インドの妖怪チュレルか? 夜道を歩く無気味な 白いヒューマノイドが出現!/山口直樹

文=山口直樹

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    インドの夜道で撮影された全身が白い謎の生物が話題となっている。ネットでは、現地に伝わる伝説の妖怪「チュレル」や、「エイリアンだ」というさまざまな憶測が飛び交っている。はたして、その正体とは?

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    夜道を歩く白いヒト型の生物。

    手足の長いスレンダー幽霊!?

     インド北東部、ジャールカンド州のセライケラ郊外の国道で、夜間に撮影された奇妙な人影の動画が論議を呼んでいる。全身が白く、やせた体型のヒューマノイドで、エイリアン、あるいは幽霊ではないかと騒がれたのだ。
     2021年5月29日に動画をSNSで公開したのは、バイク好きの青年、ディーパク・ヘンブロムさん。ハンドルにスマートフォンを取り付け、前方を撮影していたところ謎の人影に遭遇したという。

     仲間4人(バイク4台)と人気のない夜道を走っていたときのことだった。先頭を行くバイクのヘッドライトに照らされ、道路の左脇を歩く白い人影が浮かび上がった。続く1台は、そのすぐ右横を通り過ぎたが、人影はまったく気にしない様子で、ゆったりと歩いていく。
     そこで、ヘンブロムさんと残る2台のバイクはスピードを落とし、人影の数メートル手前でバイクを停めた。
     ライトに照らされたのは、やせた体で手足が細長いヒューマノイドだった。頭から足まで、全身が白一色。衣服を着て、靴を履いているようには見えない。髪が生えているようでもなく、頭部は普通の人間より小さかった。

     ここでヒューマノイドはようやく足を止め、ヘンブロムさんたちを見た。 そのとき、仲間のひとりが「チュレルだ」と脅えたため、ヘンブロムさんはスマホをそちらに向けてしまい、顔は一瞬しか映らなかった(画像は不鮮明で目鼻や口は判別できない)。すぐにスマートフォンをヒューマノイドに向けると、すでに歩きだしており、約30秒の動画は終わる。

    女幽霊「チュレル」か? エイリアンか?

     チュレルとは、インドに古くから伝わる女性の悪霊である。実際は恐ろしい姿だが、白い服を着た美女に化け、男性の生命力を吸い取るという。この一件があったため、SNSには動画のヒューマノイドを幽霊や妖怪と指摘する意見が数多く寄せられた。
     しかし、それ以上に支持を得たのはエイリアン説だった。姿がエイリアンを連想させたうえ、動画に赤いUFOが映っていたことも影響したようだ。
    UFOを発見したのは、視聴者だ。撮影者を含む3台のバイクが停まったとき、前方を歩く白い人影の上方に赤い発光体が現れ、右方向に動いて消えていたのである。

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    動画の視聴者が発見した赤いUFO。UFOが発見されたことで正体=異星人説があがった。
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    バイクのライトに照らし出されたその姿。全身が白く、肘から指先までが非常に長い。現地に伝わる「チュレル」なのか。

     動画はたちまち拡散され、メディアもこぞって報じた。こうして騒ぎが大きくなると、現場周辺に多くの人々が集まるようになり、当局は「噂に惑わされないように」と呼びかけた。

     一方、地元紙「Alt News」は、ヘンブロムさんを捜しだし、取材することに成功。彼は「白い人影は裸の女性だった」と語ったという。しかし、この発言が公になっても騒ぎは収まらなかった。というのも、まず、白い人影は大人の人間より、かなり背が低いのではないかと推測されたからである。
     バイクがすぐ横を通り過ぎたとき、ヒューマノイドの頭部は、バイクに乗る男性の頭部より低い位置にある。男性の身長が170センチとすれば、ヒューマノイドの身長は約140センチと思われるのだ。
     また、ヒューマノイドが立ち止まって向きを変えたとき、動画は真横からその姿を捉えている。それを見ると、胸にも尻にも膨らみはない。頭から足まで1本の棒のような体型で、大人の女性とは思えないのだ。
     しかも、インド社会は女性軽視や差別が根強く、男たちの集団に女性が暴行を受ける事件も後を絶たない。それなのに女性が、ひとり裸で夜道を歩くはずがない。さらにいえば、5台のバイクに見られても、気にせずに歩いていた。もし本当に人間の女性だったら、悲鳴をあげて逃げようとしただろう。
     こうした推測から、ヘンブロムさんは当局に協力してウソの証言をしたとされ、白いヒューマノイドの正体は、依然謎に包まれている。