超古代スンダランド文明の遺産か!? UFO建築が並ぶ幻の遺跡がスマトラの奥地にあった!/遠野そら
突然、世に現れた複数の奇妙な写真。それはある探検家がジャングルで撮影し、命と引き換えに残したものだという。だが──。そこに写っていたのは、まるで異世界のような光景だった!
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どこの国にも、幽霊が出没したり、不思議な音や心霊現象が発生したりする、いわゆる「幽霊屋敷」が存在する。 それらの現象は、かつてそこに住んだ人間が残した強い怨念が引き起こすのか——? 世界有数の幽霊屋敷の数々を見ていこう。
目次
「西部を征服した銃」と呼ばれたウィンチェスター銃の製造で、莫大な財をなした夫一族の遺産を相続した未亡人サラ・ウィンチェスター。だが、娘と夫に先立たれ、心の隙間を埋めきれない彼女は、あるとき霊媒師からこんな助言を受ける。
「ウィンチェスター家の銃が多くの人々の命を奪ってきたので、一家には呪いがかけられている。アメリカ西部へ行き、銃で亡くなった人たちの霊のために家を建てなさい。家の建設を止めてはなりません。建てつづければ、あなたは生きながらえるでしょう。もし建設を止めれば、あなたは死んでしまうでしょう」
かくして彼女はカリフォルニア州に移住。広大な土地に想像を絶する巨大な屋敷を建て、亡くなるまでの38年間、毎日24時間作業で家を改築しつづけた。霊媒師にいわれたとおり、屋敷内をさまよう亡霊から逃れるには、無数の隠し部屋や秘密通路をひたすら増やしつづけるしかないと信じたからだ。
これがウィンチェスター・ハウスである。屋敷には全体的な構想も設計図も存在せず、増改築はまさに行き当たりばったりで進められていった。
7階建て(現在は4階建て)の建物に最大で500もの部屋が作られ、内部には「どこにも行き着かない階段」や「床に向かって開く窓」「迷路のようなホール」「至るところにある13という数字にまつわる装飾」など、奇妙な空間であふれかえっていたといわれている。
幽霊屋敷とは何だろう。当たり前だが、幽霊が出没するといわれている建築物のことである。
ただし、必ずしも大邸宅を指すわけではない。小さな一戸建てであっても、やはり幽霊屋敷と呼ばれる。また、病院や作業所などでも、廃棄されて怪しげな雰囲気が漂う建物は、基本的に幽霊屋敷といえる。
『英国幽霊案内』というベストセラーで知られるイギリスの作家ピーター・アンダーウッドによれば、幽霊は8つの種類に分けられるという。
◆エレメンタル
◆ポルターガイスト
◆伝統的あるいは歴史的な幽霊
◆精神的な刷り込みの表れ
◆危機や死に瀕したときの幻影
◆タイムスリップ
◆生き霊
◆とり憑かれた無機物
わかりにくいのは「エレメンタル」だが、これは多くの場合「埋葬地に結びついた幽霊」であるとアンダーウッドはいう。その土地や建物に憑いた「地縛霊」のようなものだ。
つまり、幽霊屋敷で目撃される霊は、ほとんどが「エレメンタル」か「伝統的あるいは歴史的な幽霊」ということになる。
いや、霊の存在を否定する者なら「精神的な刷り込みの表れ」――思い込みや勘違いで終わらせてしまうかもしれない。
だが、日本では幽霊屋敷はとても忌み嫌われている。自殺や殺人があった不動産は「事故物件」とされ、入居時に説明が必須とされたり、賃料が値引きされたりする。明らかに「エレメンタル」を意識しているのだ。
一方、イギリスでは事情が少々違っている。由緒ある建物では、歴史上の人物が幽霊として現れるほうが自然とされているのである。こちらはまさに「伝統的あるいは歴史的な幽霊」とでもなろうか。ちなみに、イギリスでは幽霊屋敷が人気物件になることもあり、幽霊が出没する建物は「ホーンテッド・ハウス」「ホーンテッド・マンション」などと呼ばれている。
いずれにしても幽霊屋敷には、そこで亡くなった人の「想い」が強く影響している。本稿では、そのうちの代表的なケースを見ていくことにしよう。
世界で最も有名な幽霊屋敷といえば、イギリスのエセックス州にあるボーリー牧師館だろう。
1863年、この地区に赴任してきたヘンリー・ブルという牧師が大きな館を建てた。彼には12人もの子供がいたため、広い家を欲していたのだ。
じつはこの土地には、よからぬ噂があった。そこにはかつて僧院が建っていたが、あるとき尼僧と修道僧が駆け落ちをして捕まり、レンガを積まれて生き埋めにされたというのである。
だが、ブル牧師はそんな話はまったく気にしなかった。むしろ、出没する幽霊との遭遇を楽しんでいたふしさえある。
彼は敷地内に建てた東屋(あずまや)で、夜明けにレバノン杉の下を散歩する修道女の幽霊を眺めては、娘たちにその様子を語っていたというのだ。
その後、1930年になって、ライオネル・フォイスター夫妻が新たな教区牧師としてボーリー牧師館へやってきた。妻のマリアンはこの館で、次々と無気味な体験をする。
だれもいないのに、どこからか名前を呼ばれた。足音が響き、鉄器、石、糸巻き、杖、石炭などがどこからともなく放りなげられてきた。厨房のテーブルが逆さまになり、寝室の窓が勝手に閉まった。朝起きてみると、枕のまわりに石の山が積まれていた。見えない何者かによって、肩を触られたこともある。
祈りの力で悪霊を追い払おうとしたが効果はなく、反撃するかのように石が激しく降ってきただけだった。
心霊現象におびえながらも、フォイスター夫妻は1935年までこの館で暮らした。その間に、約2000件もの心霊現象が起こったといわれている。
そしてほぼ同時期、超常現象研究家のハリー・プライスが、ボーリー牧師館の心霊調査を始めた。1937年には、プライスは実際に館に住み、そこで起こった心霊現象を徹底的に記録・調査したのだ。のちに、その結果を『英国でも最も幽霊が出る家(The Most Haunted House In England)』『ボーリー牧師館の最期(The End of Borley Rectory)』という2冊の本にまとめ、出版した。
この本がベストセラーになったことで、ボーリー牧師館は有名になり、地元の観光名所となっている。ただし、館は1939年に火事で焼け落ち、1944年には瓦礫も撤去されている。それでもいまだに、観光客の足は途絶えないという。
もうひとつ、イギリスで有名な幽霊屋敷がロンドン塔だ。
正確にいうと、中世にテムズ川岸に築かれた城で、現在も儀礼的な武器などの保管庫、礼拝所として使用されている。
ロンドン塔の建設は、1078年から始まった。約20年かけて天守閣にあたるホワイト・タワーが完成。以降、主に宮殿として使用されてきた。だが一方で、身分の高い政治犯の監獄として、あるいは政敵や反逆者の処刑場としても使われるようになったため、王族や貴族の幽霊が現れる幽霊屋敷だと噂されるようになったのだ。
たとえば、1歳でイングランド王とフランス王に就任したヘンリー6世は、薔薇戦争でエドワード4世に王位を奪われ、ロンドン塔に幽閉された。最期は暗殺者によってめった刺しにされたと伝えられるが、真相は不明だ。そのヘンリー6世の幽霊が、幽閉されたウェイクフィールド・タワーに現れるという。
ヘンリー6世から王位を奪ったエドワード4世が病死すると、今度はエドワード4世のふたりの息子、エドワード5世とヨーク公リチャードがロンドン塔に幽閉され、行方不明となる。
犯人はエドワード4世の弟であるリチャード3世だといわれており、のちにふたりの王子の遺骨が発見された。彼らの幽霊は「塔の中の王子たち」と呼ばれ、身を寄せ合って泣いている姿や、駆けまわっている姿が目撃されている。
そのほかにも、姦通の罪を着せられて斬首されたアン・ブーリンの首なしの幽霊や、命日に白い衣装で現れるイングランド史上初の女王ジェーン・グレイの幽霊など、ロンドン塔には歴史上の有名人がこれでもかというくらいに出現する。
その意味では、まさに世界最大級にして最高級の幽霊屋敷といっていいだろう。
1936年に撮影された有名な幽霊の写真がある。場所はイギリスのノーフォーク州にある、レイナムホールという築300年を超える屋敷だ。
レイナムホールは、それより100年も前から女性の幽霊が現れることで知られていた。
たとえば1835年のクリスマスには、招かれたゲストの多数が茶色のドレスを着た女性の幽霊を目撃。翌1836年にも、フレデリック・メイヤー大佐がランプを手にした茶色のドレスを着た幽霊と遭遇している。
そして1936年に撮影された写真にも、やはり茶色のドレスを着た女性の姿がはっきりと写っていたのである。
それゆえ写真の女性は「褐色の貴婦人」と呼ばれている。雑誌「ライフ」でも取りあげられ、たちまち世界で最も有名な心霊写真となったのだ。
女性の正体だが、メイヤー大佐は屋敷に飾ってあるドロシー・ウォルポールの肖像画とそっくりだったと証言している。彼女はある政治家の2番目の妻だったが、ほかの男性と密通。怒った夫によって、死ぬまでレイナムホールの一室に監禁されていたという。
あるいは何者かに殺されたともいい、その恨みを抱えた彼女が「褐色の貴婦人」となって、いまも屋敷内をさまよっているらしいのだ。
アメリカ、ニューヨーク州アミティヴィルのオーシャン・アベニュー112番地。ここにはホラー映画『悪魔の棲む家』のモデルになった家がある。
1974年11月13日、地下室に引きこもっていた23歳の息子ロナルド・デフェオ・ジュニアが、両親と4人の兄弟姉妹をライフルで射殺するという事件が起こった。その後、ロナルドは自ら警察に通報。取り調べでは「家に家族を殺すように命じられた」と証言したのである。
それから1年後、格安で売りに出されていたこの家を、ジョージ・ラッツが購入。妻キャシーと3人の子供とともに引っ越してきた。
事件のあらましは聞いていたが、「家は人を殺さない」というジョージの言葉で、一家は家の購入を決めたのだという。
だが、そんなラッツ一家を次々と霊現象が襲った。
「この家に住んでいる間中、ずっと得体の知れない怪奇現象に脅かされていた」とコメントし、一家はわずか28日で家から出ていくことになるのだ。
その間、何が起こったのかは映画でも詳しい。詳細は避けるが、ロナルドがこもっていた地下室を書斎にしたジョージは次第に精神に異常をきたし、「家の命令」でいつしか家族の惨殺を考えはじめるのである。
ちなみに、映画化のきっかけは、1977年にジェイ・アンソンが小説『アミティ・ビル・ホラー(The Amityville Horror)』で、この家にまつわる恐怖のストーリーを描いたことだった。
以来、この家には多くの観光客が押し寄せるようになる。最近では、2010年に日本円でおよそ1億円で売りに出され、まもなく買い手がついたという。
なお、地下室はすでに取り壊されているようだ。
アメリカといえば、ホワイトハウスも幽霊屋敷として有名だ。大統領が居住し、執務を行うこの建物は、アメリカ政府の中枢でもある。そんな場所に、複数の幽霊が出没するというのだ。
代表的な例が、第16代大統領リンカーンの幽霊だ。
最初の報告者は、第30代大統領カルビン・クーリッジの妻、グレースだった。彼女は大統領執務室で、窓からポトマック川をじっと見つめるリンカーンの姿を見たというのである。
1942年にホワイトハウスに宿泊したオランダ女王ウィルヘルミナも、リンカーンの幽霊と遭遇している。
その夜、寝室にいた彼女は、部屋に近づく足音とともに、ドアがノックされる音を聞いた。そこでドアを開けると、正面にフロックコートにシルクハットという、おなじみの姿のリンカーンの幽霊が立っていた。ウィルヘルミナは恐怖のあまり、その場で失神してしまったという。
また、イギリス首相のウィンストン・チャーチルも目撃者のひとりだ。
チャーチルはその夜、風呂から上がるとトレードマークの葉巻をくわえたまま、寝室まで歩いていった。すると暖炉のそばに、正装したリンカーンの幽霊が立っていたのだ。チャーチルは思わず葉巻の灰を叩いて落とし、「こんばんは。大統領閣下」と挨拶した。するとリンカーンの幽霊は、微笑みながら静かに消えていったという。
リンカーン以外の幽霊だと、古くは第2代大統領ジョン・アダムスの夫人の霊がそうだ。
ホワイトハウスは1800年、アダムス大統領の時代に完成した。だが、1814年の米英戦争でイギリス軍の焼き討ちに遭い、灰燼に帰してしまった。その後、焦げた壁を隠すために白く塗りつぶされたのが、ホワイトハウスという名前の由来だというのは有名な話だ。
アダムス夫人は、そんなホワイトハウスを毎日のように熱心に掃除していたという。驚いたことに彼女は死んだあとも掃除をやめず、しばしばその姿が目撃されたのである。
同じアメリカのニューヨーク市マンハッタンにあるチェルシー・ホテルは、ジミ・ヘンドリックスやボブ・ディランなど、ロックミュージシャンが好んで滞在したことで知られる。
だが、1978年10月13 日、同ホテルの100号室で残虐な殺人事件が発生した。この部屋で暮らしていたイギリスのパンクバンド、セックス・ピストルズのシド・ヴィシャスの恋人ナンシー・スパンゲンが、ナイフでめった刺しにされて殺されたのである。
凶器のナイフがシドの持ち物だったことから、犯人は麻薬で錯乱したシドだと見られた。だが鑑定した医師は、犯行時刻には、シドは麻薬の過剰摂取によって昏睡状態に陥っており、殺人を行うことは不可能だったはずだと証言。
シドは警察に逮捕されたが、多額の保釈金が支払われて釈放される。そして翌1979年2月2日、またしても麻薬を過剰摂取した彼は、そのまま死んでしまったのである。
その後、同ホテルの100号室は、シドを崇めるファンたちによって「巡礼地」扱いされるようになった。困惑したホテル側は部屋を取り壊してランドリーに改造。部屋番号も欠番にして事態の収束をはかろうとした。
ところがしばらくすると、同ホテルにシドの幽霊が現れる、という噂が立ちはじめる。
支配人によれば、シドの幽霊がエレベーターのボタンを押すので、そのたびに勝手にドアが開閉してエレベーターが停まってしまうというのだ。
また、チェルシー・ホテルにはほかにも幽霊の噂がある。
ウェールズの詩人ディラン・トーマスは、同ホテルの206号室で酒を大量摂取して倒れ、移送先の病院で亡くなった。その彼の幽霊が、206号室周辺でしばしば目撃されるのだ。
あるいは、タイタニック号の犠牲となった夫の死を悼み、同ホテルで首つり自殺したメアリーという女性の霊が、のちに写真に撮られたこともある。
チェルシー・ホテルは、ニューヨークでも有数の心霊スポットなのである。
(月刊ムー2018年7月号掲載)
中村友紀
「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。
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