「契約の聖櫃」は究極兵器だった! 聖書の記述から聖遺物の実像を考察/嵩夜ゆう
『旧約聖書』に登場する契約の箱。モーセが与えられた十戒の石板を収めた聖なる遺物だが、聖書の記述を細かく検証すると思いもかけない正体が浮かびあがってきた!
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契約の聖櫃が超エネルギー装置であるという考察に続き、そのエネルギーの活用法を考察。その答えは大ピラミッドにある!
前編はこちら https://web-mu.jp/history/11112/
アークがエジプト由来の「放射線発生装置」だったとしたら、なぜモーセはそれを国外に持ちだしたのか。
その答えは簡単だと筆者は考える。
モーセは古代イスラエルの民を救い、新国家を築こうとしていた。いわばエジプトに対するクーデターだ。その際、その国におけるもっとも重要なコアテクノロジー、なかでもエネルギーに関するテクノロジーを持ちだすのはきわめて順当だ。さらにいえば元の国に、それを使わせない状況を作れれば、クーデターの成功確率は高まる。
アークはこの論法において、ベストな選択だったのである。
だがそうなると、次の疑問が生まれてくる。モーセがシナイ山から十戒の石板を持ち帰り、それをアークに収めるように神から指示されたことには、どのような意味があったのか。もっといえば、シナイ山とは何だったのか、ということである。
シナイ山は、シナイ半島南部の山岳地帯にあったとされる。ただしそこは、当時のエジプトから簡単に行けるような場所ではなかった。また、複数の文献で語られるシナイ山の特徴は、現在のそれとはほとんど一致していない。そのため、本当のシナイ山はどこにあったのかということが、しばしば聖書研究家によって議論になっている。
結論からいおう。
本当のシナイ山とは、今では世界のだれもが知っているエジプトの巨大建造物、すなわちギザの大ピラミッドだったのである。
その根拠として筆者は、古代エジプト象形文字、ヒエログリフの「日没」に注目する。なるほど、山と山の間に太陽がある。日没を表す表現としては正しい、とわれわれは考えてしまう。
だが、エジプトの西にはこのような綺麗な山は存在しない。
ならば、これは何を表しているのか。簡単である。ギザの大ピラミッドと、カフラー王のピラミッドとされているふたつのピラミッドだ。
また、太陽がない場合、文字の意味は「山」となる。
このことはきわめて重大な意味をもつ。すなわちヒエログリフが成立した時代、すでにそこには大ピラミッドがあり、しかも山と表現されるようなものだったのである。ピラミッドは、ヒエログリフの発明よりも前、古代エジプト文明誕生以前からギザの大地にそびえたっていたのだ。
秘密を知っている者は、歴代の王と少数の神官だけであったと考えられる。彼らが伝える秘密のなかには、ピラミッドの機能や構造にかかわるものも含まれていたことだろう。
では、なぜその大ピラミッドで十戒の石板が与えられ、アークを作るように神から命じられたのか。
もちろんこれは、比喩だ。正確には、大ピラミッドの内部から、モーセによってアークが持ちだされたのである。
そのような証拠がどこにあるのか、と読者は思われることだろう。じつは、もともとアークが置かれていたと思しき場所が、大ピラミッドのなかにいまも存在しているのである。
大ピラミッドの内部にはいくつかの空間があるが、そのなかに「王の間」という部屋が存在する。
現在、王の間は壁などの修繕が施され、かつての姿は残っていない。だが、現存するもっとも古い王の間の写真の一枚を載せておいた。現在の写真と比べていただければ、壁の落書きや石棺の位置がまったく違うことがおわかりいただけるだろう。
とくに壁の状態はひどく、大ピラミッドの内部がいかに荒らされていたかがよくわかる。にもかかわらず、石棺だけは持ち去られなかった。
長さ約1977ミリ、幅約677ミリ、深さ約872ミリの石棺は、いまも王の間に存在している。そしてじつはこの石棺のサイズこそが、アークがそこに納められていた証拠となるのである。
横幅はアークの1.5アンマとほぼ一致し、長さは担ぎ棒を取り外しするために十分なものである。真横が旧来のアークの正面だと考えれば、この台座の設計は理想的な比率といえる。
そして何よりも重要なのは、この場所に放射線発生装置としてのアークがあることで、ギザの大ピラミッドがただの石造りの建造物ではなく、一種の巨大エネルギー装置として機能していたということだ。
下の3Dグラフィックは、精密重力計による大ピラミッドの内部構造である。真上から重力を計測していくと、現在明らかになっている以外の空間が対称の位置に存在し、なおかつモーメントゼロ、すなわち重心中心が完全に大ピラミッドの中央に位置していることがわかる。サーモグラフィーでの計測結果も同様で、密度的にいびつな点はまったくないのだ。
この計測結果を考えると、大ピラミッド内部における最大構造物ともいえる大回廊と王の間、王妃の間、重量軽減の間は、少なくともわれわれが知っている空間のほかに3つ存在しなければならない。そうでなければ、この計測結果の説明がつかないのだ。
またこの構造は横から見ると、4つの王の間と重量軽減の間、大回廊が折り重なるようにらせん状で存在している、ということになる。
では、この4つの構造体は、具体的にどう機能していたのだろうか。
近年の調査によると大ピラミッドの地下の間には、ナイル川から水が引かれていた形跡があり、さらに何度も井戸を掘り返した痕が見られる。
この水がきわめて重要な役割をはたしていたと、筆者は考える。水がこの場所に引きこまれることで、ピラミッド装置の稼働スイッチとなるからだ。
大量の水は、大ピラミッドの中心に今も存在している謎の熱源によって暖められ、水蒸気になる。大回廊はその水蒸気を効率よく運ぶためのものだ。
もちろんそれだけでは、ただの水蒸気発生装置でしかない。しかし、地下の水を気化させることで、大ピラミッド上部に確実に水分子を送りこむことは可能になる。これが重要なのだ。
下の図を見比べてもらえればわかるように、大ピラミッド内部の構造は、現代の蒸留装置と同じだ。
そして、4つの王の間で囲まれた中央の空間に押しこめられた水蒸気は、王の間に設置されているアークのもとにたどりつく。そこで放射線があてられ、三重水素という同位体を生みだすのである。
結果、大ピラミッド上部にはトリチウムが蓄積する。その物質を、現在では使うことができなくなってしまった外側のらせん傾斜路から作業員が上っていき、取りだすのである。
このように大ピラミッドはシナイ山であると同時に、巨大な原子力蒸留路でもあった。そのコアとなるものが、アークだったのである。当然、このようなテクノロジーが古代エジプト文明で誕生したとは思えない。本稿では紙幅の都合で省略するが、そのルーツはアトランティスにもつながる、超古代文明に由来するはずである。
またそうであるなら、シナイ山に登ったモーセの顔が光り輝いていた、という記述も説明できる。
下記の黄金のマスク。これこそまさにシナイ山から下りてきたモーセの姿なのである。黄金のマスクは、装飾やファラオの不滅の象徴ではなく、ファラオが太陽のエネルギーの根源たるトリチウムを、天から地上にもたらすときの姿だったのだ。しかも、トリチウムはそれ自体が光り輝く物質であると同時に、核融合に使用できる物質でもある。いうまでもなく太陽の熱源は、核融合だ。大ピラミッドは、真の意味で太陽そのものといっても過言ではないのである。
古代エジプト人は間違いなく、そのことを理解していた。問題は古代エジプトに、核融合を利用した形跡が見つかっていないということだろう。
だがそれは、前述したように大ピラミッドの建造が古代エジプト文明以前だったとすれば解決する。トリチウムの生成プロセスは、超古代文明の時代に作られたテクノロジーで、古代エジプト人はその残滓(ざんし)を理解できる範囲で使用していたものと考えられるからだ。
「エジプシアンブルー」と呼ばれる、古代エジプトを象徴する独特の青い塗料がある。近年の研究によりこの塗料が、可視光線を紫外線に変えることで現代のどんな素材よりも光を反射する、きわめて高度なテクノロジーで作られた人工塗料であることがわかった。
そしてこの塗料の周囲にトリチウムを配置すると、エジプシアンブルーで塗られたところはすべて青白く光り輝き、トリチウムは綺麗なグリーンに輝く。このことを考慮して古代エジプトの天井壁画を見ると、壁全面が照明になるのである。
さらにトリチウムから発せられた可視光線は、石造りの神殿を夜でも暖かくすることができる。
古代エジプト文明の外壁は照明であり、冷暖房装置でもあったのだ。彼らはこうして、超古代文明の残滓を活用し、豊かなエネルギーを享受していたのである。
そして、その豊かな生活を保証していたエネルギー源が、失われたアークの正体なのだ。
放射線発生装置だとすれば、ペリシテでアークが起こした奇跡について、それが、放射性物質の被害に酷似していることも納得がいく。
しかしエリコの城壁を破壊し、水を割るという奇跡は、放射性物質を用いても不可能のように思える。
だが実際には、これらもウランを使用した兵器で説明がつくのである。
放射線には石のミネラル分を破壊するという性質がある。つまりエリコの城壁崩壊は、基礎の弱い部分に対して放射線を集中的に7日間にわたって当てられつづけたことによる、一種の疲弊破壊なのである。
では、ヨルダン川の水についてはどうだろうか。
川には、比較的浅い場所が存在する。その中央にアークを運びこみ、燃料棒を露出させれば膨大な熱が発生する。結果、川の水は部分的に蒸発してしまうのである。そしてアークが引きあげられた時点で、エジプト軍は水没し、壊滅したのだ。
さて、いよいよ紙幅が尽きてきた。
われわれの興味の中心はやはり、失われたアークはどこにあるのか、ということだろう。エチオピアの教会説、カーバ神殿の地下説など候補地はあるが、捜しだすことは難しい。
だが本稿で紹介したように、アークは大ピラミッド内に4つ存在したはずである。そして残りの3つの空間は、未だ開けられた痕跡はない。すなわち残り3つのアークは、今も内部に存在しているはずなのである。近い将来、想像もつかないようなスキャン技術が開発されたとき――3つのアークは、われわれの前に姿を現すことになるだろう。
(月刊ムー2021年4月号より)
嵩夜ゆう
投資家。オカルティズム研究家。イルミナティカード予言研究にも詳しい。
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