8波無視できない! 感染症の恐怖が具現化した怪異譚/黒史郎・妖怪補遺々々
巷ではコロナ第8波に自粛の声が上がりつつ、旅行者支援も行われている、なんだかよくわからない状況ですが、感染症に振り回されたのは過去の人々もでも同じです。そんな感染症にまつわる奇妙な話を補遺々々しました
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月刊「ムー」でもおなじみの神仏探偵であり、神木探偵の本田不二雄氏が書く神木の世界。今回は、岩倉の乳房杉(島根県隠岐の島町)です。
松江市七類港からフェリーで2時間半。隠岐・島後の西郷港に上陸し、島の主峰・大満寺山の北麓を目指す。そこに今回の渡島を決心させた木があった。森の林道を進むと、やがてゴロゴロとした巨石で覆われた異様な景観となり、不意にあらわれた看板が目的地を告げていた。車を降りると、ぞくぞくするような冷気を感じる。なぜだろうと思う間もなく、同行者が「うおお」と声を上げていた。
道路沿いの鳥居の奥、20 ~ 30 メートル先の斜面に、1 本の木が怪物さながらの奇態でそそり立っていた。通称・岩倉の乳房杉。お社も何もない岩倉神社の御神体である。大きさもさることながら、地上数メートルのところからおびただしい数の幹を分岐させ、大小24 もの“乳房(下垂根)”を垂らす、尋常ならざる樹相である。
その乳房は、この地の特異な環境によって生じたものらしい。斜面を覆いつくす火山岩(玄武岩)の隙間から豊富な地下水で冷やされた蒸気が吹き出し(先の冷気の正体)、それが対馬海流の暖気とぶつかって多く霧を発生させる。その空気中に滞留する水分を吸収するために、もうひとつの根が発達したという。つまり、もともとスギが根を張り生長するには過酷な環境に適応した奇跡のスギなのである。
古来この島では、山域最大のスギを神木として祀る伝統があった。ところが今から100 年ほど前、以前は別の場所にあった「岩倉の神木」が忽然と姿を消し、捜索した里人らが大満寺山麓で「形の変わった大スギ(乳房杉)」を発見。代わりに山の神として祀られるようになったという。
DATA
樹齢800 年、幹周り15.6m、樹高30m
住 所:島根県隠岐郡隠岐の島町布施
アクセス:西郷港より車で約60 分(レンタカーを利用のこと)
メ モ:道路の開通状況などは隠岐の島町観光協会などに要確認。
島後島にはほかにも「かぶら杉」「八百杉」(乳房杉とあわせ「島後三大スギ」とも)
などの巨木がある
立ち寄りスポット
壇鏡の滝(「乳房杉」より車で約60 分)、玉若酢命神社(西郷港より6 分、境内に「八百杉」あり)
地球の歩き方「W24 日本の凄い神木 – 全都道府県250柱のヌシとそれを守る人に会いに行く」本田不二雄(著)より抜粋。
https://hon.gakken.jp/book/2080183300
本田不二雄
ノンフィクションライター、神仏探偵あるいは神木探偵の異名でも知られる。神社や仏像など、日本の神仏世界の魅力を伝える書籍・雑誌の編集制作に携わる。
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