たった一夜で全住民が姿を消し、誰も住めなくなった呪いの現場! インドに伝わる恐怖の村伝説を追う
一夜にして村民全員が姿を消した村があるという。村からの“夜逃げ”の直前、人々はこの村には二度と人が住めないように呪いをかけたというのだ――。
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今、全英が震える最恐の呪物。一見すると何の変哲もない少女の絵画に過ぎないが、手にした者は数々の怪奇現象に襲われるという――!
ロンドン市内にある人気観光スポット、「ロンドンブリッジ・エクスペリエンス」は、歴史をテーマにホラー要素を盛り込んだイマーシブ(没入型)アトラクションだ。マネージャーのジェームズ・キスリングベリー氏は、常に展示をアップデートして世界中から訪れる観光客はもちろん、地元の人たちも飽きさせない努力を続けている。そんな彼を襲った「呪いの絵」騒動が話題だ。
現地報道によると、キスリングベリー氏が「見る者の不安をかき立てるような表情をたたえた少女」の肖像画について知らされたのは、スタッフからの報告だった。秋からのイベントで使う新しい小道具をオークションサイトeBayで探していたところ、この肖像画が1,600ポンドで売りに出ていた。ひと目見てすっかり魅了されたキスリングベリー氏は、さっそく出品者に連絡を取り、買い取ることを前提としてまず実物を見たいと申し入れたという。
何日かして、キスリングベリー氏はイースト・サセックス州セント・レナーズ・オン・シーにある「ヘイスティングス・アドバイス・リプレゼンテーション・センター」というリサイクルショップに向かった。
ショーウィンドーに飾られている絵には、「また戻ってきました。2度売れて2度返品された絵を買う勇気はありますか?」という注意書きが貼られていた。1,600ポンド(約29万円)という価格は小道具としては高価だが、この絵は理想的な展示品に感じられたことから、即座に購入を決意したという。だがこの時、すでに絵のほうで自らの新しい持ち主を決めていたのかもしれない。
絵を購入すると、すぐに怪異は始まった。キスリングベリー氏は「DAILY STAR」紙に次のように訴えている。
「帰り道で車が故障してしまったのです。電気系統の調子が悪くなり、ラジオも聞こえなくなって、電話も繋がらなくなりました。なんとか戻って絵を車から取り出し、包装紙とボール紙をはがすと、少女の額の部分に水滴が付いていました。しっかり包装されていたし、移動中に水がかかるような状況ではなかったのに」
何かおかしいとは思ったが、その時点では絵に対する興味のほうがはるかに勝っており、壁に飾ってみても、イメージ通りだったという。しかし、怪異はすぐに激化し、施設のあちこちで立て続けに異変が起き始めたという。
「絵を飾ってから数日経った頃、複数のスタッフから、吹き抜けの階段で自分を追いかけてくる足音が聞こえたという報告がありました。実は、私も同じ経験をしています。下の階から大きな音が聞こえることもありましたが、原因はわかりませんでした」(キスリングベリー氏)
さらに施設内のカメラやテレビが相次いで故障し、Wi-Fiも使えなくなった。来てもらった業者にも、原因がさっぱりわからなかったという。
また、絵を飾り始めてから数日後、キスリングベリー氏はほんの些細な原因で鎖骨を負傷した。さらにスタッフのシャノン・フェイガンさんは、黒いスカートを履いた幽霊を目撃。アトラクション内のバーでも、飾ってある手錠が不可解に揺れ、謎の人影が目撃されるようになった。
ちなみにこの人影には「シャドウマン」というニックネームが与えられている。そして、絵の近くで誰かに見られているような気がしたスタッフが確かめると、絵の中の少女の視線に追われていたこともあった。
連続する怪奇現象に恐れをなしたキスリングベリー氏は、この絵の歴史について詳しく調べてみることにした。
問題の絵の作者は不詳で、前述の通り過去に2度返却されている。
最初の持ち主となった女性は、わずか25ポンド(約4,500円)で絵を買い取ったが2日後に返品した。店長に「言葉で説明できない独特の雰囲気がある」と語っていたという。
その後、店長は「呪物である可能性あり」という注意書きを付けて絵をショーウィンドーに戻した。すると、すぐに別の女性が購入したが、またも返品されてしまった。「こんなひどいものは2度と見たくない」と言っていたという。女性は言い知れぬ恐怖を感じていたようで、「目に見えて体が震え、絵に苦しめられていることは明らかな状態」だったとのこと。
しばらくして店長は絵をオークションサイトに出品したが、そこにキスリングベリー氏が現れ、ロンドンブリッジ・エクスペリエンスに飾られることになったというわけだ。
怪奇現象は今も続いており、絵をまっすぐ見ようとしないスタッフもいるが、これほどの事態にもかかわらず、絵を処分しようという関係者はひとりもいない。もはやスタッフも異常な状況に慣れつつあるようだ。
なお、ロンドンブリッジ・エクスペリエンスは、この絵をコンテストの賞品にする予定だったが、明らかに発生する数々の怪異を見ず知らずの人に押し付けるのは無責任と判断、そのまま飾っておくことに決めた。今後の予定について尋ねられたキスリングベリー氏は、こう答えている。
「歴史的に、ここは多くの異常な出来事が起こってきた場所でもあるので、こうした絵にとってふさわしい場所なのだと思います。このまま落ち着いてくれればいいのですが……」
イギリスで“呪いの絵”といえば、「泣く少年(クライングボーイ)」と呼ばれる大量生産型のアートが有名だ。赤ちゃんから小学生くらいの年齢の男の子が涙を流して泣いている構図で、イギリス国内のごく普通のスーパーとか、ホームセンターで売られているが、この絵が飾られている場所で不審火が起きた事例が異常なほど多いという。少女の絵と「泣く少年」をよく見比べると、絵筆のタッチやそこはかとない陰鬱さなど、両者に通じる部分があるように思える。
ただし「クライングボーイ」に関しては大量生産品のため、1枚1枚にバックストーリーがあるわけでもなく、厳密に言えば呪いとは異なるだろう。また、「クライングボーイ」の話には都市伝説的な響きが否めず、ここで紹介した少女の絵こそ本当の意味での呪物といえるかもしれない。
ジェームズをはじめとするスタッフは、毎日のように呪物のパワーを体感している。今のイギリスで最も新しく、最も話題になっている“本物”の呪物を目の当たりにしたいなら、行くべき場所はロンドンブリッジ・エクスペリエンスで決まりだろう。
【参考】
https://www.thesun.co.uk/news/24369256/terrifying-cursed-painting-wreaks-havoc-tourist-attraction/
宇佐和通
翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。
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