神話や錬金術の神秘を詰め込んだ多層シンボル占い「グランジュ・ルノルマン・カード」の魅力/R.M.Bijou
19世紀フランスという激動の時代に生まれた「グランジュ・ルノルマン・カード」占いに、待望の日本語解説書が登場! 日本でほぼ唯一の「グランジュ」使い、赤魔導士Bijouがその世界を解説する。
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ドニ・モンタニョン 著 いぶきけい 訳
隠秘学の基礎教養78項目を収録の百科全書
この邦題だけを一見すると、すわ「引き寄せの法則」のような、よくあるスピ系か、と身がまえてしまうが、さにあらず。原題を見ると、「秘密の教え」とはl’ésotérisme、すなわち「秘教的な神秘思想」のこと。しかも本書は、l’ésotérismeの語源や定義から、懇切丁寧に説き明かす、正統派の隠秘学の教科書なのだ。
内容は、錬金術からサン・ジェルマン伯爵、予言の原理、古代の神託に天動説、手相や占星術など各種占術、降霊術に悪魔崇拝、シャーマニズムと変性意識、魔術に魔女術、護符と天使学、輪廻転生に吸血鬼、秘儀参入と秘密結社、スーフィズムに神智学、メスメリズムから果てはUFOに至るまで、本誌の読者なら基礎教養として押さえておくべき「秘密の教え」が、なんと78項目も収録されている。まさに、小さな百科全書。
さらに特筆すべきは、その装幀。文庫本程度の判型だが、いわゆる「天金加工(三方金)」と呼ばれる加工で、天地小口の三方に金箔を施した豪華絢爛な仕上げ。表紙・裏表紙ともに、ブランド品の化粧箱のような贅を凝らした造りで、この本自体がひとつのジュエリーのよう。愛書家の所有欲をむくむくと掻き立てる、垂涎の書となっている。
この内容、この装幀の、至宝ともいえる美しい書物が、これほどの低価格で入手できるというのは、もはや何らかのバグとしか思えぬ。すべてのオカルト愛好家が掌中に愛蔵すべき、愛らしい逸品である。

(月刊ムー 2026年03月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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