アングロ・アメリカンの支配を問い直す「欧米の敗北」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

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    欧米の敗北

    大地舜 著

    世界の支配者は「アングロ・アメリカン支配者層」

     かつて一世を風靡したグラハム・ハンコックの『神々の指紋』。本書の著者・大地舜氏は同書の翻訳者で、ハンコック自身とも盟友であるジャーナリスト。そんな大地氏は、7年ほど前から「だれが世界を支配しているのか?」というテーマに取り組んでおり、マサチューセッツ工科大学のノーム・チョムスキー名誉教授の同じ標題の著書を翻訳した。
     チョムスキーによれば、現在の世界を支配しているのは「多国籍企業であり、米国の外交政策を提言する外交問題評議会」であるという。大地氏はそこから研究を進め、世界の支配者は「アングロ・アメリカン支配者層」と呼ばれるスーパーリッチたちである、という結論に至る。

     そういう視座に立てば、たとえば現在も継続中のウクライナ戦争は「ロシアの弱体化」を目的とする、英米やNATOによる代理戦争に他ならず、真の独裁者はプーチンではなくゼレンスキーだし、新型コロナは一種の人体実験であり、ワクチンはビル・ゲイツらによる富の収奪の手段であった、ということになる。
     などというと、巷間にあふれる陰謀論のようだが、本書の場合、掲載されている情報は、すべてきちんとした出典が明らかにされている。陰謀論か否かは、読者自身が自ら判断できるようになっているのだ。
     また、著者の姿勢は徹底した反英米・親中露だが、決して反日ではない。むしろ、衷心からの愛国者とお見受けした。

    パレード/1650円(税込)

    (月刊ムー 2024年3月号掲載)

    星野太朗

    書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。

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