新島「海難法師」から探る伊豆諸島のタブーとは? 恐るべき来訪神を鎮める儀式の謎/松雪治彦
伊豆諸島のタブー風習「海難法師」は、悪霊ではなく神を迎える儀式だったーー。新島取材を軸に、タブーの背景を考察する。
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世界各地で報告されているテレポート(瞬間移動)やバイロケーションの事例。古い記録では今から約430年前。フィリピン・マニラの衛兵が、メキシコシティに現れたというものがある。フィリピンからメキシコまでは約1万4000キロ、当時は船で約2か月もかかる距離であったことから、脱走兵として収監されていたようだーー
メキシコ・フランシスコ教会の記録によると、男の名はヒル・ペレス。当時スペイン領だったフィリピン・マニラの総監邸の衛兵であったという。当時、マルーコ(モルッカ)諸島遠征に着手していたスペイン軍の総監であったゴメス・ダスマリニャスが、中国人漕手の反乱で暗殺されたことから、ペレスは新総監の任命を前に官邸の護衛にあたっていたそうだ。
事件が起きたのは暗殺翌日の1593年10月25日午後。少し疲れを感じたペレスは、休憩を取ることにした。壁に寄りかかりながら目を閉じ、ふと開けると、なんと見覚えのない場所に立っていたというのだ。
ペレスが立っていたのは同じスペイン領であったメキシコシティのマヨール広場。銃を携行し、フィリピン駐在スペイン兵の制服を着ていたペレスを街の人々は物珍しげに眺めていたが、すぐにメキシコ親衛隊の目に留まることになる。
ペレスは彼らの尋問に対し、自分がフィリピン・マニラにある総監官邸で警護にあたっていたこと、気がついたらマヨール広場にいた事などを説明したが、到底信じられるものではない。
しかし同じスペイン領であったフィリピンのダスマリニャス総監の死については、無視できるものではなかったのだろう。ペレスはスペイン帝国副王領であったヌエバ・エスパーニャの副王ルイス・デ・ベラスコペレスにも謁見し、そこでもまた身に起きた不可思議な体験を語ったのだ。
ペレスは20年以上も兵士としてスペイン国王に仕え、忠誠心があり実直な人柄であったことから、副王には嘘をついているようには見えなかったという。そこで副王はペレスを教会の審議にかけることとし、『悪魔の手先となった脱走兵』としてサントドミンに収監したのだ。
ペレスはそこでの生活を「(マニラでの)異教徒との争いがなく、屋根があり食料もある生活は快適だ」と語っていたことが記録に残されており、模範囚だったようだ。
それから約2ヶ月後——。マニラからアカプルコに入港したスペイン船の乗組員から、スペイン軍がマルーコ諸島の遠征に失敗したこと、そしてダスマリニャス総監が暗殺されたというニュースが飛び込んできたのだ。
それらはすべてペレスの主張と一致していたことから、乗組員と面会させたところ、彼がマニラで総監邸宅の警護にあたっていたスペイン兵であり、10月25日以降、行方がわからなくなっていた人物であることが証明されたのだ。
これにより無実が立証されたペレスは、マニラへと帰還し、再び官邸の護衛の勤務に戻ることができたという。
ヒル・ペレスの不思議な体験は、フィリピン独立運動の指導者でもあったホセ・リサールも史実として記録を残しており、メキシコのみならず、フィリピンでも有名な話のようだ。
現在では、ペレスのことを「座標を間違えてタイムトラベルした未来人」や「エイリアン・アブダクションの被害者」の他、「フィリピンにおけるイスラム支配地域を汚したことで精霊の怒りを浴びた」など、様々な説が提唱されている。しかし最も不思議なのはフィリピン・メキシコともに10月25日に出現している点だろう。
ペレスが出現したメキシコシティのマヨール広場(現・ソカロ広場)は、古くはアステカ神殿があった聖域であり、オーパーツとされる太陽の石や、神話の女神・コアトリクエが出土したのもここだ。
メキシコでは古くから科学では説明のつかない、謎めいた事象が数多く報告されているが、メキシコシティ中心部は、ミステリースポットといっても過言ではないだろう。
1531年には黒髪に褐色の肌をしたマリア「グアダルーペの聖母」が出現しているが、この土地に何か関係があるのだろうか。もしかしたら、メキシコシティには次元を結ぶポータルがあるのかもしれない。
遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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