開けるな! 災いの扉、災いの箱/黒史郎・妖怪補遺々々
開くから〝災い〟があるのか? 災いが〝開かせる〟のか? 各地に伝わる、開けてはならないものを補遺々々しましたーー ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去ら
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珍スポ巡って25年、すべてを知る男による全国屈指の“珍寺”紹介。今回は青森県津軽地方の死者供養について。婚礼人形の奉納に秘められた悲しい思いとは?
津軽地方では若者や子供が亡くなった際に石の地蔵を奉納する習俗があった。今でも路傍の地蔵堂や賽の河原と呼ばれる霊場などに行くと、着物を着た地蔵が並んでいる光景を目にする。
近年では地蔵の代わりに婚礼人形を奉納するようになった。未婚で亡くなった若者や子供を憐れんで仮想の結婚式の様子を人形で再現したものなのだ。
この習俗はつがる市の弘法寺で始まったものと言われているが、最も多くの人形が奉納されているのは五所川原市の川倉賽の河原地蔵尊である。
誰もいない人形堂に延々と並ぶ無言の婚礼人形を見ているといたたまれない気持ちになって来る。それは不気味さ、というよりも子を亡くした親の気持ちが痛いほど伝わってくるからである。
小嶋独観
ウェブサイト「珍寺大道場」道場主。神社仏閣ライター。日本やアジアのユニークな社寺、不思議な信仰、巨大な仏像等々を求めて精力的な取材を続けている。著書に『ヘンな神社&仏閣巡礼』(宝島社)、『珍寺大道場』(イーストプレス)、共著に『お寺に行こう!』(扶桑社)、『考える「珍スポット」知的ワンダーランドを巡る旅』(文芸社)。
珍寺大道場 http://chindera.com/
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