中東の過去、現在、未来を見通す「エゼキエル戦争前夜」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

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    「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。

    エゼキエル戦争前夜

    石田和靖 著

    中東の過去、現在、未来が見通せる一冊

    「エゼキエル戦争」とは『旧約聖書』の預言書『エゼキエル書』に記された世界最終戦争である。その概略は、終末時、再び建国を果たしたイスラエルに対し、「ゴグ」や「マゴグ」といった勢力が戦争を仕掛けるが、そこに神の怒りが炸裂する、というもの。そして現在の中東は、この預言がいつ実現してもおかしくない情勢に陥っている、というのだ。

     などというと、またぞろ予言系の陰謀論の本かと思われるかもしれないが、さにあらず。実際には本書にはオカルト要素はほとんどなく、ただイスラエルを牛耳っているシオニストらは『旧約聖書』を盲信しているので、この預言の実現を目論んでいる、との観点から、中東情勢を詳細に解き明かす内容。中東の歴史から説き起こし、なぜこの地域は一触即発なのかを、さまざまな角度から詳細に解説。本書一冊あれば、中東の過去、現在、未来が見通せるようになる。

     著者の石田和靖氏は、世界を股にかけて活躍する中東問題の専門家。各国要人とも繋がりを持ち、現在は登録者24万人超という人気YouTubeチャンネル「越境3.0チャンネル」を主宰・運営している。本書は、このチャンネルを書籍化したもの。
     YouTubeもよいが、やはり書籍としてまとまっていると、膨大な情報を一気に読むことができる。と同時に、本書は同チャンネルのプレイリストとしても使えるところが、実に斬新。チャンネル登録者なら、必携のガイドブックである。

    かや書房 1980円(税込)

    (月刊ムー 2025年2月号掲載)

    星野太朗

    書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。

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