兵庫の妖怪タウン・福崎町に河童がいた! 民俗学の父・柳田國男の故郷に妖怪が集う理由
一匹の河童から「妖怪町おこし」に成功した町があるという。そこでは、街じゅうに妖怪が鎮座する世にも珍しい光景が広がっていた!
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フィギュアから世界の神話を学べるユニークな展示が開催中! ミュージアム自体も見る価値アリの貴重な建築物だった!
ギリシャ神話、エジプト神話、マヤの神話に、日本の神話……。世界にはさまざまな神話があり、それぞれの地域で豊かな文化をはぐくむ土壌となってきた。鳥取県倉吉市の円形劇場くらよしフィギュアミュージアムで開催中の「意外と身近な世界の神々」展は、そんな世界の神話、神々についての理解を深めることができる展示だ。
ただ、その内容はとてもユニーク。宗教絵画や古代の神像などではなく、神さまをモチーフにした現代のフィギュア作品がずらりと展示されているのだ。
「円形劇場くらよしフィギュアミュージアム」というとおり、ここは日本でも珍しいフィギュア専門のミュージアム。常設展では2000点ちかいフィギュアが展示され、ファミリー層を中心に人気を集めている。そんな収蔵品と、フィギュアメーカーなどから提供された大小さまざまな「神さま」フィギュアが約100点展示されたのが今回の企画展だ。
たしかにいわれてみれば、漫画やアニメには世界各地の神々が登場する作品が膨大にある。昭和生まれ世代ならば、「聖闘士が護る女神アテナってどういう神?」「スーパーゼウスってなんだろう?」「ヴェルダンディーってどこの女神なの?」……といった疑問をきっかけに神話に興味をもった人も多いのでは。最近の平成生まれ令和育ちの若者たちでは、「FGO」などのゲームから世界の神話を調べる人が増えているそう。
ポップカルチャーは神話への大きな窓口。とすれば、フィギュア作品から神話を学ぶというコンセプトは、ユニークながら芯をとらえた慧眼ともいえそうだ。
展示はおもにギリシャ、エジプト、北欧、そしてインドの4つの神話体系を中心に構成されている。
こちらはギリシャ・ローマ神話のフィギュア。青銅のような輝きが美しい。
インド、エジプトなど体系ごとにまとめられた神話フィギュアたち。展示はフィギュアの隣にその神についての解説パネルがつき、キャラクター的な造形を楽しみつつしっかり神話を学べるスタイルになっている。
ギリシャの医の神アスクレピオス。その後ろにみえるのは、だいぶ見覚えのある特徴的な女神さまっ。
基本的には実在の神話が中心だが、なかにはシークレットとして意外な「神さま」も展示されている。巨大な龍を出現させ、どんな願いごとでも叶えてしまう奇跡のボールを創造したあの神さまだ。
実際にある神話の神々と、創作・ファンタジーの世界の神をあわせて鑑賞することで、「神とはなんなのか」という本質的な問いにも思いを深めることができるかもしれない。こんな展示構成は、きっとフィギュアでなければ実現できないだろう。
また同展では昨年秋、仏師の小谷和上氏による会場で神像を制作するライブアートが開催されたが、そこでつくられた大国主神の木像が調整を終え、この1月から展示されている。一木から彫り出された、子供の背丈ほどもある巨大な大国主神の頭部。厳かな表情のインパクトもすさまじい「本物の神像」を間近に見られるのも貴重だ。
【大国主命面 完成!】
— 【公式】円形劇場 くらよしフィギュアミュージアム (@enkeigekijyou) January 1, 2025
仏師:小谷和上氏による大国主命面がついに完成いたしました!
お正月の本日より、特別展にてお披露目しております
力強いエネルギーを感じてください#円形劇場 https://t.co/Lnus6VTqPs pic.twitter.com/Sj0npyiMKd
それにしても気になるのが、「円形劇場くらよしフィギュアミュージアム」というユニークな名前。円形劇場というのは建物がドーナツ型の円形をしているからだが、もともとこの建物は小学校の校舎だったという珍しい経歴がある。そんな学校がどうしてフィギュア専門のミュージアムへと大変身を遂げたのか……。その経緯について、ミュージアム代表取締役の稲嶋正彦さんに話をうかがって、以下にまとめておこう。
「円形校舎」ときけば、建築に詳しい人ならばピンとくるだろう。あるいは年配のかたならば実際使った経験のある人もいるかもしれない。円形校舎は昭和30年代に日本各地に建てられた、その名の通りの円形をした校舎のことだ。一時は100件近くもつくられるほどブームになったのだが、時を経て現存するのは三分の一ほどといわれる。
倉吉市の円形校舎は学校が廃校になったのち取り壊しが決まっていたのだが、貴重な建築物をなんとか残したいとの熱心な運動の結果、一転して保存活用されることになったのだ。
しかし、保存となると次に問題になるのが維持費用。校舎をどう活用して費用を捻出するか……という課題のなかで注目されたのが、土地の歴史だった。円形校舎がたつのは鍛冶町という場所で、かつてはものづくりの職人の町として栄えた地域だった。ならば、いま日本の最先端を走るものづくりを取り上げて、かつ子供たちにもわかりやすいテーマの施設にしたらどうだろうとのアイディアがでる。
ちょうどこの頃、倉吉市にはフィギュアメーカー大手のグッドスマイルカンパニーが日本国内唯一の工場を建設したところだった。さらに偶然にも海洋堂との伝手もあったことから、両社に打診してみたところ協力を得ることができ、円形校舎はフィギュア専門ミュージアムとして活用する道がひらかれたのだという。
そんなこんなでミュージアムがオープンしたのは2018年4月1日。せっかくフィギュア専門のミュージアムなのだから式典も堅苦しいのはよしにしよう、ということで、この日おこなわれたオープニングセレモニーでは来賓もアニメのコスプレで参加するというユニークな企画が実現し、ニュースでも話題になった。
県知事や市長がガンダムなど人気作のコスプレで登場するなか、ひときわ話題を呼んだのがドラゴンボールの魔人ブウの完全コスプレを披露したある人物。
その場面をニュースでもみたことがある人も多いのでは? ブウに扮したのは、地元選出の衆院議員、石破茂(現首相!)だった。しかも当日、他の来賓には事前にコスプレの依頼が伝えられていたのだが、石破氏だけは現場でのぶっつけのお願いだったそう。コスプレ、しかも魔人ブウとなるとなかなかハードルの高い衣装だが、稲嶋さんによれば石破首相は「じゃあ私もやりましょう」と快諾してくれたそうだ。
フィギュアの企業が自社で展開している博物館はあるが、幅広くさまざまなフィギュアを収集展示する施設は今のところ日本には同館意外にははないという。フィギュア自体が個人収集がメインのコレクターアイテム的な部分があり、公的な施設で収集しようという発想がそもそも少ないのだとか。そういう意味でも貴重な円形劇場くらよしフィギュアミュージアム。企画展、常設展と鑑賞して、貴重な建物も眺めればたっぷり1時間は楽しめるという。フィギュアで世界の神話を学んだら、同じく鳥取県にある日本神話の舞台・白兎海岸に足をのばす……といったプランをたてても楽しそうだ。特別展は2025年3月9日まで。
特別展「意外と身近な世界の神話と神々」
会場:円形劇場くらよしフィギュアミュージアム(鳥取県倉吉市)
会期:3月9日(日)まで
料金:
特別展「世界の神話と神々展」のみ 高校生以上 600円 / 小中学生 300円
特別展+常設展セット 高校生以上 1,200円 / 小中学生 600円
常設展のみ 高校生以上 1,000円 / 小中学生 500円
※いずれも未就学児無料
詳細は公式サイトから https://enkei-museum.com/index.html
webムー編集部
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