「言葉」が綴る謎と不思議の世界へ! 高知県立文学館「創刊45周年記念 ムー展~謎と不思議に挑む夏~」レポート

文=寺田真理子

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    ムー45th記念のビッグイベントが土佐で開催中!

    「ムー」創刊45周年記念、四国・高知で、謎と不思議に挑む夏!

     1979年10月の創刊以来、世界の謎と不思議に挑戦し続けてきた「ムー」は、今年2024年、創刊45周年を迎える。
     記念すべき企画展の舞台となったのは、四国・高知にある高知県立文学館。高知ゆかりの文学者たちにまつわる資料を収集保存し、その業績を顕彰している同館の常設展では、宮尾登美子や寺田寅彦など高知ゆかりの文学者について、時代やテーマに沿って紹介している。

     今回の「ムー」創刊45周年を記念した企画展では「言葉」を大切にする展示として企画され、書籍87冊、資料12点、フィギュア101体など、200点以上の資料が集められた。四国・高知に、想像力と知的好奇心を刺激する空間が出現している。

    謎と不思議の要塞と化した、高知県立文学館。外壁には高知の「五色石」が使われている。
    1979年10月に発刊された「ムー」創刊号も展示されている。創刊当時は隔月発行だった。

     企画展の会場となっている2階企画展示室への階段にも、古今東西の学者たちが未知なるものに対して残した「言葉たち」が記されている。

    偉人たちの「言葉」を踏み締めて、いざ2階企画展示室へ。

     会場となっている2回階企画展示室への階段踊り場には、これまでの「ムー」表紙を組み合わせたモザイクアートが。45年の歴史が「ムー」を浮かび上がらせている。

    このモザイクアートをバックに記念撮影も可能。創刊号は果たしてどこに?探してみよう。
    「ムー」の世界に入る前に基礎知識をレクチャーしてくれるので、「ムーって何?」という方も安心だ。
    三上編集長が、異世界へと誘う。

     企画展示室内には、ムー45年の膨大な記事の中から、「高知」や「文学」に関連のあるものなど、同館学芸員さんたちがセレクトした記事がズラリ。テーマごとに、同館の所蔵資料とあわせて紹介している。世界の謎と不思議についての考察を深め、ムー的視点で綴ってきた「言葉」にもぜひ注目して欲しい。

    謎と不思議に真摯に向き合い、ムーが紡ぎ続けてきた「言葉」たち。
    三上丈晴語録も多数掲げられている。

     また会期中に、UFOやUMA、お気に入りのコーナーなどを交えてお客様に「ムー」の魅力をアピールできる「あつまれ!『ムー』応援大使」の参加者も募集中だ。参加者には展覧会特製の缶バッジがプレゼントされる。詳しくは、高知県立文学館公式サイトをチェック。

    謎と不思議を愛した、高知ゆかりの作家たち

     物理学者でありながら文学者でもあった寺田寅彦、怪談・奇談も手がけた田中貢太郎など、謎と不思議を愛した高知ゆかりの作家たちも数多く紹介。そしてあの『竹内文書』を鑑定した人物のなかに、なんと高知県生まれの作家タカクラ・テルがいたという驚愕の事実も!

    タカクラ・テルは、英語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・サクスクリット語・ラテン語などあらゆる言語に精通した言語学者でもあった。

     今回の「高知ムー展」は9月16日までだが、10月5日からは、2023年に逝去した高知民間伝承研究の第一人者、市原麟一郎氏を偲んで「追悼 市原麟一郎先生〜土佐民話よ、永遠に〜」展が予定されている。

     なにより高知といえば、1972年に起きたUFO史に残る大事件「介良事件」が起こった地でもある。その謎と不思議に突き動かされた文豪 遠藤周作も高知へ取材に訪れ、エッセイを記している。スケッチなどの資料をもとに復元された「介良UFO」の模型も展示されているので、サイズ感や裏面の様子など、ぜひ会場でご覧いただきたい。

    僭越ながら筆者も「遠藤周作と介良事件、高知UFO」についての寄稿などで協力している。

    「謎と不思議」にちなんだ同館所蔵資料も多数展示されているが、なかでも見どころは、江戸後期末〜明治時代に記されたと考えられている、作者不詳の謎の文書『土佐化物絵本』『絵本集艸』『新先生一代記』の原本だ。平成13年に高知県内で発見された手書き・和綴の文書で、土佐の妖怪・怪異・当時の人々の日常・滑稽話などが、表情豊かな挿絵とともにユーモラスに綴られている。

     古い書物のため繊維がもろくなっており、ページを捲ることができない「閲覧不可」に分類されている資料だが、特別に展示されている。

    高知県立歴史民俗資料館の過去の調査によってデータ化されているので、パネル写真でご覧いただける。

    『土佐化物絵本』と『絵本集艸』は、筆者が「webムー」で書かせていただいた怪異「赤頭」の記事にも登場した。

     ミュージアムショップには、今回の企画展にあわせて新登場の「土佐化物絵本グッズ」も並んでいるので、要チェックだ!

    高知県立文学館オリジナルの、土佐化物絵本グッズたち。
    担当学芸員・福冨さんイチオシ高知・佐川町の怪異「ぼたもちくん」は、企画展示室内にも潜んでいるぞ。

    充実の体験コーナーとフォトスポット

     見たり読んだりするだけでなく、「ムー的体験」ができるコーナーも充実。

     なんとエジプト・ギザのピラミッド周辺のメタバース空間内を、ゲームコントローラーを使って自由に散策できるコーナーも出現しているのだ。これは「ムー展」に特別協力している株式会社ZEXAVERSEの「WORLD SCAN PROJECT」によって構築されたもので、ゲームのコントローラーを使って、ピラミッド周辺を自由に走り回るメタバース体験。移動速度もリアルなので、ピラミッドとスフィンクスの距離が意外と離れていることも実感できる。

    エアコンが効いた展示室内でのエジプト体験。現地では登ってはならないようなポイントでも、メタバース内なら自在だ。
    日本のピラミッド記事コーナー前には「ピラミッドパワー」を体験できるコーナーが。
    ユリ・ゲラー氏のパワーを受けながら、スプーン曲げにも挑戦してみよう!
    果たして、箱のなかみに反応するのか?! ダウジング体験。リラックスして、気持ちを落ち着けて挑もう。

     今回の「高知ムー展」、企画展示室の中は写真撮影OK! フォトスポットも多数あるので、SNSで謎と不思議を拡散させよう。

    イケメン(?)グレイとのツーショットも可能。
    リアルなアブダクション写真も撮れちゃう!

    もちろんムーグッズも手に入る

    「ムー展」会期中、高知県立文学館職員さんがセレクトしたムーグッズも出現! 月刊「ムー」や関連書籍も「文学館」ならではの充実っぷり。ぜひ手に入れて、日常のムー度を高めて欲しい。

    45周年記念グッズだけでなく、大人気のムーピアスも購入可能。
    8月4日に対談イベントが予定されている斎藤英喜先生と編集長三上の著書も。

    高知が謎と不思議に包まれる!3館コラボ

     文学館での「ムー展」に呼応して、7月19日〜9月23日に「秘められた神と祭り—高知県の不思議をたずねて—」を開催する高知県立歴史民俗資料館、8月24日・25日に夏の定期上映会「MUな映画」開催の高知県立美術館と、近隣の3館でのコラボ状態ともなっている。
     高知県立文学館での「ムー45周年企画展」会期中、歴史民俗資料館・美術館いずれかの半券を提示すると割引で観覧可能。また、歴史民俗資料館・美術館でも「ムー展」半券提示で料金が割引となる。詳しくは、各公式サイトをチェックしよう。

    高知県立歴史民俗資料館公式サイト
    https://kochi-rekimin.jp/index.html
    高知県立美術館公式サイト
    https://moak.jp

     高知県立文学館「創刊45周年記念 ムー展~謎と不思議に挑む夏~」は2024年9月16日まで!お見逃しなく!

    高知県立文学館公式サイト
    https://www.kochi-bungaku.com/exhibition/9266

    寺田真理子

    ライター、デザイナー、動植物と自然を愛するオカルト・ミステリー研究家。日々キョロキョロと、主に四国の謎を追う。

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