なぜ科学者たちは呪術に引かれるのか? 科学のダークサイドに堕ちる研究者心理の闇
最初の着眼点は科学なのに、いつの間にか話が疑似科学になってしまう――古今東西、ダークサイドに落ちてしまった科学者たちの実例を解説!
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この世界は、私たちが想像可能な領域を遥かに超えて複雑、かつ不確かに、そして、〝かなり興味深く〟成立しています。そのような奥深い世界を覗き込むために、サイエンスからオカルト、都市伝説まで縦横無尽に横断することで、〝世界解読〟を試みる「真実の目」氏の『宇宙奇譚集』。その気になる中身を抜粋、再構成し7回にわたりプレビュー公開いたします。 1回目は、私たちが一切感知できない「ダークマター」についてーー
この世界が私たちの想像を遥かに超えたものだとしたら、理性や常識にとらわれたままではその姿をつかむことなどできるはずがありません。
ですから私は、サイエンスだけでなく、一見ナンセンスにも見えるオカルトから都市伝説まで奇説を縦横無尽に組み合わせることで、真実に迫ろうとしています。
もしもこれまでのあなたがこの世界を当たり前のように受け入れ、疑うこともしてこなかったとすれば、この世界の真の姿は、あなたが思い描くものと比べると、かなり異質かつ衝撃的なものになる可能性が高いでしょう。
それくらいに、真実とは私たちの想像を遥かに超えた姿で成立しています。
まずは、この記事をご覧になってくださり、ありがとうございます。
私はYouTubeチャンネル『真実の目』として、世界の様々な不思議な現象や謎と、この世界であまり知られていない奇妙な一面を皆さまにご紹介している者です。
ありがたいことに、開設から半年でチャンネル総再生回数1000万回を超え、このタイミングで私がかねてから構想していた「本」を作ることを決めました。
YouTubeで投稿を始めた私が、なぜ、こうしてまとまったテキストを執筆したのか。
それは、世界の真相に迫るためには、いくつかのステップが必要だと考えているからです(YouTubeは素晴らしいメディアですが、まとまった形で物事を構成するには不向きな面もあります)。
世界の真相に迫るために必要なステップ、まず1つめは人間の当たり前に世界に〝ある〟と思われているあらゆる前提を疑うことです。
往々にして、新しい知識を得る、自分の古い考えを捨てて新しい考えを受け入れるというのは、難しいものです。なぜなら、人は無意識のうちに、自分の考えの前提となる常識や思い込みをもってしまっているものだからです。
これは、どのような偉人であっても同じです。この連載でも、多くの人が絞ってきた知恵と労力、それによって「常識が転換」する様子をできる限り知ってもらいたいと考え、物理学、宇宙学など学術的な話もたくさん盛り込みました。人が思わず抱え込んでしまう「思い込み」を取り去ることを試みます。
そもそも私たちは、私たちが現実だと信じているこの世界をどれだけ知覚できているのでしょうか?
答えてしまうと、私たちはこの世界の全貌をほぼ何も知覚できていない、と言わざるをえません。私たちが周りの環境を感じ取る手段は、聴覚、視覚、触覚、味覚、嗅覚の五感です。しかし、この五感の性能をどれだけ高めることが出来たとしても、人は構造上、世界の5%しか知覚することが出来ません。
少し物理学の話になってしまいますが、私たちが普段生活をする中で感じる「力」は、重力を除くと、ほとんどが「電磁相互作用」の働きによる力です。
手と物が触れた時に、手は物の反発の力を受けて、圧迫されたりして変形します。この反発の力の正体が電磁相互作用です。
私たちが物に触ったり、物を手に持つことができたりするのはすべて電磁相互作用が働いて、手と物の間に力が発生しているためです。
しかし、宇宙には私たちの体と電磁相互作用が起こらない物質も存在しています。それこそが、ダークマターとダークエネルギーです。
これらはまったく正体不明です。
しかもその物質は宇宙全体の95 %以上をも占めるとも言われています。95 %という数字は、銀河の構造を計算したときに導かれた数字です。星が散らばらずに銀河を形成し続けるためには、ある程度の重力が必要です。
しかし、人間に観測できる物質の重力を足し合わせただけでは銀河の形を保つための重力が足りないということから、私たちが一切観測することのできない非常に強い重力をもつ物質の存在=ダークマターの存在が示唆されました。
私たちが観測できないとはどういうことかというと、私達がどうやっても働きかけることも、影響を与えることも出来ないということです。仮に人間の五感の感度を最高値にまで高めて、すべての電磁波を見ることができるようにして、そしてすべての音を聞こえるようにしたとしても、それでも私たちはこの宇宙の5%以下の物事しか感じ取ることはできないということです。
今あなたがこの文を読んでいる最中に、重さ数tのダークマターがあなたの体を貫通しているかもしれません。そんなことが起こったとしても、先ほどの説明のように、ダークマターは私たちと相互作用しないので、私たちはダークマターが体を貫通しても、何も感じることができません。
今も科学者たちは様々な手段でダークマターの正体を明らかにしようとしています。ですが、残念なことに、現在の技術レベルでは、ダークマターを集めることも、その仕組みを説明することもできません。
ただし、本当に恐ろしいのは、先述したように、物質の量だけから見れば、ダークマターのほうがこの宇宙のほとんどを占める物質であるということです。
もしかしたら、ダークマターで構成されているもう1つの世界が存在していたり、ダークマターでできた知的生命体とそれらによる高度な文明が存在していたりすることもあるかもしれないのです。
私たちと同じ空間にいたとしても、彼らと私たちはお互いに何も感じられず、また、お互いに干渉もできず、影響を与えることもできません。私たちはこれらの物質をダークマターと呼んでいますが、本当は5%の物質でできた私たちの世界のほうが、「ダーク」と呼ぶべきものかもしれないのです。
結局何が言いたいのかというと、私たちが感じ取っている世界の姿は、ごくごく一部でしかなく、私たちにとって未知の物事が多く存在しており、全貌はわからないままであるということです。
真実の目
2021年12月に開設したYouTubeチャンネル「真実の目」は動画総再生回数1000万回を超え、謎に包まれた超新星サイエンス×都市伝説チャンネルとして注目を集める。YouTubeでは、独特な視点から、様々な現象や謎を論理的に分析し、この世界のあまり知られていない奇妙な一面を紹介する動画を投稿している。
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