUFOそのものだけでなく、UFOや宇宙についての話題、思い出も呼び寄せているのだ。
とはいえUFOおじさんの息子さんなどは「親父は毎日なんかやってるけど、UFOとか異星人とかはわからないよね」というクールなスタンス。「見た/信じる」または「見ていない/どっちでもいい」のどちらにしても、いたって平熱のUFO観が石垣のカルチャーらしい。
石垣島、とくに久宇良集落はUFOホットスポットなのか?
ここで思い出されるのが、2016年9月に発生した「発光編隊」の事件である。沖縄タイムズが報じ、本誌でも紹介した事件の詳細はこうだ。
2016年9月29日、石垣島久宇良から西の海上に強い光を放つ物体=UFOが出現。地元で星空ファーム久宇良を主宰する新垣信成さん含む4名が撮影に成功した。
時刻は午後7時40分ごろ、県道206号線から目撃したUFOは水平線から15〜20度の高度で発光していた。それは10分ほどの対空の間に数を増やし、10分ほどで消えたという。
当時は米軍または自衛隊の照明弾という見解も出たが、新垣さんは「照明弾であれば落とした機体が照らされて見えるはず。それは見えなかった。それに私が撮影したのは5つの発光体だったが、報道ではなぜか4つとして扱われていた」と、撮影後の顚末を訝しんでいる。
さすがに「怖かった」と述懐する新垣さんだが、UFOおじさんの前田さんを含め、石垣島久宇良集落で不思議な発光物体が多いことは間違いない。
UFOはなぜ石垣島に現れるのか?
星空観測が観光資源となるほどきれいな夜空は、わずかに動く光でも確認しやすい。つまり、都市部では気づかないUFOを目撃できる場所といえる。
久宇良集落では、地域の集まりの後、夜空を見上げながらUFOを見るのがほぼ恒例だ。何かが飛来すれば、あれは新型兵器だ、陰謀だと騒ぐことなく、実にほのぼのとUFOを受け入れている。その様子はドキュメンタリー映画『丸木舟とUFO』(水本博之監督)でも描かれているとおりだ。
夜空に舞う発光体が宇宙、地球外からの存在かどうかは、ここでは検証しきれない。今回の取材で痛感したが、なにしろここのUFOは肉眼で見るのがやっとで、カメラに収めることはとても難しい。UFOおじさんの案内がなければ、目撃や撮影はできなかっただろう。
UFOおじさんこと前田さんは「U F O は俺に会いにきてるんだ」と笑う。
冗談めいているが、ある意味でそうだろうな、と、筆者は感じた。
石垣島はじめ八重山諸島は移住者が多い村である。戦後の国策で沖縄本島(琉球政府)または本州から移住者が集まり、土地を開拓し、集落を形成してきた。60歳を超えるUFOおじさんにして移民2世であり、その下の40代もIターン移住者が多い。
つまり、八重山の住人は異邦人……語弊はあるが、エイリアンたちなのだ。石垣島のエイリアン
たちは、遠くからやってきた何者かを受け入れ、ともに生きる文化を持っている。
遠い宇宙の向こうからやってきたUFOとしても、石垣島に根付くエイリアン・マインドに共感を抱いているのではないか……少し、ロマンがすぎる考え方ではあるが。
今後も、久宇良集落にどんなUFOが出現するのか。エイリアン・タウンから届く続報が気になるところである。
<お知らせ>石垣島久宇良集落では、不定期でUFOおじさんによるUFO観測会を実施している。参加希望の方は、久宇良公民館(ufoojsan16@gmail.com)までご連絡を。
松雪治彦
ムー歴は浅めのライター。
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