地震予知へ貴重な発見、ダライ・ラマの後継者、「膨湖人」の正体、ほか今週のムー的ミステリーニュース7選

文=羽仁礼

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    4月11〜17日にかけて世界を騒がせたオカルト・考古学・民俗学などの最新不思議ニュースから、超常現象情報研究所と編集部が厳選!

    地震予知へ貴重な発見

     4月15日付『日経新聞』朝刊「地震予知の夢追う 京大、電離圏の異常から」は、京都大学や東北大学などで行われている地震予知の研究を紹介。現在の科学では地震予知は不可能とされているが、京都大学の梅野健教授らの研究グループは2024年、巨大地震に先立って高度80キロ以上の電離層の電子密度が高まるとの研究を発表した。地殻の中にある水が高音・高圧のため超臨界と呼ばれる状態になると電気を通さなくなるため、大気を通じて電離層に電子が届くと考えられる。また東北大学の武藤潤教授らは、大気に含まれるラドン濃度の違いから地震予知を可能性を探っている。

    https://www.nikkei.com/article/DGKKZO88025180U5A410C2TJK000

    ダライ・ラマの後継者

    ダライ・ラマ14世 画像は「Wikipedia」より引用

     4月15日付『東京新聞』朝刊「ダライ・ラマ14世『後継者は中国以外で誕生する』と明言 チベット支配狙う習近平政権との対立深まる」によれば、チベット仏教の最高指導者でチベット亡命政権の元首でもあるダライ・ラマ14世が、3月に出版した著書で、自分の生まれ変わりは自由世界で誕生すると述べている。チベット仏教では、先代の生まれ変わりと認められた子供がダライ・ラマ他高位のラマの後継者となる。ダライ・ラマの発言によれば、後継者は中国支配下のチベット以外で生まれる子供ということになる。

    https://www.tokyo-np.co.jp/article/398486

    進まぬ古墳復旧

    江田船山古墳(手前に前方部、右奥に後円部) 画像は「Wikipedia」より引用

     2016年4月の熊本地震では、48基の古墳が被害を受けた。和水町の江田船山古墳は、日本最古級の文字が刻まれた大刀などが出土しているが、石棺の亀裂や石材の崩落が見つかっている。同じ和水町の塚坊主古墳では雨水の漏水や石材の落下が認められ、熊本市石之室古墳では石棺の石組みが崩壊。装飾古墳として知られる御船町今城大塚古墳の横穴式石室は全壊の恐れが出ている。しかし、こうした被害の復旧はほとんど進んでいない。4月12日付朝刊各紙に関連報道あり。

    https://www.asahi.com/articles/AST4F0VZXT4FTLVB00CM.html

    「膨湖人」はデニソワ人

     過去に陸地だったと思われる台湾膨湖諸島近くの沖の海底で見つかり、2015年にアジア第4の原人として「膨湖人」と呼ばれていた人類化石が、タンパク質の解析によりデニソワ人と判明した。デニソワ人の化石は2008年にシベリアのデニソワ洞窟で発見され、2010年にスパンテ・ペーボ博士によって現生人類ともネアンデルタール人とも異なる人類としてデニソワ人と命名された。デニソワ人は現生人類とも交雑していたことが確認されているが、その後2019年にチベット高原の洞窟で化石が発見されたのみで、東南アジア方面に棲息していたことが確認されたのは初めて。4月11日付朝刊各紙に関連記事。

    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250411/k10014776021000.html

    ケイティ・ペリー宇宙へ

     アメリカの宇宙企業ブルーオリジンは14日、人気歌手ケイティー・ペリー、ジャーナリストのゲイル・キング、女性運動家アマンダ・グエン、ブルーオリジン創業者ジェフ・ベゾスの婚約者など、女性のみ6人を乗せた宇宙船「ニューシェパード」を打ち上げた。宇宙船はパイロットなしで飛行し、6人は、約11分後に地球へと帰還した。女性のみの宇宙飛行は1963年のワレンチナ・テレシコワ以来となる。4月15日付夕刊各紙に関連記事。

    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN14C810U5A410C2000000

    太陽フレアの深刻な影響

     4月16日付『読売新聞』朝刊「ニュースの門」は、大規模な太陽フレアが地球に与える影響について解説。昨年10月、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、太陽活動が極大期に入ったと発表。総務相は3年前にカーナビや自動運転の位置情報の誤差や、緊急通報がつながりにくくなるなどの事例が想定されると発表している。総務省所属の国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、24時間後までの予測を行っているが、天気予報以上に難度が高い。前回の極大期にあたる2012年には、観測史上最大のフレアが発声したが太陽の裏側だったため被害は少なかった。現代は電子機器が一層普及しており、フレアの被害は従来以上に深刻になると懸念されている。

    https://www.yomiuri.co.jp/science/20250415-OYT1T50174

    「人工流れ星」で地球防衛

     4月16日付『読売新聞』夕刊「人工流れ星で地球防衛実験」は、プラネタリー・ディフェンスの技術開発のため日本の新興企業「エール」とアメリカの「エックスラボ」が東京大学と協力して行う予定の、小惑星に金属の粒でできた人工流れ星を打ち込む実験について紹介。「エール」は人工流れ星をつくる事業を目指しており、「エックスラボ」の探査機に「エール」の人工流れ星装置を搭載して打ち上げ、2029年4月に地球接近予定の小惑星アポフィスに、直径1センチの金属の粒を10~20粒打ち込む予定。

    https://www.yomiuri.co.jp/science/20250416-OYT1T50106

    羽仁 礼

    ノンフィクション作家。中東、魔術、占星術などを中心に幅広く執筆。
    ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)創設会員、一般社団法人 超常現象情報研究センター主任研究員。

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