君はオルタナティヴなイタコに口寄せを頼んだことはあるか?/大槻ケンヂ「医者にオカルトを止められた男」新7回(第27回)
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ロバート・O・ベッカー ゲイリー・セルデン 著
現在の再生医療に一石を投ずる一書
オオサンショウウオのような一部の生物は、身体の一部を切断されても、それが自然に再生することで知られている。そしてどうやらその再生メカニズムには、生体内を流れる電気が関わっているらしい。この事実に着想を得た著者のロバート・O・ベッカー博士は、30年におよぶ研究の末に、電気を用いたある種の細胞の「脱分化」実験に成功する。
かくして博士は再生医療の分野で大きな足跡を残すとともに、生体に対する電磁波の悪影響にも警鐘を鳴らした。惜しくも2008年に逝去されたが、その業績により2度、ノーベル賞候補にノミネートされている。
本書は、そんな博士の長年の研究の集大成。原書の刊行は1985年であるが、日本に紹介されるのは今回が初。博士の業績があまり知られていなかったのは、電磁波の害を説いたために医学界・産業界から目の敵にされたことも一因らしいが、監訳者によれば「本書を読む価値は極めて高」く、「少なくとも医療に関わる人間にとっては必読書」である。
監訳者のケイ・ミズモリ氏は、すぐ下でご紹介している、『≪反重力アパジー≫秘密開示』の著者でもある(同一人が、本欄の同じ号に2度も登場されるのは極めて珍しく、いかに著者が精力的に活動されているかの証左でもある)。
2段組で400ページ強と、非常に読みごたえがあり、医療従事者ならずとも、現在の再生医療に一石を投ずるとして無視し得ぬ一書である。

(月刊ムー 2026年06月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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