横浜で大ピラミッド内部を探索! VR「ホライゾン・オブ・クフ 古代エジプトへの旅」で時空を超える幻想体験

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    VRで古代エジプトに旅をする。そんな夢のような体験ができる施設が横浜に誕生した。目の前に浮かび上がるピラミッドに隠された秘密とはーー!

    VRでよみがえる古代エジプトの姿とは

     日々進化するVR(ヴァーチャルリアリティー)技術。ゴーグルをかければ目の前に見える世界はほとんど現実そのものーー。そんな時代の到来を感じさせてくれる体験型の施設が横浜に誕生したという。その名もIMMERSIVE JOURNEY(イマーシブジャーニー)。直訳すれば「没入型の旅」という意味になるが、VRで没入するほどの旅が体験できる、ということだろうか?
     しかも、現在そこで公開されているVR作品は「ホライゾン・オブ・クフ 古代エジプトへの旅」だとか。古代エジプトに没入旅? ときいたら見ないわけにはいかない。実際のところを体験するため、横浜にいってみた。

     施設は、横浜駅みなみ東口通路をでてすぐの横浜アソビル3階にある。受付で荷物を預け、トンネルをくぐった先にあらわれるのが、

     肉眼で見れば、そこはまるで現代アートのような広々とした空間。VR作品なのだから現実空間になにもないことは頭ではわかっているのだが、本当にこんなだだっ広い、ぶちぬきのスペースだけなんだ……と初心者的な感心をしているうちに、VRに関する基本的な注意事項の説明がはじまる。

     初めてVRを体験した人には車酔いのような感覚になったり、浮遊感が怖くて足がすくんでしまったりする人もいるのだとか。そんなときには軽くゴーグルをはずして外側(現実世界)をみましょう、といったレクチャーを受ける。拙記者もVR初体験かつ高所恐怖症なのでほんのりと不安に襲われつつ、ゴーグルを装着しさっそく「古代エジプトへの旅」がスタート。いったいどんな景色がみられるのだろう。

     ……と、残念ながら現在公開中の作品内容は詳細にお伝えできないので、かわりにこちらの動画をご覧いただきたい。

     ごく簡単にストーリーを紹介すれば、ゴーグルをつけた瞬間、体験者はギザの巨大ピラミッドの目の前に立っている。そして遺跡ガイドに案内されてピラミッドを見学することになるのだが、あることをきっかけに4500年前の古代エジプトにワープしてしまうのだ!

    リアルなピラミッドのなかを進む。© Excurio
    現実には不可能なピラミッドへのアプローチも! © Excurio

     とにかく、最初に目の前に現れるピラミッドの巨大さが衝撃的。記者はあまりの迫力に思わずため息がでてしまった。詳細をお伝えできないのがもどかしいが、ここが横浜のビルの一室であることがわかっているのに、大ピラミッドの巨大さに圧倒され、高さに足がすくむ。単に写実的にリアルな映像を見るだけでなく、まさにそれは体験だった。
     クフ王のピラミッドを現実には不可能なアングルから眺めたり、幻想的なナイル川の水面を感じたりと、VRでなければなしえないビジュアルが次から次へと展開する。時間や空間の制約をとびこえて、ピラミッド、そして古代エジプトを手にとるように感じることができるのだ。

    受付にたたずむ古代エジプトの猫神・バステト。じつは作品中でも重要な役割を担う。

    さらに進化を続けるVRの可能性

     じつはこの「ホライゾン・オブ・クフ」、日本に先駆けて世界15都市で公開され、すでに150万人を超える人たちが体験しているもの。映像には世界的なエジプト学者が率いる研究チームによる最新の研究成果と、現地で収集された3D計測データなどが活用されている。現在のみならず、クフ王の時代のピラミッドも学術的に正しく再現されているのだ。
     そして日本語版を監修したのはあの吉村作治さん。翻訳の正確性だけでなく、いいまわしの微妙なニュアンスなどもチェックされたというから、いま日本で体験できる最高に「リアル」な古代エジプト、といって過言ではないだろう。

     しかし、ことばを尽くしてもなかなか伝わらないのがVR。まさに「百聞は一見にしかず」の世界だ。ゴーグルをつけて、古代エジプトの旅に飛び込んでみてほしい。

    作品はひとりでも、グループでの体験も可能。

     今のところ、「ホライゾン・オブ・クフ」の公開期間は今年6月頃までは予定しているとのこと。その後は未定だが、延長するか、あるいは同時に別のプログラムも公開しどちらかを選択できるようにすることも構想中だという。
     チャンネルをかえるようにゴーグルの設定をきりかえるだけで、内装工事などもなしに同じ施設内で複数作品を展開できるのは、VRならではの強み。たとえば自分がクフ王のピラミッドを見上げているすぐ隣を歩いている人は、古代マヤの神殿で王の即位の儀式をみている……なんてこともありえてしまうのだ。海外ではそんなシステムもすでに実用化されているそうだ。

     少し前まで、VRといえば体験者が定位置にとどまって体験するのが主流だったが、デバイスの進化のおかげで広い空間を移動しながら、しかも大人数が同時に体験することが可能になったのだそう。自分と他の参加者が近づくと映像にうっすら人のかたちの影が表示されることで接触を回避でき、また複数人で同時体験した場合は、それぞれアバターを設定してお互いを認識することも可能になる。

     そしてなんといってもVRのすごいところは、過去の世界はもちろんのこと、今は立ち入りが規制されているエリアなど現在は見学不可になってしまった場所でもみることができること。IMMERSIVE JOURNEYでは、ゆくゆくは海外への輸出も想定して独自コンテンツの開発も企画しているそうで、この先どんなVRならではの没入体験ができるのか、展開が楽しみだ。

    体験後の休憩ブースでは物販やエジプト関連書籍の読書もできる。本棚にはなにやら見慣れたロゴも……。

    ホライゾン・オブ・クフ 古代エジプトへの旅
    会場:横浜アソビル IMMERSIVE JOURNEY(横浜市)
    料金:休日5,000円、平日4,000円(一名、体験時間約45分)
    時間:平日10:00〜20:00、土日祝 10:00〜22:00
    詳細は公式サイトから https://immersivejourney.jp/index.html

    webムー編集部

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