シャーマン、古代民族、裏鬼道…映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」が秘めるオカルト的血脈を観た!
妖怪・因習・戦後……話題の映画「ゲゲゲの謎」をムー的な視点で紹介。それは、血の物語であった。
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かわいい+オカルト!? あのハルカンドラはアトランティスなのか? 宇宙的スケールの「星のカービィ」世界を思い切ってムー的視点で考察!
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「星のカービィ」ーー1992年にゲームボーイ用ソフトとして第一作が発売されて以来、30年以上もヒットし続けている国民的ゲームシリーズである。たとえ本編をプレイしたことがない人でも、ピンク色のまん丸いキャラクターは知っているだろう。日本だけでなく、世界的にも圧倒的な認知度を誇る。
遊びやすく親しみやすいデザインから、カービィと言えば「初心者向け・子ども向けの可愛いゲーム」という認識の人がほとんどのことと思う。筆者はふと考えた。その可愛い世界に浮かび上がるオカルト的意匠を感じ取っている人は、どのくらいいるのだろうか…?
ディープなファンは別にしても、一般的にカービィに関する評価はあまりにも「可愛い」ばかりが先行しすぎではないか。ムー民の端くれとしてそろそろ、世間がスルーしているカービィのオカルト的魅力に触れようと思う。
なお本記事の内容はあくまでも、いちカービィファンである筆者個人の考察と妄想であり、任天堂および開発元であるハル研究所の公式見解ではないことを申し添えておく。
まず「星のカービィ」シリーズの概要を簡単に紹介しておこう。記念すべきシリーズ1作目の「星のカービィ」は、1992年にゲームボーイ用ソフトとして発売された横スクロールアクションだ。
舞台はとある宇宙のとある惑星「ポップスター」にある平和な国「プププランド」。デデデ大王に奪われた食べ物を取り返すため、はるかぜと共に現れた旅の若者カービィが冒険を繰り広げる。
以来カービィは、ファミコン、スーパーファミコン、NINTENDO 64、ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDS、Wii、Nintendo Switchと、任天堂のゲーム機に欠かせないタイトルとなっている。カービィとその仲間は、惑星ポップスターを中心に、時に広大な宇宙や次元の狭間を行き来しながら、冒険をし続けているのだ。
カービィシリーズの大きな特徴は、カービィが吸い込んだ敵の能力をコピーして使えるようになること。多種多様な敵の能力を吸い込んで使い分けることで、同じステージでもプレイの感触が変わってくるのが楽しい。ちなみにこの「コピー能力」、シリーズ2作目の「星のカービィ 夢の泉の物語」(1993年・ファミリーコンピュータ)から実装されたものだったりする。初代カービィは、単に敵を倒す手段として吸い込むだけで、コピー能力はなかった。
主流の横スクロールアクションの他、ピンボールゲーム「カービィのピンボール」や落ちモノパズルゲーム「カービィのきらきらきっず」などの派生作品も多く、そのタイトル数は膨大。
そしてここが長年の人気に直結する部分でもあるのだが……実はカービィ、年を追うごとに可愛くなっている(ように見える)。これは任天堂ゲーム機の進化によるところも大きく、最新のNintendo Switchだと映像が綺麗でアニメーションも精細なため、カービィの表情や動きがより細かく描かれており、もう愛らしさ大爆発なのだ。
プレイ中に、カービィの可愛い仕草に悶絶してミスすることもしばしばだが、プレーヤーはその可愛さにただメロメロになるしかないのである。下の画面は、カービィ30周年の年に発売された「星のカービィ ディスカバリー」(2022年・Nintendo Switch)で、筆者のハートを撃ち抜いたカービィ。こちらをちょろっと振り返って手をフリフリする姿が可愛い……。
さて、まんまと筆者も「カービィ可愛い」で話を進めてしまったが、ここからが本題だ。カービィはただ可愛いだけではない。プレイしてその世界観に触れると、実はまあまあ「オカルトみ」が漂っていることに気付く。
まず名前からしてそれが現れているのが、カービィシリーズに敵としてよく登場する「ダークマター族」である。ダークマター族はカービィの世界の宇宙に住む種族で、ポップスターやプププランドを侵略しようとしている。
一般的に「ダークマター」(暗黒物質)と言えば、天文学分野で宇宙の観測事象を説明するために考えられた物質で、正体は未知の素粒子などともいわれる謎多き存在。直接観測できず触ることもできないが質量はある…という特徴が示唆されており、宇宙誕生の謎にも深く関わるものだ。
カービィの世界におけるダークマター族は、邪悪な黒雲から生まれた謎の生命体で、全貌は解明されていない。他者に憑依して操るという呪術的な能力まで持っていて、不気味である。作品によってはダークマター族が出てこない場合もあるが、不気味な存在が匂わされていたり、種族は明言されていないが明らかにダークマター族と思われるキャラがいたりと、非常に存在感が大きい敵キャラである。
そして何より特徴的なのが、その意匠なのだ。ダークマター族の形状は多様だが、基本的に「一つ目」なのである。戦闘中も気味が悪く、わりとトラウマになるような形態に変化することもある。
ダークマター族の形状は多様だが、基本的に一つ目である。
『星のカービィ2』の剣士姿、『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』の五芒星の形などのほか、『星のカービィ スターアライズ』にはダークマター族と明言されていないが、見た目からして関連が疑われるキャラが登場している。
「一つ目」と来れば、ムー民的には神の全能の目を表す「プロビデンスの目」を思い出すだろうか。筆者の印象では、ダークマター族はちょくちょく三角形モチーフとセットになる傾向もある。
古くはエジプト神話や古代メソポタミア文明にルーツがあるというプロビデンスの目は、フリーメイソンやイルミナティのシンボルにも採用されてきた。ご存じ、アメリカ合衆国の1ドル紙幣や国章の裏面など、それが描かれているものは多く、歴史的にも多種多様な陰謀論的憶測を生んでいる。
公共物のほか各種コンテンツの例では、映画「時計じかけのオレンジ」(監督:スタンリー・キューブリック)のポスターはまさにプロビデンスの目が浮かび上がるビジュアルだ。もちろん、そう意図したものだとはっきりした証言があるわけではない。ただキューブリックは、遺作の「アイズ・ワイド・シャット」でイルミナティの世界を描いたという憶測がいまだ根強いこともあり、そこに意味を見出す余地は多分にある。
……と、こんな具合で古今東西、プロビデンスの目はさまざまな憶測を呼び起こしがちだ。果たして、星のカービィにおいて、暗黒物質の名を冠するダークマター族がそれを想起するデザインなのはたまたまなのだろうか? それとも……。
実は、ダークマター族ながらカービィの仲間になってくれるキャラ(グーイ)もいるのだが、こちらは普通に二つ目なのだ。やっぱり敵の一つ目、意味がありそうである。
ちなみに、ダークマター族に憑依される側の代表と言えば、デデデ大王。カービィシリーズの舞台プププランドの王様を自称するキャラクターである。
初代カービィでラスボスを務めたデデデ大王だが、その後は敵に取り憑かれてカービィの前に立ちはだかることもちょくちょくあり、かなりの憑依体質だ。
一方で、カービィの味方としてプレイアブルキャラになることも多く、全体的にゲームを盛り上げてくれる愛され大王であるのは間違いない。……が、お気付きだろうか? そんな彼の衣装にも、ダークマター族の剣士姿とかなり似た三角形のモチーフがあることを……。カービィの世界の三角形には、やはり何か意味がありそうだ。
ここで、カービィと「三」角形という組み合わせから「そういえばアレは…!」とひとつの心当たりが浮かんでくる。カービィといえばステージクリア後にいきなり踊り始める、いわゆる「カービィダンス」も有名だが、スーパーファミコンあたりまでのカービィは踊る時3体に分裂(?)していた時代があった。
三角形は「三位一体」に通じる図形でもある。そして3体に分裂するカービィ…。これは、完全なる「円(球)」のフォルムに、神と子と聖霊が仕込まれているというメッセージなのか? それなら逆に近年の作品で分裂しなくなった理由は何なのか?
……と思っていたら、かつてカービィが分裂して踊っていた理由について、カービィシリーズ生みの親である桜井政博氏がX(旧Twitter)にて言及していた。
た、楽しいから……。どうにも「隠蔽」という気もしてしまうが、そういうことにしておこう。
しかしこのカービィダンス、単純な左右対称振り付けではなく、昔から動きにほどよくランダム性があって魅力的だ。カービィのダンス血脈、侮りがたしである。
ダンスといえば、「星のカービィ ディスカバリー」の中ボスの一人、スワロリーナ。白鳥のバレリーナで、優雅なおじぎ姿勢や5番の足など、ちゃんとクラシックバレエの動きをしていて美しい。なお白鳥は、ギリシャ神話の大神ゼウスや古事記の日本武尊など、神話の大物が変身する聖なる動物だ。
続いてはいよいよ、カービィの世界でダークマター族と同じくらい謎に満ちている存在について語っていこう。失われし超古代文明の惑星「ハルカンドラ」と、そこに住んでいた人々である。
未だ全容が明かされていないこのハルカンドラについて、現在までにわかっていることを整理しよう。
ハルカンドラは、カービィたちがいるポップスターから遠く離れた場所にある惑星。かつてそこは、未知の魔力とテクノロジーが眠る約束の地と呼ばれ、高度な文明を持つ住人たちがいた。ハルカンドラの住人は、その技術力を用いて、銀河の伝説になるようなさまざまなアイテムを発明していたという。そのアイテムの多くは、「使用者の願望を具現化する」という驚くべき力を持ったものだった。
高度な文明を誇っていた惑星ハルカンドラだが、ある時に何らかの理由で滅亡してしまう。そしてハルカンドラの住人たちは、住めなくなったその星を捨て、どこか別の宇宙へと去っていった……。
……と、こんなところだ。2011年発売の「星のカービィ Wii」にて、カービィがハルカンドラを訪れた時はすでに滅亡後で、そこは火山と溶岩地帯が広がる中に科学工場の廃墟だけが残る過酷な環境と化していた。
上記画像の右手に見えるのが惑星ハルカンドラ。すでに滅亡した惑星で、そこに住んでいた者たちの姿も出てきていないのだが、小出しにされるハルカンドラ情報はカービィの世界に奥行きを与え続けている。それは、ハルカンドラの住人が作ったとされるアイテムが非常に意味深長だからだ。
代表的なのは、「星のカービィ Wii」で登場した船「ローア」。これは、別の世界へ移動するための異空間の壁(異空間ロード)を突破できる船とされている。このローアも含め、ハルカンドラの住人は空間を転移する、いわゆるワープ技術的なものを開発していたようである。
船といえば、世界的に有名なあの方舟を思い出す人も多いかもしれない。まさかローアが作られた真の目的は……? ハルカンドラの住人が開発したと思われるワープ技術は、カービィたちが次元の異なる宇宙を行き来する根拠になっているのではないか……と考察できる。
また、銀河を飛ぶ機械じかけの星=「ギャラクティック・ノヴァ」や、夢を生む不思議なアイテム=「夢の泉」「スターロッド」など、ファミコン時代からカービィ作品に出てきた数々のアイテムも、実はハルカンドラの住人が作ったらしいことが示唆され、古参ファンの胸をときめかせているのだ。
あくまで一つの推察だが、かつてハルカンドラの住人が発明したアイテムは、ハルカンドラの滅亡に前後して宇宙のさまざまな場所に散らばっていった。もしかするとハルカンドラの人々は自らの文明の痕跡を別の惑星、別の次元に継承すべく、滅亡の前に頒布を決断したのかもしれない。
つまり、カービィの冒険はそれら失われた古代アイテムにまつわる情報を収集し、ハルカンドラの真実を知るためだった……という流れも妄想できるのである。
では、ここまでのハルカンドラ情報を整理しつつ、ムー目線でポイントに触れていこう。
カービィの世界とは別の世界に存在するとされている惑星ハルカンドラで、失われた高度文明を築いたハルカンドラの住人たち。これには、我々が考える「地球の超古代文明と超古代人の関係」が想起される。
ハルカンドラ滅亡後にハルカンドラの住人たちが別の宇宙へ旅立ったというのを、地球の超古代文明と超古代人に置き換えてみると、痺れる展開だ。彼らはどこへ行ったのだろう?
一方で、ハルカンドラの住人たちが開発し、今は宇宙のさまざまな場所に散らばっているという超技術の結晶であるアイテムたち。これは、超古代人が残した地球上の「オーパーツ」に読み替えられる。
これらの要素から、カービィ宇宙の根底に「古代宇宙飛行士説」の影もチラ見えしてくるのだ。ムー民の中には、シュメール神話の「アヌンナキ」を思い出す人もいるのではないか。
古代メソポタミアの謎多きシュメール人の神話に登場する、異星の神々アヌンナキ。「宇宙から地球に飛来したアヌンナキが人類を創造し、文明を授けた」という説になぞらえれば、このアヌンナキとハルカンドラの住人がオーバーラップする。
もしカービィの物語に地球が出てきたとしたら、太古の昔にハルカンドラの住人を迎える人類の祖先たちの姿が描かれるのだろうか……?
なお、カービィシリーズには、ハルカンドラ以外にも文明滅亡後の惑星が出てくる。最新作「星のカービィ ディスカバリー」の舞台である、名もなきポストアポカリプスの星がそれだ。ここでも、滅んだ文明の詳細は最後まで謎である。ファンの間で、この惑星とハルカンドラとの関連もかなり考察されているが、果たして真相やいかに?
というわけで、世間がスルーしているカービィのオカルト的側面に迫ってみた。カービィの魅力は、単に可愛いだけではないことがおわかりいただけたと思う。
なお繰り返しになるが、本記事の内容はあくまでもいちカービィファンである筆者個人の妄想なのであしからず。
「カービィ」シリーズのゲームソフトは、Nintendo Switch用にも多数配信されている。中には有料オンラインサービス「Nintendo Switch Online」の会員のみ遊べるソフトもあるが、それらを活用すればゲームボーイやファミコン、スーファミ、64、GBAと、昔のゲーム機用に作られたタイトルもプレイできるのが最高だ。ぜひ、記念すべきシリーズ1作目から最新作までプレイして、カービィの進化に触れていただきたい。文字数の関係で本記事内では語れなかったが、カービィシリーズは音楽の演出も最高で、特に「星のカービィ ディスカバリー」のラスボス戦は熱すぎて震えるのでぜひ体験してほしい。
また、今回は個別タイトルのストーリーに関するネタバレがないよう、「ダークマター族」や「ハルカンドラ」といったシリーズを通して出てくる大枠のモチーフだけに言及したが、実は個別のタイトルそれぞれに、より細かくオカルト的なシーンがあったりする。ぜひその辺も見つけてみてほしい。
たとえば「星のカービィ スターアライズ」(2018年・Nintendo Switch)には、祈祷師のようなキャラも出てくる。ネタバレになるので詳細は出せないが、同作はわりとトラウマ?なシーンもありオカルトみが強く面白い。
それでは最後に。少々長くなってしまったが、本記事をここまで読んで下さった方がもしいたなら、ただただ感謝をお伝えしたい。そして拍手と共にこの言葉を送ろう。ブラボー、ブラボー。
杉浦みな子
オーディオビジュアルや家電にまつわる情報サイトの編集・記者・ライター職を経て、現在はフリーランスで活動中。
音楽&映画鑑賞と読書が好きで、自称:事件ルポ評論家、日課は麻雀…と、なかなか趣味が定まらないオタク系ミーハー。
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