自分の車で3度も轢かれた話など/南山宏のちょっと不思議な話
「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2024年5月号、第481回目の内容です。
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今回は、九州のある地域に代々伝わるという「洞呪術」の継承者で、幼少期から祓い、鎮め、浄め、拓き(開運)を修めてきた「き りん」さんに取材。まじないをするときの心得と、初心者にも簡単に実践できるまじないを伝授してもらいました。
龍神山岳信仰に由来する「嶽啓道」唯一の継承者で、「まじない屋きりん堂」を主宰するき りんさん。女性から女性へと口伝で継承される術だそうで、その記憶力にも驚かされます。 「まじないは時代に即したものであれ、と教えられたので、道具は工夫して検証して探っていきます。実験のくり返しです」 その人のルーツをたどることも、ときには必要になるとか。 「ある芸能人に相談されたとき、先祖をさかのぼったらイギリス人が出てきました。そこでバテレン法を使ったら、スパッと霊障がとまりました」 生年月日も、まじないや占いには重要な要素です。 「個人の器は、船にたとえることができます。生年月日で船の形が決まるのですが、大型船の人もいれば、カヌーくらいの人も。大きい船がいいとは限りません。小さい舟は小回りがききます。その人が生きていく環境で動きやすいのがベターです」 起業して成功したり、人を巻き込んで大きな案件の仕事をしている人は、たぶん大型船の人生なのでしょう。 船には「運玉」と呼ばれる、その人の持つ運のエネルギー体が乗っているそうです。運玉同士のクッション剤になっているのが「霊氣」だとか。 「金運、人財運、健康運などいろいろありますね。生来の運を使いこなせていたら、その人らしい生き方になります。でも、自分の持っている運氣を生かさないと、運玉は寂しがってすねてしまうんです」 「人財運」をたくさん持っていた某有名音楽プロデューサーは、お金ばかりを追い求めために人財運の運玉がひび割れてしまい、船も壊れて運氣が下がってしまったとか……。自分の顔など、見える部分だけケアしている場合ではなく、運玉も磨かなければ、と思わされました。 「金運だけを求めると、逆に他の運玉を傷つけて、運が低下することも。運玉がすねると貧乏神になってしまいます」 まるでゲームの設定のようですが、運玉は大事です。じつは私の運玉も人財運がメインだとか……。投資に不勉強なまま大金を投じたため、損益が膨大になったのは、金運だけを求めたからだと反省。運玉に即した生き方を心がけます。
辛酸なめ子
漫画家、コラムニスト。芸能界から霊能界、セレブから宇宙人まで独自の視点で切りこむ。
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